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2017年08月05日11:33

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バレエ・スプリーム Aプロ

ちょっと時間が経ってしまいましたが、パリオペ・ロイヤルの素晴らしいダンサー達の饗宴であったバレエ・スプリームの感想を。

2017/7/26水 18:30- 文京シビックホール

「ラプソディ」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー

冒頭からハイテンションで盛り上げる2人は流石。もちろん、スティーヴンのリズム感はアシュトンを踊らせると最高に素敵、なんですが、この作品に関しては2014年7月にアリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクトで都さんとスティーヴンが踊ったのが最高過ぎて、それを越えるものなんて見られないよなあと。
(そのときの感想はこちら http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929810849&owner_id=2438654
ヤーナは苦手ではないのですが、アシュトンを踊るとリズムのとり方がちょっと違うなって思ってしまう。

「アスフォデルの花畑」
振付:リアム・スカーレット
音楽:フランシス・プーランク
フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ

以前、ラウラが踊ったのを観てたので、なぜこの大人っぽい演目を若いフランチェスカに?!と思っていたのですがいやこれが素晴らしかった。フランチェスカはこの日の公演で一番印象的だったダンサー。すっかり大人になってしっとりした情感を表現できるようになりましたね。高度なテクニックに裏付けられたロイヤルらしいリアルな演技力を持つダンサー、そして愛くるしいルックス、という意味で、ポスト・コジョカルの位置にあたるのでは、と思いました。今後注目したいダンサー。

「ジゼル」 第2幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー
音楽:アドルフ・アダン
高田 茜、ベンジャミン・エラ

茜ちゃん、今まであまり観たことがなかったのですが、今回のガラでは彼女をよく知ることができてよかったです。彼女、本当に盤石のテクニックを持ってる。そして日本人離れした憑依系の表現力。都さんとはかなり違うタイプの日本人プリンシパルですね。

「アイ・ガット・リズム」
振付:スティーヴン・マックレー
音楽:ジョージ・ガーシュウィン
スティーヴン・マックレー

スティーヴン、やっぱり大好き!って思ってしまった^^ 彼のパフォーマンスからは、音楽やリズムに対する愛情とか踊ることの楽しさがビシビシ伝わってくる。ほんっとすっばらしいリズム感で気持ちよかったー!!彼は本当にプロフェッショナルだしエンターテイナーだと思う。どんなときもクオリティ高いし、自分の独りよがりじゃなくて観客に何かを伝えようとする。彼とシムキンは、SNSでの情報発信なんかも含めて、新しい時代の新しいタイプのスターだな、と思うのですよね。

「ロミオとジュリエット」 第1幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
フランチェスカ・ヘイワード、フェデリコ・ボネッリ

これ、とてもよかったです。フランチェスカがアスフォデルに引き続き目覚ましい成長を見せてくれて、若さと生命力、そしてみずみずしい感情に溢れる魅力的なジュリエットでした。フェデリコも、ロイヤル来日公演で全幕踊った時より好調だったんじゃないの?って感じで素敵なロミオでしたし!しっかしフランチェスカはいいな。彼女のジュリエット全幕が観たくなってしまう。

「白鳥の湖」 第2幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

2幕なんて、マチアスあまり踊らないじゃないがっかり・・・とか思ってたけど、すみませんでした。ミリアムの白鳥の表現が超絶素晴らしくて!彼女、エトワールになってからはあまり日本で観られていなかったのですが、今回の公演ではその演技力に心底感動しました。ロパ様の白鳥も素晴らしいのだけど、ミリアムの白鳥はもう少し人間ぽく、でも精密なガラス細工のような繊細さと透明感で、ジークフリートでなくても思わず抱きしめてしまいたくなるような儚さでした。

「白鳥の湖」 第3幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ

いわゆる黒鳥のパドドゥ。この日のレオノールとジェルマンは精細を欠いてて、NY公演から直行の疲れが残ってるなと思わされましたでも後でよく考えると、その条件は他のパリオペのダンサーも同じだよなと)。本当はアリュが来てパドドロワを踊る予定だったのが急遽2人になってしまったという調整の難しさはあったんだろうな。

