3泊4日で、中国・江南地方を旅してきた。
中国は4回目で、1回目は北京周辺、2回目は西安周辺、3回目は成都周辺、そして今回は、上海周辺である。長江(揚子江)河口付近に位置する上海は、近代中国をリードする商業都市。
その西側、長江下流に広がる江南地方は、運河や湖沼が多く、風光明媚な街が生み出された。蘇州・無錫・杭州を見て回った。この時期、上海にも梅雨前線がかかり、天気が心配されたが、無錫で雨に降られた以外は、まずまずの天気であった。
7/8,関空13:30発の中国国際航空機で、上海には15:00到着した。地元ガイドの趙さんが、待っていてくれた。専用バスで、杭州に向かった。
かつてこの地を訪れたマルコ・ポーロは「世界で最も華やかな街」と表現した。上海から南西におよそ150kmのところに位置していて、浙江省の省都。街の中心を占める「西湖」は2011年
6月に世界遺産に登録された。10世紀の呉越国、13世紀の南宋の都として栄えた。
現在の人口は900万人。20:30杭州のホテルに到着して泊まりとなった。この日の気温は36度。
7/9,朝ホテルも出発、「六和塔」を見学した。浙江省第一の大河、銭塘江のほとりに建つ、
高さ60mの塔。北宋の970年に創建された。レンガと木で作られている。銭塘江は、海水が巨大な波となって逆流する現象で知られている。
移動して、「西湖」を遊覧した。9:20〜10:10。中国の4大美人の「西施」のように美しいので西湖と名付けられた。湖水面積6.5平方km、周囲15kmで、唐代には白居易が、宋代には蘇東坡
が絶賛したという。特に「三潭印月(さんたんいんげつ）」が有名で、湖上に3基の石灯籠が立ち、中秋になると蝋燭が灯され、幻想的である。
昼食後、蘇州に向かった。故事「臥薪嘗胆」や「呉越同舟」の舞台で、絹織物の生産地としても有名である。広大な太湖のほとりに位置していて、運河に囲まれた街は「東洋のベニス」にたとえられている。古来より「上有天堂、下有蘇杭（天に極楽があり、地には蘇州と杭州があるとうたわれてきた、水の都。紀元前514年に蘇州城が築かれたのが、発展の始まりである。
現在の人口は1300万人。＜留園＞を訪ねる。ここは、頤和園・避暑山荘・拙政園と並ぶ、中国四大名園の一つ。特に、「太湖石」の名石のある、冠雲峰は見応えがあった。
「太湖石」とは、蘇州西部の太湖から産出する、白い奇岩。水の浸食によって、無数に穴が開いており、かつて富豪たちが競って庭園に飾ったという。
＜虎丘＞は、遠くから眺めるだけで終わった。宋代の961年創建の八角七層の塔だが、400年前から地盤沈下の為に傾き始めて、今では、北側に約2.5度傾斜している。
「蘇州刺繍研究所」を見学した。世界遺産の環秀山荘にある、両面刺繍の工房で、丹念な手仕事の作品があった。世界遺産の「京杭大運河」を見てから（この運河は北京〜杭州まで1797m
ある）夕食後、無錫に行き、シェラトンホテルで泊まりとなった。
7/10,「南禅寺」に向かった。生憎の雨だった。無錫市の人口は650万人。
長江デルタに位置し、東の上海からは128kmの距離がある。南部には、「太湖」が広がり、市の水面面積は769平方km、面積の16.5％を占める。小さな河川が無数に流れる典型的な、江南
の水郷である。太湖に産する魚などの水産物が豊富で、古来「魚米の郷」と呼ばれていた。
無錫は有史以来、非常に長い歴史を持ち、長江文明に属する、良渚文化の墳墓などの遺跡群がある。ここが｛呉｝の発祥の地の一つとなった。無錫は元来、スズを多く産出する＜有錫＞という名の鉱工業都市だったという。しかし余りにも多く掘りすぎて、前漢までに掘り尽くしてしまい、以来＜無錫＞になったといわれる。
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