日本は19世紀後半、ロシアの朝鮮半島進出に、脅威を感じた。日本はロシアの日本侵略を憂慮していた。日韓併合前の朝鮮は1200年以上に渡り中国歴代王朝の属国であり、李氏朝鮮初代王の李成桂が明時代にもらった朝鮮という国号は、貧乏な国なので朝（みつぎもの）鮮（少なし）という意味。中国が朝鮮の王妃や王太子の廃立を決定した。貨幣鋳造権は朝鮮には無く、不衛生極まりなく、はげ山ばかりで木々が無く、識字率は3パーセントほどで、李氏朝鮮では両斑と呼ばれる貴族が民衆を暴力で支配していた。李氏朝鮮はロシアから自国を守る力はなく、日本は朝鮮をなんとかして近代化し、ロシアの朝鮮半島への進出を防ごうとした。李氏朝鮮を長年属国としてきた清がそれを許さず、日本と清との間に日清戦争（1894〜1895年）が起きた。日本は勝利し、朝鮮を独立させ、李氏朝鮮は国号を大韓帝国と改め、李氏朝鮮の王であった高宗は皇帝となった。
高宗は政治的手腕がなく、国土は荒廃、慢性的食糧不足が続き、国を維持していくことが難しかった。韓国の最大政治結社で親日派の一進会が、日本との併合を強力に推し進めた。日本は朝鮮を保護するため、朝鮮に統監府を設置しており、伊藤博文が1905年に初代統監となった。伊藤博文と一緒に統監府来た小松緑は、統監府外事局長となった。伊藤博文は、韓国は人糞があちこちに散乱する文明国にはほど遠い国だったので、日韓併合に反対だった。
1907年、日韓併合推進派の李完用がが韓国首相に就任した。李完用には李人稙という腹心の部下がいた。小松緑は著書「朝鮮併合乃裏面」の中で、1906年、李人稙が小松緑に近づき、日韓併合をもちかけたので、「網を張る前に魚が飛び込んで来た」と言った。1908年頃には、李人稙は日本と韓国を往来し、日韓併合のための工作に従事していた。伊藤博文は、1909年に暗殺された。
伊藤博文暗殺を機に、韓国内から日韓合邦を求める機運が高まり、朝鮮側が積極的に日本に合邦を打診してきた。合邦を望む、朝鮮半島からの熱意あふれる電報の数々が届いた。1907年に高宋は退位し、長男の純宗が即位。一進会の宋秉�瓦蓮�1909年12月4日、「韓日合邦を要求する声明書」を純宗皇帝、李完用首相、伊藤博文後任の曾禰荒助統監に提出し、また日韓合邦を朝鮮の国民に訴えた。
宋秉�瓦痢峇敍�合邦建議書」
「韓日双方の国力の差・文明の程度の差から韓日対等合邦は事実上不可能であり、連邦制では欧米列強に対抗する様な強固な国家は建設できない。従って、韓日が一体となり列強に伍す強固な国家を建設するには、大韓帝国皇帝の全権を大日本帝国天皇陛下に委譲するのが、最も現実的である」
日本にも韓国にも、日韓併合に賛成派、反対派がいた。曾禰荒助統監は、この合邦案を時期尚早との理由で却下すると共に、新聞社、通信社に働きかけ、反対の論調をとらせた。それでも、韓国側の併合推進派である一進会は「韓日合邦建議書」を却下されてもまた提出し、これを繰り返すこと4回目に日本の桂太郎首相の指示により曾禰荒助は遂に受け取った。しかし、受け取っても明治天皇の意向で併合反対派の曾禰荒助は統監を続けたので、併合の正式決定にならなかった。
その間、韓国では次第に日韓併合に賛成する者が増えた。1910年、首都の京城府（今のソウル市）で、日本に韓国併合を要求するデモが起きた。反対派の曾禰荒助が辞職し、寺内正毅が後任に任命された。寺内正毅は統監になったが併合に関して何も動かなかった。1910年8月に、日本で梅雨と２つの台風による水害が発生した。8月16日、併合推進派の李完用首相は日本の水害見舞いと称し、趙農相を伴い、寺内正毅の居る統監府を訪れた。ここで山縣伊三郎副統監を交えた会談3時間に及び、若干の修正にて日韓併合は合意に達した。