「エスメラルダ」 パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:チェーザレ・プーニ
オニール八菜、ユーゴ・マルシャン

待望の、八菜さんオンステージを観ることができてうれしかった!彼女って本当に華があって、冒頭の片手を前に突き出して2番で立つあのポーズを決めたときに、うわーこれぞパリオペのセレブ感だわ!って感動。そして、ユーゴも素晴らしかった。彼、昨年のエトワール・ガラで観たときは、手がひらひらするのが気になったのだけど、それもちゃんと修正していて踊りもより端正になってました。

「マンフレッド」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マチアス・エイマン

これはもう凄かったとしか言いようがない。彼のマンフレッド、これまで多分3回観てると思うんですが、今回が一番、役の心情の表現が深くて、踊りが演技そのものになっていたと思いました。この作品に関しては、年齢が少しいった方が表現力とマッチしてくるのかもしれない。マチアスは、クラシック〜コンテンポラリーまでを踊る現役のダンサーの中では、今世界一だな、と今回のガラであらためて実感しました。すらりと長い手足、高いテクニック、コンテンポラリーを踊るのに必要な広い空間を支配する力、そして表現力、どれをとってもバランスよく高い。彼を、この先まだまだ長く観られるなんて、バレエファンとしては幸せな時代に生まれたなと思います。

「ドン・キホーテ」 ディヴェルティスマン 
振付:マリウス・プティパ 
音楽:レオン・ミンクス

キトリ、バジル: 高田 茜、フェデリコ・ボネッリ ほか
キトリのヴァリエーション: ミリアム・ウルド=ブラーム
キトリ、バジル: ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー
パ・ド・トロワ: ミリアム・ウルド=ブラーム、レオノール・ボラック、ユーゴ・マルシャン
バジルのヴァリエーション: マルセリーノ・サンベ、ベンジャミン・エラ
キューピッド: フランチェスカ・ヘイワード
ドリアードの女王: オニール八菜
キトリ、バジル: レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
バジルのヴァリエーション: マチアス・エイマン
キトリのヴァリエーション: レオノール・ボラック
コーダ: 全員

出演ダンサー全員によるドンキ、楽しかった!幕が開くとたくさんの「バジル達」が肩組んで並んでて笑えました。そのあとは、とっかえひっかえスーパーダンサー達が出てきて、今度は誰?って追っかけるの忙しかったけど、お祭り感満載!あと、真ん中踊ってないモブのダンサー達の行動見てるのも楽しかったな。こういうのが上手いのはスティーヴン。端っこでヤーナにギターを聴かせる演技してたりね!そして果敢にロイヤル組の絡もうとしているユーゴが超可愛かった。ジェルマンは何かっていうとユーゴのところに寄っていきたがっててこれまた可愛い♪
しかし、パリオペ組の踊ったヌレエフ版。ほんとーに、サディスティックに難しいですね。それを涼しい顔して踊るマチアスはマジで凄いと思いました。レオノールも調子は悪そうだったけど何とかこなしてたし、パリオペのダンサーのテクニックの盤石さ凄い。
実は来シーズン、ハンブルク・バレエでヌレエフ版ドンキをやるのですよ。あの難しいヌレエフ版、数名のズバ抜けたダンサー達を除いて、果たしてうちの子達は踊りこなせるのかしら、、、と心配になりました。

スティーヴンとヤーナにはもっと難しいところ踊らせてよ、って思ったけど、Bプロでパドドゥがあるからこういう役回りだったのかな。フランチェスカのキューピッド、八菜ちゃんのドリアード、なかなかナイスなキャスティングでした。サンベくんとエラくんも見せ場があってよかったね!

Aプロで印象的だったのは、成長著しいフランチェスカ。そして踊りが美しくなってて、あと可愛い素の性格が見えたユーゴかな。演目的には、アリュ降板で少し寂しかった白鳥をメインに据えてたパリオペ組がちょっと残念だったかなー。んでマチアスとスティーヴンはやっぱ最高だぜ!

Bプロに続く。

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