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2017年08月05日13:29

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バレエ・スプリーム Bプロ

2017/7/26日 14:00- 文京シビックホール

「グラン・パ・クラシック」
振付:ヴィクトル・グゾフスキー
音楽:フランソワ・オーベール
オニール八菜、ユーゴ・マルシャン

八菜ちゃん、エスメラルダのときよりこちらの方が技術的に安定していたような気が。そしてユーゴって本当にテクニック盤石だなあ。大きな二人のグランパクラシック、華やかでオープニングにぴったり。

「ロミオとジュリエット」 第1幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ

Aプロで不調だった二人でしたが、この日は疲れもとれたのかすごく良かった!エトワール・ガラで彼ら2人のロミジュリを観たとき胸が震えるような感動を覚えたのを思い出しました。今の二人にぴったりな演目。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

これ、超絶素晴らしかった・・・!マチアスは勿論なんだけど、ミリアムが特に!!!音楽が見えるような踊りとは、このこと。あるところはタメをつくり、あるところはスピーディーに。そういう細かい「演出」が、全然嫌味じゃなくて、どこまでもエレガントでしかも手先足先、そして視線の送り方にいたるまで繊細に気配りされている。ミリアム凄いわ・・・!
マチアスが、ミリアムと顔を見合わせるたびに、ふわぁっと本当に幸せそうな笑顔になるのもいい。この二人、お互いに相手を心底信頼し合っていて一緒に踊るのを楽しんでる。とっても幸せな気分にさせてくれた素晴らしい演技でした。ブラボー!

「真夏の夜の夢」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン
高田 茜、ベンジャミン・エラ

茜ちゃんのタイターニアは堂々としていてよかった。彼女は娼婦から女王からジュリエットまで、何でも演じられる人なんじゃないかなと。でもエラ君、君にはまだオベロンは早いのかも^^; パックは似合いそうだね。

「タランテラ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ルイ・モロー・ゴットシャルク
フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ

これ、すっごい難しいけど演技入れてくれないと退屈になってしまう難しい作品だと思う。その点で、最初から最後まで顔はもちろん全身でお茶目な表情をつけていたフランチェスカは凄いね!彼女はリズム感もいいし、踊り込めば名手になりそう。サンベ君、踊りはよかったけど、もう少し洒脱感が欲しいかな。
タランテラに関しては、2016年1月に新国立劇場で観た小野絢子×福岡雄大組のが、ここしばらくのベストかなあ。

「白鳥の湖」 第2幕よりパ・ド・ドゥ
振付:レフ・イワーノフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
金子扶生、フェデリコ・ボネッリ

扶生さんが参加すると聞いてとても楽しみにしていた!のですが、演目はもう少しロイヤルらしいものにできなかったものかなあ・・・。二人ともとても正しくクラシックだし美しいのですがね、お祭り向きだったかというとちょっと。

「ドン・キホーテ」よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー

これは「サイコーに楽しかった!」の一言に尽きる。ヤーナもスティーヴンも、全開!これでもかとバランスや回転技を盛り込んで、でもこの二人の場合、ほとんどワザやるときに力みがなくて綺麗。それでいて「どや!」みたいな見栄はきってくるから、盛り上がらないわけがない。スティーヴン、途中で録音音源なのに音とめさせてワザ追加してたでしょー。面白いから大歓迎だけど!ヤーナは、アシュトンよりもこっちの方が断然よかったです。

「眠れる森の美女」 ディヴェルティスマン 
振付:マリウス・プティパ 
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
序曲: 全員
リラの精: オニール八菜
ローズ・アダージオ: 高田 茜、スティーヴン・マックレー、ベンジャミン・エラ、
ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン
オーロラ姫: ミリアム・ウルド=ブラーム
王子: フェデリコ・ボネッリ
オーロラ姫と王子のパ・ド・ドゥ: ミリアム・ウルド=ブラーム、ジェルマン・ルーヴェ
青い鳥(パ・ド・ドゥ): フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ
青い鳥(コーダ): フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ、ユーゴ・マルシャン
オーロラ姫と王子のパ・ド・ドゥ: ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー
王子: マチアス・エイマン
オーロラ姫: レオノール・ボラック
コーダ: 全員

パリオペ組、ロイヤル組、混成チームによるディヴェルティスマン。ドンキより眠りの方が、双方の絡みもあるしチームワークもよくなっててすっごい楽しかった。
ローズ・アダージオは茜ちゃんの堂々たるオーロラっぷりがよかった。そして世界一豪華な求婚者達!ユーゴはこういうとき、一生懸命役として尽そうとするのにジェルマンは割と義務的なのも面白い。
あと、ミリアムのオーロラ。チャイコフスキーパドドゥのところでも書いたけど、ここでも彼女の細かな演技は素晴らしかった。求婚者一人一人にちゃんと視線を送っていて、ああこの振付ってそういう意味だったのかっていうのを初めて理解できたくらい。この演技力は、ミリアムか絢子ちゃんか円加ちゃんかっていう感じです私の中では。ああ何でもいいからミリアム姫の全幕が観たい!ジェルマンとミリアムのペアはまだ慣れないのか、ジェルマンのサポートがやや怪しかったように見えたけど、それをソフトに自分のテクニックでカバーするミリアムにも感心しきりでした。
そして面白かったのは青い鳥。サンベくんとフランチェスカ、フレッシュでとってもよかった。で、それに乱入する巨大な青い鳥ユーゴ。ロイヤル組が小さいから、バッサバッサという羽音が聞こえそうなダイナミックな彼が混じるの、とっても面白かったです!でもユーゴ、あんなに足が長いのに足さばきが綺麗で凄い。
オーロラと王子のパドドゥは、ヤーナとスティーヴンが堂々と初めて、テクニック部分はマチアスとレオノールが担当。マチアス、回転技入れながら舞台をまぁるく回ってくるところで、途中で方向見失って、その瞬間とレベランスのときにテヘペロの顔してたのが可愛かったハートいやでも、瞬間的にリカバリーしてたのは凄いと思いましたよ。レオノールも、眠りでは危うさ感じず。

Bプロは、パリオペ組の一人一人のメンバーの良さが特に引き立っていた公演で、珠玉のキャスティングだったなぁと思いました。その中でこの日一番印象的だったのはミリアム。本当に素敵なダンサーで、パリオペファンが絶賛する気持ちが良く分かります。ロイヤルは、演目的にちょっと特色が出なかったのが残念。サラが来ていてコンチェルトがあれば全然違ったと思うのですが。でも最後の眠りは、出演してるダンサー達も楽しそうで盛り上がりました!


バレエ・スプリーム、期待に違わぬ素晴らしい公演だったと思います。そしてこの公演の立役者の一人は、間違いなくスティーヴンだったのじゃないかな。彼自身のパフォーマンスが素晴らしいのは勿論ですが、全体の中で自分がどういう役回りをすればこの公演がまとまるのか、そういうことまで考えていたような気がする。彼のそういうcleverなところ、とても好きです。
あと、パリオペ組に対して古典ばかりではなくコンテもやってほしかった、という声も多くあったように見受けられました。個人的にはコンテを好きなのでその気持ちも分からないではないのですが、各組、独立して踊るのは1作品だけということであれば、美しさとテクニックが両立する時期の彼らで古典をたっぷり観られたのは幸せなことだったように思います。まあ古典と言っても、ヌレエフ版だったりして、パリオペのは少し特別ですし。

さて、どうやらバレエ・スプリームは次回があるようです。来年はバレエフェスがあるから、その次、2019年か。次回はさらにパワーアップしたものを見せてほしい!楽しみにしてます。
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