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2017年07月20日23:04

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イングリッシュ・ナショナル・バレエ 海賊

指揮 : ギャヴィン・サザーランド
演奏 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2017/7/16日 14:00- 東京文化会館

メドーラ : タマラ・ロホ
コンラッド : イサック・エルナンデス
ギュルナーラ : カーチャ・ハニュコワ→金原里奈
ランケデム : ジンハオ・チャン
アリ : セザール・コラレス
ビルバント : ヨナ・アコスタ
パシャ : マイケル・コールマン*
オダリスク : 金原里奈、アリソン・マクウィニー、フランチェスカ・ヴェリク

2017/7/17月祝 14:00- 東京文化会館

メドーラ : マリア・コチェトコワ*†
コンラッド : オシエル・グネオ*
ギュルナーラ : 加瀬 栞
ランケデム : ブルックリン・マック*
アリ : セザール・コラレス
ビルバント : フェルナンド・ブッファラ
パシャ : マイケル・コールマン*
オダリスク : 康 千里、コニー・ヴァウルズ、カーチャ・ハニュコワ


タマラ芸監率いる、イングリッシュ・ナショナル・バレエの来日公演。前半のコッペリアはハンブルクにいて観られなかったのですが、後半の海賊は2回観てまいりました。バレエ団の勢いを感じる熱い公演で楽しかったです!

海賊を全幕で観たのって長いバレエファン歴の中で2〜3度だけのような気がする。今回全幕で観て、そりゃそうだろうなーと思いました。いえ、ENBの海賊は面白かったですよ。ショーとしてはね。でもストーリーがハチャメチャ。女にホダされて組のことを考えられなくなるコンラッド、ビルバントが寝首かきたくなって当然です。同情の余地なし!しかも今回の話は最後にコンラッド、メドーラ、アリ、ギュルナーラの4人が海賊船で海に出て難破し、最後はメドーラとコンラッドだけになって終わりっていう。。。2回みても、納得のいくストーリーは見つけられませんでした。

が、が、が、踊りは超絶技巧のオンパレードで、ショーとして超楽しい!日曜日のキャストのあの有名なパダクシオン(っていう呼び名でいい?)は、もうこれ観るだけでおつりがくるよねっていう素晴らしさでした。

タマラももう43才なのですね。でも年齢に割にはルックスもテクニックも衰えてないなっていうのが私の感想。あの素晴らしいバランスキープ力は健在で、回転の軸に歪みゼロ。連続フェッテも、1−1−3、を何度も繰り返してて絶好調のように見えました。後半の方で4回転?5回転ピルエットなんかも入れてたし!彼女の場合、若い頃から、バランスが良すぎてちょっと音楽性が弱いかなと思うこともありましたが、でも別の部分の持ち味が凄く強いからこれはこれで良いのです。あ、ちなみに、タマラはコンテ踊るとあのクラシックとは全然違う感じになりますね。もっとしなやか。

そして、日本公演でプリンシパルへの昇進が決まったセザール・コラレスのアリ!すんばらしかった!何あの高いジャンプ!720やってた?もう次から次へと繰り出されるスーパー高難度ワザが楽しくて!客席もどよめいてましたねー。しかも彼、力みがなくて実にエレガント、体もすらっとしていて綺麗。ちょっとだけしか踊るところがなくて残念だったな。

そしてイサック、テクニックも高いんだけど実にチャーミングなダンサーハートタマラとは相当な信頼関係があるのでしょうね、月曜日のペアより終始二人でいちゃいちゃしていたように見えました。彼のロミオとか観てみたーい!

楽しく観ていたら、2回目の休憩の後にアナウンスが入り、ギュルナーラ役のハニュコワが怪我のため急きょ降板し、金原さんが代役をつとめると。彼女、高いテクニックとアジア人らしい繊細さを持った素敵なダンサーだと思いました。

さて、月曜日のキャストのほう。こちらも面白かった!

あの有名なパダクシオンは、日曜日の方が弾けてて面白かったかな。でもこの日、私はビルバント役のブッファラが超気に入って楽しかったのです。彼、とても演技力があって、海賊に多少なりともストーリーを感じさせてくれました。音感がよくて動きのキレもよくて、ちょっとスティーヴンみたいだった♪いいダンサーですねー。

コンラッド役のグオーネは技術力に定評ありますし、何より海賊の首領っていう役にあってました。ビルバントやその他の海賊たちに凄むシーン、イサックだと何となく説得力がなかったけど、グオーネは、あなた本当に喧嘩強いでしょ、って思う迫力があった。

コチェトコワ、昔ENBにいたんですね。知りませんでした。古巣で、一回だけの初役のメドーラ。わざわざ日本にそのためだけに来てくれてありがとう!私、実は彼女はとても好きなダンサーです。テクニックがあるダンサーって思われがちだけど、実は彼女のジゼルをガラで観てその情感あふれる演技に魅せられました。実は演技力が高い人だと思います。その期待に違わず、彼女とグオーネのパドドゥはしっとりとした情感にあふれていて、とても美しかった。これは、月曜日のキャストの方がよかったと思います。

あ、そうそう。月曜日、連続フェッテのところで、なんと手拍子が起きてしまいました。発表会ならいいですが、バレエの公演で手拍子はダメですよ。マナー云々ではなく、リズムがずれて踊りにくい、って言っていたダンサーがいます。主催者も、事前に会場にアナウンス入れて注意していただきたいです。

衣装は、バットマンでも衣装をつとめた人だとかで、なかなか凝ったつくりだなぁと思いましたが、一幕はちょっと色彩が賑やか過ぎて、遠くから観てるとちょっとごちゃごちゃした印象だったのが勿体ないように思いました。

それにしても、ENB、今まさに昇り調子の勢いのあるカンパニーだな、というのが何より強く印象に残りました。ロイヤルとは違って、かなりラテン系のダンサーが多いのも面白い。そしてみんな若い!あのタマラが、彼女の才覚でバレエ団をここまで引き上げたのかと思うと、彼女に尊敬の念が湧きます。コッペリアじゃなくて、アクラム・カーンのジゼルを持ってきてほしかったな、という気持ちはどうしてもぬぐえません。いいんですけどね、9月にロンドンに観に行っちゃうから。
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