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2017年07月03日03:36

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[memo]衝突問題

個人的なメモです。

娘と一緒に練習問題をしていて、球の衝突問題が出ていた。高校の時の物理の時間に、左から来た球が静止していた球に衝突すると、動いてきた球が停止して、静止していた球が同じ速度で動き出す実験を見ていたので、そのイメージがあったのだが、そうなるのは両方の質量が等しい場合。では等しくない場合はどうなるか、というのが問題だった。頭がさび付いていたので、これで2日悩んでしまった。

フォト


球の質量をm1, m2, 初速度をv0, 反発係数を e, 衝突後の球の速度をv1, v2 とすると、

反発係数の定義により、
v2-v1 = ev0
また運動量保存の法則より
m1v0 = m1v1 + m2v2

そこでv2=ev0+v1 なのでこれを代入して
m1v0 = m1v1 + m2(ev0+v1) = m1v1 + em2v0 + m2v1
整理して
v1(m1+m2) = vo(m1-em2)
よって、
v1 = v0(m1-em2/(m1+m2)
すると
v2 = ev0+v1 = ev0(m1+m2)/(m1+m2) + v0(m1-em2)/(m1+m2)
= v0( em1+em2 + m1 - em2 )/(m1+m2) = v0(em1+m1)/(m1+m2)

■運動量は保存されるがエネルギーは保存されない

実際、m1v1^2+m2v2^2 = ( m1(m1-em2)^2 + m2(em1+m1)^2) v0^2/(m1+m2)^2
= m1( m1^2 -2em1m2 + e^2m2^2 + m1m2(e^2+2e+1) ) v0^2/(m1+m2)^2
= m1( m1^2 -2em1m2 + e^2m2^2 + e^2m1m2 + 2em1m2 + m1m2) v0^2/(m1+m2)^2
= m1( m1^2 + m1m2 + e^2m2^2 + e^2m1m2) v0^2/(m1+m2)^2
= m1( m1(m1+m2) + e^2m2(m2+m1) ) v0^2/(m1+m2)^2
= m1(m1+m2)(m1+e^2m2) v0^2 /(m1+m2)^2
= m1(m1+e^2m2) v0^2/(m1+m2)
= m1v0^2 × (m1+e^2m2)/(m1+m2)

0≦e≦1だから、m1≦(m1+e^2m2)≦(m1+m2)

つまりe=1の時だけエネルギーは保存される。

私は最初てっきりエネルギーが保存される気がしていたので「方程式が解けない。おかしい」と悩んでしまった。消えた運動エネルギーは物体を変形するエネルギーに変換され、一部は熱として放出されるはず。

■v1の向き

v2=v0(em1+m1)/(m1+m2) だから、必ずv2>0
しかしv1は
v1=v0(m1-em2/(m1+m2)
だから、

v1<0 ⇔ m1/m2<e

衝突する球同士の質量比が、反発係数より小さい場合はv1は来た方向と逆に動き出すことが分かる。特にe=1の場合は下記のようになる。

『衝突する側の質量が大きい場合は衝突した玉は同じ方向に動き続け、衝突する側の質量が小さい場合は反対方向に動き出す。そして両者が同じ質量である場合は、m1は停止して、m2だけが動く』。

この最後の状況が物理の実験で見たもの。

質量比の問題はこのような状況を考えると分かりやすい。

停まっているトラックに軽自動車がぶつかると、トラックも少し動くが軽自動車は跳ね返される。逆に停まっている軽自動車にトラックがぶつかると、トラックは速度は落ちるものの、同じ向きに動き続ける。

反発係数が例えば0.5であれば、質量比が2倍以上ある場合に跳ね返されることになる。反発係数が小さいほど跳ね返される可能性が下がり、衝突する側に掛かる加速度も小さくなる。つまりクラッシャブルゾーンで衝撃を吸収できると、それだけ助かる確率が高くなる。むろん潰れすぎるとサバイバルゾーンまで潰れて助からない。

■e=0(完全非弾性衝突)の場合

v1=v0m1/(m1+m2)
v2=v0m1/(m1+m2)
となり、v1=v2 つまり、2つの玉はくっついた状態で動き続ける。

■e=1(弾性衝突)の場合

v1=v0(m1-m2)/(m1+m2)
v2=v0(2m1)/(m1+m2)

この場合は、v1<0 ⇔ m1<m2 ということになる。これは↑で考察した通り。

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