昨日、去年の6月にも出席した、福島県の南相馬市の現状の話を聞ける
講演会に出席した。妻と一緒に聞きに行く予定だったが、妻が急遽知人
とのランチの予定が入ったとのことで、単独で行った。南相馬市にある
教会に現在関わっている人から話を聞けるので、今年も出席したいと
願っていたが、無事に仕事が休みになり出席できたのでほっとした。
1時間程話を聞いたが、参加者は30人程いて、去年より多かった。
初めに地図を見つつ、福島県の道路や鉄道などの現状を説明していた。
国道6号線は全線開通しているが、歩行者とバイクが通れない箇所が
あるそうだ。常磐線は浪江駅から仙台駅まで開通されているそうだが、
浪江町の80％は立入禁止だそうだ。南相馬市を含む地域は、相双地域と
呼ばれていて、気候は温暖で、陸の孤島と呼ばれていて、観光資源が
少ないから、原発が誘致されたと思っている人もいるそうだ。
講師はガイガーカウンターを所有していて、みんなに見せてくれた。これを
使い、原ノ町で線量を図ると、0.1マイクロシーベルトが表示されるが、
横浜や厚木で図ると、0.08マイクロシーベルトが表示されるので、線量に
関しては問題を特に感じずに過ごせるそうだ。原ノ町は福島第一原発から
25�劼靴�離れていないそうだが、それでも横浜と線量はほぼ同じという
のは意外な気がした。線量にそんなに悩まずにすむのはいいのかなあと
思った。
飯館村・浪江町・川俣町の一部で、今年になってから避難指示が解除
されたが、現時点では2％程度の人しか帰還していないそうで、個人的
には、早急ではないかと感じた。6年間で大して変わらない現実に不安を
感じて、はなから戻りたくない人も沢山いるだろう。コンビニとか病院とか
生活に必要な施設がある程度復帰しなければ、そんな不便な場所には
住みたくても住めないという人もいるだろう。
原ノ町で業者の除染作業が行われたが、0.23マイクロシーベルト以上の
場所しか除染しないことが決められていた。対象場所を四角いエリアに区切り
線量を調べるが、それで0.23マイクロシーベルト以上のエリアのみしか
やらず、グレーゾーンの所は放置されたそうだ。それを理不尽だと感じ、そこに
暮らす人の気持ちを考えていないと怒っていた人もいたそうだ。こういう
感じで除染作業が行われると、業者の金儲けが第一目的なのかしらと
思ってしまいそうだ。
講師は、子ども園の朝夕の子どもの活動のサポートと、南相馬市の病院での
ボランティアをしているそうだが、子ども園は保育士が2人辞め、募集しても
誰も来ないので、講師が保育士の資格がなくてもサポートをすることになり、
南相馬市の病院も働くバイトや委託業者なんかの人数が少なく、ボラン
ティアが、そういう人達の仕事をせざるおえないそうで、南相馬市の雇用の
厳しさを思い知らされた。南相馬市で働いても構わないと思う人が増える
ことを切実に願っている。
質疑応答も何人もの人が質問していて、問題意識が高いと感じた。その中で
印象に残ったのが、とある男性が、被災地のボランティアに行った際に、被災地の
人とのツーショットの写真を撮ってくれとボランティアから依頼され撮ったが、
ピースをしてニコニコ笑っていたので、被災者に対して失礼なのではないかと
憤慨したという話だ。何のためにボランティアをするのか真剣に考えてから
参加してほしいものだ。今年も南相馬市の問題点を知ることができ、有意義な
ひとときだった。
下記のURLは、去年の講演会について書いた日記だが、合わせて
よんでもらえると幸いだ。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1953629875&owner_id=1002139
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