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2017年05月26日22:10

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安倍政権の人格攻撃と共謀罪の恐怖

バー出入りで「注意した」報告
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4591554

以前の日記でも書いたことだが、形式上適法に進められた「不適切」な行政というのは、司法手続きに乗せられないので、なおさら国会の場で政治的に追及がなされる意味がある。こういう忖度行政は、時の政権にとって政治的コストがあまりにも高くつく、という認識を安倍含め今後の権力者が持つようにならなければならない。

特に、出会い系バー通いなどという、それこそ合法で法的に何の問題もない個人の振る舞いを持ち出してあげつらい、人格否定で応じる姿に国民はもっと戦慄すべきである。出会い系バーへの出入りを問題にするほどの感性があるなら、加計学園問題など「違和感」の極致だろう。

権力者が自らの権力行使に疑いをかける個人に対して、どのような対応をするのかよく分かるというものだ。

告発した内容から離れて、およそ無関係な私的生活をあげつらわれて、侮辱される。北朝鮮で失脚した元大幹部についてこういう人格否定はよくありそうだが、まさか現代日本で見るとは驚きである。

しかも当時注意をしたのが杉田官房副長官だということは、政権側はまさしくこの事実を知っていたわけであり、政権にとって絶好のタイミングで公表されたことと見事に符合する。誰が聞いても政権側からの意図的なリークと分かる。

本来、任命責任の問題から言えば、このような醜聞は政権としては隠しておきたかったはずの問題である。それを無責任にも、しゃあしゃあとリークし、他人事のように人格を貶める。貶めれば貶めるほど自分たちの任命責任に跳ね返るはずなのだが、そういう自覚はないようだ。

今まさに審議されている共謀罪と考え合わせても、安倍政権がとっている人格否定という戦術は、極めて示唆的だ。安倍政権の姿勢は、時の政治権力者の不正を告発しようものなら、大々的な人格否定で応じようという姿勢である。「出会い系バー通い」から「テロリスト」というレッテル張りまでの距離はそう遠くない。

またその人格攻撃に一役買ったのが読売新聞という点も暗示的だ。

読売新聞が自民党の太鼓持ちであることは万人の知るところだが、それにしても政権と阿吽の呼吸で、既に職を辞した個人の「出会い系バー通い」を暴きたてるなど、日本屈指のクオリティ・ペーパーとしてよく恥ずかしくないものだと思う。やってることは完全にイエロー・ペーパーである。

今ですらこうなのだから、読売新聞が政治権力と結びついて、人民日報やプラウダ化した時、官製ジャーナリズムとしてどれほどの人格攻撃に走るか分かったものではない。

国民は、大手メディアと政治権力者が足並みを揃えたとき、どれほどの悪政が展開されるか想像力を働かせるべきだろう。無実の人間が、メディアと権力者によって人格を貶められ、誰もその主張を信じなくなり、誰もが権力への追従笑いと揉み手・ゴマすりに走り出す。

最近、私の日記で引用する機会の多いJ・S・ミルの『自由論』から、示唆的な一文を引こう。

「そうした状況で登場すると期待できるのは、陳腐な決まり文句を並べるだけの人か、権力や世間におもねって真理を曲げ、重要な問題について論じる際にも、自分が確信している点を論じるのではなく、聞き手が喜ぶように話そうとする人である」

読売新聞はまさに安倍という聞き手が「喜ぶように話そうとする人」に堕したということだろう。

安倍政権の重要な戦術に「人格攻撃」がはっきりと加わったという点を、国民はよく確認しておくべきだ。そういう政権が目論むのが無実の人間をテロリスト扱いできる「共謀罪」なのだ。

内田樹はアエラの記事で次のように言っている。

「権力者が全能感を覚えるのは、不合理で、不適切なことをしても誰もそれを咎(とが)めない時である」

もっともな指摘である。森友にせよ、加計学園にせよ、こういう不適切なことが何のかんのでまかり通っていいけば、安倍はますます増長し、その「全能感」を高めていくだろう。
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