もっとエロを！

■賛否呼ぶ壇蜜の宮城ＰＲ動画にサンド伊達「大成功」
(日刊スポーツ - 2017年07月11日 14:17)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=4662765

■「お酒飲みながらしゃぶるのがうみゃあで」　サントリー「コックゥ〜ん！」CMに「下品」「下ネタ」と批判相次ぎ公開中止へ
(ねとらぼ - 2017年07月07日 19:23)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=4657376

　最近、またまたエロとは何ぞやと頭の中で禅問答を繰り返しているけんちんです。
　「少年ジャンプ」の『ゆらぎ荘の幽奈さん』の件もそうなんだけれど、似たような事件が連発するのは何なのかね。なぜこんなにエロを目の敵にしている人が多いんだろう。
　もちろん、エロまかりならぬと糾弾する人々がいれば、エロの何が悪いんだと反論する人々もいるわけで、どちらが大勢を占めているかと言えば、そりゃあ日本にこれだけエロが氾濫している状況を鑑みれば、後者であることは間違いないと思われる。
　世の中にはエロを下品と感じて忌避するひとがいることは理解できる。そういう人が、何の気なしにテレビを付けたら「亀さん、上乗ってもいいですか？」とか「こっくーん」とかいった台詞が耳に入って来て、飛び上がってしまうこともあるだろうとは思う。ＣＭの制作者は当然確信犯なのであって、まさしくその「エロ効果」を狙っているのである。
　大人しい、優良健全なＣＭなど、誰も見向きもしないだろう。ならばいっそのこと「炎上」を狙ってでも商品をアピールしたい……という発想でＣＭが作られていることは想像に難くない。

　しかし、宮城県が非難を受けてもＣＭを中止する気配もないのに対して、サントリーはあっさりとＣＭの放送中止を決めてしまった。この差はいったい何なのだろう？
　宮城県は根性が座っていたが、サントリーは案外と腰砕けだった、ということもできる。宮城県は覚悟を決めていたが、サントリーは事態を甘く見ていて、批判を受けて初めてビビりあがってしまった、ということなのかもしれない。

　けれども、私にはちょっと疑問が残るのである。「エロだ」と指摘されることが予想できたのなら、企画を考え直すこともできたはずである。そうではなくて、放送を決めたということは、抗議を受けることも前提だったはずだ。なのになぜ、ＣＭを簡単に放送中止にしてしまったのだろうか。「炎上」は実現したから、ということなのだろうか。
　サントリーのＣＭの方は、一本一本をじっくり見ていくと、そんなにエロいというほどでもない。聞きようによってはＨに聞こえなくもない、という程度である。それに比べると、宮城県の方は、壇蜜を使い、壇蜜に関わるゆるキャラやら伊達政宗やらカメやらがみんな鼻の下を伸ばす展開である。エロなのかエロじゃないのかという曖昧な境界線を狙ったサントリーと違って、明らかに「エロ」である。
　そして、抗議を受けてもなお、自粛するどころか、ＣＭの配信を続けているということは、そちらの方が宣伝効果は上がると判断したからだろう。たとえわざと炎上を狙ったとしても、ＣＭを中止してしまったら、「自分たちの方が悪い」ことを認めてしまうことになる。これは宣伝効果以上のマイナスポイントではないのか。
　それどころか「エロ表現はＣＭにふさわしくない」とＣＭ制作者たちに刷り込む原因にもなってはいないか。そんなことを認められてしまったら、今後、どの会社であろうと、「エロ表現」を自粛する動きが出てきてしまうかもしれない。サントリーは、自分たちが「非」を認めてしまったことで、他の表現活動にまで支障をきたすことになると理解していただろうか。
　狙ってやったことなのに、抗議を受けたから引っ込める。どうにも理屈に合わない。いろいろ頭を捻って考えてみるのだが、結局、「サントリーはバカ」という結論しか出てこない。結局、エロを、特に女性のエロチシズムを「下品なもの」と、自らそう感じているから、批判に対してあっさりと「降伏」してしまうのである。これは明らかな「女性差別」ではないのか。

　女性のエロスは何物にも代えがたい「魅力」の一つである。
　そう認識できないと、我々は女性に恋することすらできなくなってしまうよ。
　エロで何が悪い、いや、エロだからこそ素晴らしい。その認識に立ってモノを考えないと、少子化が進むばかりではないかと思うがどうか。