この結果にもとづき李完用首相は8月18日に閣議を開いたがまとまらず、8月21日、李完用が皇帝に内奏した。純宗は奏上文を了承し、李完用に「韓国併合ニ関スル条約」に関する全権委任状を与えた。これにより1910年8月22日に純宋皇帝の御前会議が開催され、韓国は正式に日韓併合を決定し、李完用総理大臣が「韓国併合ニ関スル条約」に調印し、同年8月29日公布実施された。
朝鮮統監府は大韓帝国政府の組織と統合され、朝鮮総督府に改組された。日韓併合条約の調印に伴い、日韓併合を承諾した純宋は皇帝ではなくなり、王の称号を明治天皇から賜った。日韓併合は、韓国人による韓国皇帝の御前会議で承認され、韓国総理大臣が調印し、国際法にのっとったやり方で行われたのである！！戦争も闘争もなかったのは、最初に韓国から日本に、併合の申し出があったからである。1948年、米国人女性歴史学者ヘレン・ミアーズは、「アメリカの鏡・日本」という著書を出版し、本の中で「日本が韓国を併合したのは、韓国の新皇帝が請願したからだ」と述べている。
35年に渡る日韓併合時代、日本は国家予算の1/3、総額600億円を投じ朝鮮半島にインフラの建設、整備をした。実際、多くの外国人が述べているように、19世紀初頭の韓国は、たいへん不潔で貧しい国だった。日本政府は交通網の整備や学校、病院、郵便局などを建設し、そのため韓国人の寿命は劇的に延びた。当時、京城府の最大の業務は「あちこちに
散らばる糞尿の処理」で、経常支出の81％を占めていた。驚くべきことに、1910年代を通して糞尿の処理費用は経常支出の半分以上を占め続けた。その後も、処理費は水道費、事務費と並んで常に支出の上位3項目に入り、財政のかなりの部分を占めた。日本は衛生事業を拡大するため、1936年に市の清掃義務を定めた「朝鮮汚物掃除令」を公布した！
日韓併合後、一進会を率い、日韓併合論を説いた宋秉�瓦蕕歪�鮮総督府中枢院顧問となり、朝鮮の政治に大きく影響を与え続けた。宋秉�瓦砲修慮�績により子爵の位、その後、伯爵の位が与えられた。李完用には1910年に伯爵の位、1920年に侯爵の位が与えられた。
李成玉は李氏朝鮮末期から大韓帝国時代の外交官で、遣米全権使節団の代表として渡米したことがあった。「李完用侯の心事と韓日和合」という外交記録で、「現在の朝鮮民族の力量を以ってすれば、とても独立国家としての体面を保つことはできない。亡国は必至である。亡国を救う道は併合しかない。そして併合相手は日本しかいない。欧米人は朝鮮人を犬か豚のように思っているが、日本人は違う。日本人は日本流の道徳を振り回して小言を言うのは気に入らないが、これは朝鮮人を同類視しているからである。そして日本は朝鮮を導き、世界人類の文明に参加させてくれる唯一の適任者である。それ以外にわが朝鮮民族が豚の境遇を脱して、人間としての幸福が受けられる道はない。日韓併合が問題になるのは変な話だ。我輩の併合観は欧米人の朝鮮人観を基に考察したのだ。」 と言った。
2001年8月27日付中央日報の趙佑石の記事より;
「網も張る前に魚が飛び込んできた」。1910年8月、韓日合邦の前夜の秘史についてこのように語ったのは、当時の統監府外事局長、小松緑だった。心痛い証言だ。それは決して文学的修辞ではなく、惨めな無能の末、合邦を決めた91年前の我々の姿だったことの確認であるからだ。明日、韓国は庚戌国恥日（韓日合邦）を迎える。この経路を振り返るに当たって、まずは「合邦の魚」の主役から見てみよう。本音を隠したままの日本側に対し、まず合邦を打診したのは朝鮮側だった。総理大臣の李完用の側近である、新小説「血の涙」で知られる李人稙が密使として動いたのだ。（以下略）
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