番組をご覧になられた方も少なくないでしょう。
5日の放送でした。10日に再放送があります。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259585/index.html
私は1943年秋に旧満州国のソ連（当時）と北朝鮮の国境に近い満蒙開拓村で生まれました。狼が出没し夜はタバコの火を持たないと歩けない冬は零下３０度になる地。
一緒に渡満した親しい人は手足まといになるからと赤子を井戸に投げ込んで逃げてきたそうです。
あー、投げ込まれないで良かったなぁ。だってmixiもできるしマイミクの方々と出会えたし。
関東軍が中国人を追い出し農地を強奪しでできた「開拓団村」でした。
私は満州で生まれた者として今でも罪の意識をもって償いたいと思ってきました。
関東軍はソ連兵が追ってこないように南満州鉄道の鉄橋ややトラック、戦車の車道の橋を落としながら一目散に逃げ去ったため、取り残された開拓団を襲った悲劇は多様でした。
ソ連兵や怒った中国人による襲撃、集団自決、強姦、溺死、餓死、凍死…
このドキュメンタリーは、土地を強奪された中国人による襲撃から身を守ることをソ連兵に依頼した見返りとして開拓団員の中の15人の女性を「接待」に提供した岐阜県からの黒川開拓団の戦中戦後の物語です。「接待」の効果で650人の団員のうち450人が帰国できました。
「接待」とは「慰安」です。数えで17歳から２1歳の未婚の女性を村の一角にある接待所に毎日送り込みました。女性たちは皆の命を守るための犠牲になることを理解しつつも、「お母ちゃ〜ん。お母ちゃ〜ん。」と泣くだけでした。うち4人が現地で病死しました。
当事者の女性たちは故郷に帰ってから白眼視されました。そのうち、４年前に当時89歳の安江善子さんが初めて重い口を開きました。このまま歴史を閉じてしまっていいのかという思いがあったのでしょう。
その後91歳で亡くなった彼女が一人息子（養子）の泉さんのために生前録音したテープには「私の大事な家族 大事な泉 暗い家庭に育てたくない。私がたどってきたような人生を送ってほしくないい。明るい家庭にしたい。（私が）一家の太陽としていつも照り続けていれば家の中が楽しいじゃない」と。
考えさせられたことのいくつかです。
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安江善子さんの話「「今まで心の中に寝ても覚めても忘れなかった。時々夜夢を見て飛び起きる」
--------日本人は、彼女たち（や外国人の慰安婦だった方々）にこれでもうケリをつけたことにしよう、なんてことは言えないと思います（日韓慰安婦合意の「不可逆的な解決」。あれはなんだ！）。戦争で数々の悲惨な経験をした方々にも。
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開拓団は話し合って「戦争に女はつきものだから」として心の中で泣きながら見返りの要求を受け入れました。男たちを長年戦争に送ると、問題は敵味方とも深刻です。最近は女性兵士も増えています。性の視点からも戦争は非人間的です。
(「その２」に続く）
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