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2017年04月29日22:20

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「私たちと象徴天皇(NHKスペシャル)」

そもそも
憲法に記されている「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」という第一条が
多くの国民にとっては「謎」なのではなかろうか?

「象徴」ってナニ?
「国民統合の象徴」ってどういうこと?
それがまず判らないし
そのことを考えたり疑問をぶつける場所すらない

しかし
これは誰かに問うたり教えを請うようなことではないと
おれは思うのだ

条文のさいごに「日本国民の総意に基づく」という言葉がある

この言葉の意味が理解できないと
国民が「総意」として天皇をどのように見るべきかが判らないはずだ

いまNHKでバカな「有識者」どもが頭を寄せて
「天皇の仕事は多すぎる」だの「そうはいっても削減できるお役目はない」とかバカバカしい議論を続けているが
こんな議論をしていること自体
「象徴」としての天皇を見誤っているからだ

では「国民の総意」とはナニか?
それは「国民にとって天皇とはナニか?」ということを考えるべきだというひとつの義務である

大変残念なことだが
我々この時代を生きてきたものは
天皇を「普通の人間」としか見ていないし
そう見るように習慣づけられてきた

テレビでは「皇室アルバム」とか専門の番組が作られ
ニュースではまさに皇族のひとびとの一挙手一投足が報道される

「天皇のページェント(T.Fujitani)」を読むと
明治維新のなかでそれまで一般に知名度の低かった天皇を「一般化」するために
さまざまな催しが繰り返されて
それは1945年以降
さらに天皇は「かしこきあたりのお方ではあるが 親しみをもって見るため」という政府の思惑を反映し
さまざまなところに天皇及び皇族が姿を見せることをさせた

これが天皇及び皇族のひとびとを親しみある存在にすると同時に
よりいっそうその存在意義をベールに包んでしまった

早いハナシ
顔は知ってるけどナニをするひとなのか知らないという
ワイドショーのコメンテーターみたいな認識にまで落としてしまっているのだ

ここで「一挙手一投足」と書いたのは
そのほとんどが「ご公務」と呼ばれているもので
量的にはもっとも多いのだが実はこれらの「仕事」は天皇や皇族のすべきことではないのだ

だから国民の多くは被災地を訪れ被災者を励ましたり激戦地を訪れて慰霊をする姿を頻繁に見て知っているが
それは天皇と皇族の「本業」ではないのだ

こうした国民の誤解のうえに「象徴たる天皇」は存在しているのだ

そもそも普段は「天皇ってナニか?」を考えたりしていないのだから仕方ない

それなのに国民は「総意を出せ」と義務を突きつけられている


おれは
「総意」は一致した考え方とは考えていない

国民が天皇に預けるものはナニか?を考えることだと思う

それは「日本国の象徴」という部分に隠されている
つまり「日本国とはナニか?」或いは「日本っぽいってどういうことか?」が
「日本国の象徴」であり
それが天皇が体現することだと思う

少なくともそれはグローバリズムではない
ナショナリズムでもない
ほかの国と闘うことではなく
争うことでもない

他者と融和し分け合う気持ちであり
思いやるこころ
つまり日本なりの道徳観である

天皇は理屈ではない
論理ではないし装置であるべきではない

天皇は我々に「おまえ それは違うんじゃないの?」と諌めてくれる存在であるべきで
「そんなこと 日本人がしちゃいけないよ」と戒めてくれる立場にいて欲しい




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