トウモロコシを生で食う

　近年定年退職して農業に転じた元新聞記者が収穫物のお裾分けをくれた。ヒゲの黒いトウモロコシ。「生で食えますよ」と言っていたが本当だろうか。トウモロコシなんて茹でるか焼くか、とにかく生で食うなんて聞いた事がなかった。
　しかもこのトウモロコシ、加熱するにも茹でも焼きもしないのだと言う。ラップに包んでMWOでチンだって。生食可なら抜くべきアクもないので、わざわざ茹でて栄養分を捨てる事はないのだそうだ。理屈は通っているが生で食うのは勇気が要るな。

　半分に折ってひとつはラップに包んでMWOに。残りの半分は生で食べてみた。本当に食える。いや「食える」なんて言ったら失礼だ。うまい。加熱した方は普通のスイートコーンのようだったが、生は加熱したら絶対に得られない味わいだ。塩も使わずにそのまま食べたがほのかに甘い。劇的な体験だった。こんなのが路上販売で普通に売られているのか。今日富士宮へ行く道端で「生で食べられる」という看板を見かけた。
　生はひと粒ずつちぎり取って食べたが、これだとかなり時間がかかるので消化にもよさそうだ。ただ面倒なのでもう一度やるかは微妙（苦笑）。都合１本食べてしまったが、夜食にカップラーメンひとつ食うよりは健康的に思える。貰って２日経ったら既に皮の表面にカビが浮いてきていたから残りの１本も今日明日には食わねば。

　先日は別の方の所でホウレンソウを試食したが、これも生だった。エグ味が全くないので茹でる必要がない。21世紀に入って農作物の常識が変わってきているのか。なんか凄い時代まで生き延びてしまったものだ。