2017年5月24日のダイヤモンド・オンラインに掲載された記事の要約。↓
ここ数年、中国人のがん患者が大挙して日本を訪れている。中国で承認されていないクスリの投与を望む患者や、最先端の治療を受けたい患者が多いためだ。
中国でも、がんは死因の上位を占め、がんの新規診断は毎日1万2000例近くに上り、7500人が日々命を落としている計算とのこと。中国のがん患者たちにとって、日本の医療レベルは高く信頼性も高いため、検診や治療を望む人たちが殺到しているとのこと。
がんの治療費、特に最先端治療の費用は高く、中国人でも超富裕層しか受けられないはずなのに、ここ数年、不正な手口で治療を受ける富裕層ではない一般の患者が、急増しているのである。
例えば、悪性黒色腫と非小細胞肺がん、腎細胞がんなどに適応する薬として承認された「オプジーボ」は、病状やステージなどにもよるが、薬代だけで1日当たり3万9099円はかかる。年間で見ると、体重40キログラムの人の場合約1144万円、60キログラムの人で約1792万円かかる計算。そのライバル薬としてMSDが発売、悪性黒色腫と非小細胞肺がんなどに適応するとして承認された「キイトルーダ」でも、年間1427万円はかかるとされる。これらの薬は症状を悪化させない意味合いが強く、長期に渡って投与する必要があるので、費用はかなりの金額に上る。全ての患者がこれだけの費用を負担しているわけではないが、いずれにしても治療費は高額だ。
中国でがんと診断され、2ヵ月前に夫と一緒に来日、がんの専門病院で治療を受けている40代の女性によると、「渡航費、滞在費、治療にかかる費用など、合わせての負担の300万円程度でいいと業者に誘われ、日本にやってきた」と。関係者によれば、この女性が日本で治療を受けた場合、実際にかかる費用は一般的に見て1000万円程度だとみられるが、それが3分の1程度の負担に収まっているのは、来日する際の「ビザ」に理由がある。
�ゝ�偽のビザを取得し、日本の国民健康保険を悪用する中国人
通常、日本で病気を治療する際、「医療滞在ビザ」で入国するが、この女性は「経営・管理ビザ」で入国。これは、日本で会社を経営するため滞在する場合に発給されるビザで、こうしたビザで入国し、3ヵ月以上合法的に滞在していれば、国民健康保険の加入が義務付けられる。保険料を負担しなければならないが、同時に医療費が「3割負担」で済む恩恵を受けることができる。負担する必要がある保険料についても、前年に日本で所得がない場合、月額わずか4000円だ。
この女性は、日本で会社を経営しているわけではなく、事情に詳しい医療関係者によれば、「経営・管理ビザは、資本金500万円以上で会社を設立、その代表取締役が申請できるもの。そこでペーパーカンパニーを設立して、ビザを申請しているのだ」という。さらに、「会社設立に必要な資本金500万円は、患者が用意できなくても、あたかも持っているかのよう見せる見せ金として用意する業者がいる。見せ金だから、業者は一時的に貸し付けて、ビザが発給された段階で回収して次の患者に回す。それを繰り返し、何人もの中国人を来日させている」とのこと。つまり、不正に経営・管理ビザを取得し、日本の健康保険を使い込んで、高額ながん治療を安い費用で受けているということである。
この関係者によれば、「がんや肝炎など高額治療の患者を集めて斡旋、ツアーを組む業者までわんさかいる。日本の行政書士などとグルになってやっている」という悪徳ぶりである。入国制度の盲点を突き、中国人が日本の健康保険を使って高額ながん治療を受けるとは言語道断である！
��海外療養費支給制度を利用し、虚偽申請で療養費をだまし取る中国人
国民健康保険の加入者が海外で医療費を支払った場合、一部を加入者に返す「海外療養費支給制度」という制度がある。海外で怪我をした、病気にかかったといった場合、帰国後に申請すれば療養費の一部が返還されるというものだ。この制度を、国民健康保険に加入している中国人が悪用し、中国に一時帰国した際、入院したように装って虚偽の申請を行い、療養費をだまし取ったりするケースが後を絶たない。これまで、大阪府警などが詐欺容疑で摘発したりしているものの、「海外の病院に確認を取るのも大変だし、現地の医師とグルになられると虚偽の証明が容易ではない。だから摘発されたのはあくまで氷山の一角だ」と、事情に詳しい関係者は明かす。
��生活保護を受給し 1円も治療費を払わない中国人
更に、「一円も払わず、がん治療を受ける中国人もいる」という。例えば、中国残留孤児が呼び寄せた中国国籍の家族が生活保護を受け、高額のがん治療を受けている。その数は決して少なくないとのこと。生活保護受給者は、医療費は無料なのである。国民健康保険に加入する必要もないので、完全にタダで治療を受けているというわけである。
きちんと医療費を支払って治療する中国人もいるが、複数の医師によると、無視できないほどの人数の医療費タダ、激安の中国人が治療に訪れている」と危機感を強めているとのこと。
現在、国民医療費は40兆円を突破し、日本の財政は危機的な状況にある。しかも、健康保険の原資は日本人が納めているお金だ。それを食い物にされている状況は、看過できない。政府には、早急にこの制度の盲点を修正してもらいたいものである。
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