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2017年05月03日13:15

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断固として9条護憲

■憲法草案に「いいじゃないか」 昭和天皇の発言、メモに
(朝日新聞デジタル - 05月03日 03:14)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4556104

憲法記念日なので、年来の主張であるところの護憲論を思い切り書いておこうと思う。

護憲論というのは、ことの性質上改憲論への反論としてしか成り立たない。よって、ありがちな改憲論に応答する形で書いてみよう。

◆軍隊がなくてどうやって国を守るんだ
これは一見正論に見えるが、よく考えると非常に空想的で現実から乖離した議論である。なぜならこれは現実の日本を想定しているのではなく、軍備が一切存在しない空想の日本における話だからだ。現実の日本には自衛隊も在日米軍も存在している。

護憲か改憲かという政治選択は、あくまでも現実の日本においてどちらがより生産的で、平和を担保する道かを考えるべきである。自衛隊・在日米軍・9条が揃っている今の状態を維持するのか、9条をなくして自衛隊・在日米軍の性格を大きく変化させるのか、こういう選択なのである。

それを9条護憲=非武装国家化と飛躍させた議論にすり替えるのは、イカサマ論法と言うべきである。

◆押しつけ憲法を自主憲法に
くだらない議論の筆頭格がこの押しつけ憲法論である。

あまり知られていない歴史事実として、憲法公布直前の46年10月に極東委員会が日本政府に対して、「施行後2年以内に国民の自由意思で再検討すること」を決定し伝えていたという事実がある。そして実際に憲法学者が作る公法研究会と、東大憲法研究会が改憲案を公表している。しかし、こうした提案に対して日本政府も日本国民も積極的な改憲をしようとはしなかった。

再検討を促されてなお日本国民は改憲をしなかったのであり、その主体的選択は尊重されるべきである。こういう国民からの主体的意思決定について完全にほっかむりして、「押しつけ、押しつけ」と騒ぐのは意地汚い態度と言わざるを得ない。

要するに押しつけ憲法論というのは、戦後日本史への自虐史観によって支えられているのである。論者によっては、アメリカに洗脳されたのだとまで言い出す始末である。荒唐無稽もいい加減にしてもらいたい。どうしてこうまで自国の歴史を貶めるのか理解に苦しむ。

そもそも「自主憲法」なるものが制定可能なのは、現行憲法が国民主権を定めているからこそである。明治憲法は天皇主権であるから、国民の手で憲法を制定するということはできなかった。国民主権を定めた現行憲法を否認するなら、自主憲法制定も諦めざるを得ないのである。こういう自家撞着を起こしている議論が押しつけ憲法論なのだ。

◆国際環境が悪化しているから軍備強化が必要だ
軍備を強化することが平和の担保につながるという認識は、はっきり言って幼稚である。現実には話は全くの逆だ。北朝鮮を見てもわかるように、軍備強化はむしろ国際環境を緊張させて、自国への攻撃について格好の口実を与えてしまう。

イラクが大量破壊兵器を理由に攻め込まれたように、またシリアが化学兵器使用を理由にミサイルを打ち込まれたように。

国際環境が悪化しているから軍備強化という主張は、国際環境が悪化しているから国際環境を悪化させようという、まるで倒錯した主張に過ぎない。バカの言うことだ。

◆9条が北朝鮮からのミサイルを防いでくれるのか
小学生のような主張だが、こういうことをいう人間は案外多い。言うまでもなく、9条はただの憲法条文に過ぎない。よってそれ自体が何かをしてくれることはない。当たり前である。

ここでも上記に書いたような「現実の日本での話」と、「9条が描く架空の非武装国家日本」の話を峻別しなければいけない。

現実の日本において、北朝鮮のミサイルを防ぐほとんど唯一の方法は外交努力である。これは自衛隊・在日米軍があっても同じことだ。迎撃システムもあるにはあるが、1発だけならともかく、複数発撃たれたら全て迎撃はおそらく困難だ。

9条が北朝鮮からのミサイルを防いでくれるのかという詰問は、軍備を強化すればミサイルを防げるという命題を暗に含んでいる。しかし、軍備強化しても防げないものは防げない。9条が万能でないように、軍備強化も万能ではないのである。

万能ではない選択肢のうち、「自衛隊・在日米軍・9条」という70年の平和維持実績を持つ体制をとるか、9条をなくして自衛隊・在日米軍の性質を根本から変える実績ゼロの体制を構築するか、ことはそういう選択なのだ。

9条護憲という選択が最も無難で現実的なのである。
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