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2017年07月29日03:51

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2次元から3次元へ違和感なく移行!「心が叫びたがってるんだ(実写版)」を観た!

 前は「あの花」今は「鉄血のオルフェンズ」でおなじみ、超平和バスターズ原作のアニメ映画「心が叫びたがってるんだ」を、満を持して実写映画化。毎度ながらハードルの上がる実写映画ですが、こればかりは原作超好きなので観に行ってきました。

 参考までに原作(アニメ版)の感想はこちら。ネタバレなしとはいえ、この時期いっぺんに観た映画をいっぺんに感想を書いたもんだから、ガルパン・ここさけ・キングスマンという取り留めのなさすぎるラインナップになっています。3つとも大当たりでしたとも!

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1948167123&owner_id=8364432

 ちなみにメインヒロインが水瀬いのり(RE:ゼロのレム)で、サブヒロインが雨宮天(このすばのアクア様)なので、2大異世界転生アニメのヒロインが並び立つ青春アニメと書くとすごいゴージャスな響きがしますね。あと今日TVでやるんで気になる方はぜひ。

 と、BDまで買った勢なので、どうしても比較しての感想となりますが、ネタバレは避けるので、知らない人でも「ふーん、ほほーん」って感じで流し読みしていただければ。


●あらすじ

 おしゃべり好きの少女・成瀬順。夢見がちで見た物を見たままに話す彼女は、ある一言によって両親の離婚を招いてしまう。以来、言葉を発するのを恐れ、心を閉ざしたまま高校へと進学した彼女は、そこで「地域ふれあい交流会」の実行委員の一人として任命される。

 そこには無気力な少年、坂上拓実。甲子園を期待されつつヒジの故障で自暴自棄となった田崎大樹、誰からも好かれるチアリーダー部の仁藤菜月の姿があった。何の接点もない3人との出会い、そしてふとした出来事から、思いがけもしない成瀬の青春が始まる。


●キャストについて

 実写化については、本作に限ればハードルはそこまで高くない作品とは思っていました。原作がアニメとはいえ日本の高校が舞台だし、超能力でバトルとかしないし、話も地味だし、キャラも(変に目立たないという意味で)地味。しいて言えばメインヒロインの成瀬ちゃんの可愛さは再現不可だろうとナメてたら、実写版もむっちゃ健気で可愛かったので無問題でした。先生がカロリーメイトのCMとかのあの人だけど、まあビジュアルに目を瞑れば「ユニークでどこか憎めない、生徒に人気のある先生」ってのがうまく表現できてたかなと。

 主演の中島健人も「実写化でまず矢面に立たされる人」「困ったときのジャニーズ」みたいな先入観こそありましたが、本作に関しては別に悪くなかったので、8月公開のリーゼントの不良が超能力で戦う映画も安心して観に行こうかと思いました。


●アニメじゃない、ホントのことさ。

 原作は良くも悪くもファンタジー的な側面が強く、ことヒロインの「自身のトラウマで他人とコミュニケーションが取れなくなる」のが、いわゆるイマジナリーフレンド(空想の友人)を介して発症するという表現がされてましたが、実写版ではもっと分かりやすいもの(言葉を封じ込める卵の風習)へとチェンジ。原作にあった要素をうまいこと混ぜた感じで、ちょっと説得力アップ。

 代わりにアニメ版の独特のテンポやカットシーンがなくなった感じで、ここは実写ならまあそうなるか、って具合で妥協点かと。最初こそ「アニメだとこうなのになあ」ってのがありますが、観ている内に気にならなくなるかと。


●新ルートもあるよ! 思いのほか攻めたシナリオ

 一番ビックリしたのがここ。大筋こそ原作こそ一緒ですが、結構細かい所でイベント変更、あるいは新規イベントが追加されています。ざっくり言うと野球部の田崎君関係で、原作でもまあまあ良かったのですが、よりクローズアップして人物や人間関係を掘り下げています。ここは原作でもちょっと舌足らずというか、描写がちょい抑え気味だったので、原作勢としては「お、おお!」と思わず前のめりに。

 あとは前述した「卵の風習」を掘り下げていたり(原作ではあくまで話のきっかけ)、原作のとあるカップルを排除したり(おかげでイベントが変わってるが、より自然な形になったと思う)、結構原作をしっかり見直して、その上でなぞるのではなくよりドラマを仕上げてきた感じで、原作勢の前のめりが止まらない!

 結果として、新規でも話がより分かりやすく、かつシンプルに訴えかけるものになったので、話の好き嫌いはあれど、より筋の通った話になったと言えるでしょう。


●あえて苦言を呈すなら……

 ネタバレになるので具体的には触れませんが、本作の告知(予告、チラシなど)では特定のキャッチコピーが協調され、そして恋愛要素のある映画と紹介されています。これが原作勢としてはちょっとおかんむり。

 多分ですが、これは原作の映画のアピールポイントが弱く、「青春って言ってるけど、結局これはどういう映画なのか? どういうお客さんが観に来るんだ?」という反省点からの告知だと思うのですが、それにしては思い切りバラしちゃったな、やってくれましたな、というのが原作勢の感想です。話自体に文句を付けるわけじゃなく、その紹介がちょっと無粋というか、そういう紹介されたらそこにしか目が行かなくなるじゃん、ってな具合で。

 本作は青春映画であり、メインの4人の男女の人間関係も見物なのですが、個人的に本作は「心地の良い仮想青春もの(おれの学校時代もこういうのやりたかったなあ)」であり、特にメインイベントである「学生が頑張ってやるミュージカル」がいい歳した人こそ涙腺に来ると思うので、あんまベタベタな青春ではなく、爽やかな一夏の思い出みたいなのを期待して見てくんろ。


●まとめ

 原作と比較して見る楽しさもあれば、原作未見でも新鮮に楽しめる実写版。実際自分も見る前は「なんだかんだでアニメ版が最高だね!」とタカをくくっていたら、思いのほか実写版も独創的だったので、こりゃBD買ってそのうち見比べるしかねえなと思った次第。

 可愛い女の子の成長物語が観たい方、学生特有の青臭い青春が観たい方、未熟な若者の群像劇が観たい方、決して損はさせませんぜ。
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