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2017年05月21日14:56

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ボリショイ・バレエinシネマ コンテンポラリー・イブニング

2017/5/17水 19:30- TOHOシネマズ日本橋

モスクワ公演日:2017/3/19

前回の現代の英雄は諸々の事情で行けなかったので、コンテンポラリー・イブニングは頑張って行ってみました。以下、作品ごとに感想を場。

◆檻
振付:ジェローム・ロビンス
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

ノヴィス:アナスタシア・スタシケーヴィチ
女王:ヤニーナ・パリエンコ
侵入者1:ニキタ・カプースティン
侵入者2:エリック・スワルキン

面白かった!セックスの後で雄を食べてしまうという雌蜘蛛の行動をテーマにした作品。ボリショイの女性ダンサーはみんな強くて、本当に男性を食ってしまいそうな強さがあるところが好き♪作品自体は、ちょっとベジャールの春の祭典を思わせるところも。あれの蜘蛛版みたいって思ったけど、ロビンスのこの作品の方が古いんですね。ロビンスといえばショパンに乗せたおしゃれな作品やウェストサイド・ストーリーを思ってしまう私にとって、彼がこんな作品を創っていたというのはかなり衝撃的でした。

◆ロシアン・シーズン
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
音楽:レオニード・デシャトニコフ

黄と白のカップル:ユリア・ステパノワ、ウラディスラフ・ラントラートフ
赤のカップル:エカテリーナ・クリサノワ、デニス・サーヴィン
緑のカップル:アンナ・ニクーリナ、アントン・サヴィーチェフ
青のカップル:アンナ・オクネーワ、ドミトリー・ドロコフ
紫のカップル:ヴィクトリア・リトヴィノワ、アルチュール・ムクルチャン
赤紫のカップル:ヴィクトリア・ヤクシェーワ、ミハイル・コーチャン

ロシアの農村の四季のイメージから創られた作品(って言ってたような気がする)。音楽もこの作品向けのオリジナルで、現代的ななかにロシアの民族的な調べが入ってて、そういう系統が大好きな私にとってはまず音楽がツボでした!作品も、明確なストーリーはないけどいろいろなカップルが出てきて、彼らの人間模様を描いていくっていうちょっとロビンスのアザー・ダンスとかダンシズ・アット・ザ・ギャザリングみたいな創り。群舞もたくさんあるけどね。ラトマンスキーの作品は、なかなか面白いけど、基本はマスゲームで見せて振り自体はあまり面白くないなって思ってたんですけど、これはなかなか楽しかったです。ボリショイの男性群舞は、こういう作品であっても見栄えしますね。

ダンサーでは、ほぼ主役のラントラートフが可愛かった。あと、クリサノワ!この人の身体能力の高さは、こういう作品見てても際立ってる。身体的にちょっと恵まれたオシポワってイメージなんですが私にとっては。来日公演のパリの炎、彼女の日にするべきだったかなあ、とちょっと後悔。

◆エチュード
振付:ハロルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー

オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン、アルチョム・オフチャレンコ

この作品、生で観たことあるはずだけど、どこのバレエ団だったかな?バレエへの愛を感じる、素敵な作品だなあと思います。ピアノをやっってた身としては、チェルニーと言えば指を訓練するためのあのやや退屈な練習曲集を思い出してしまいますが、その練習曲っぽいところがこのバレエに合ってますね^^ なんと開始前のインタビューにチェルニーの奥様が出ていらしたのにはびっくりしました。しかし、隅から隅まで本当にテクニックのしっかりしたボリショイのダンサーがこの作品を踊ると、本当に圧巻。その中で高貴な宝石のように輝いていたスミルノワが素晴らしかった!彼女の白鳥はいいでしょうねー。来日が楽しみです。そして私のご贔屓チュージンも本当に難しい技を軽々と優雅にこなしていて、うっとり。彼らの白鳥、とっておいてよかった〜♪


映画館なのではっきりしたことは言えないけど、オケがよかった気がするんですよねー。エチュードとかは、映画の画像がちょっと寄り過ぎてて、全体を観たいのに!って歯噛みしちゃうところも。この公演、シネマより生の方が絶対数段面白いと思う。でも日本ではこんなプログラム見られないだろうなあ。ううううう。

コンテンポラリー・イブニングというわりにはちょっと古めの作品も多いし、コンセプトはちょっと見えないところはあるにせよ、ボリショイを見るたびにここのダンサーのクラシックテクニックの盤石さ、そして身体バランスの見た目の美しさのレベルには、本当に感心します。来日が楽しみ。しかし、司会役のカテリーナ・ノヴィコワの、露仏英3カ国語を切れ目なく操る話術はほんと凄いな。
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