気持ちは分からんでもないのだよな。

地域振興を考える職責上、文化財をそれにどう役立てるか考えるのは必要かつ大切なことだしな。

ただ一方で、文化財が観光資源たりうるのはひとえにそれが文化的に特別な価値を有するからで、その文化的価値を保全、整理、再発見、再評価するのが学芸員の役割にして、また彼らを欠いてはなしえまい。

件の発言がいかなる状況でなされたものか知らないから発言したことをどうこう言う気はない。が、些か大局眼が足らないのではないかとは申し上げたい。
学芸員が観光資源活用の妨げになるという意味の発言は、例えば観光庁だとか地方自治体の地域振興課（そんな課があるのか知らないが）の一課員が発言するならば単に職務に忠実な職員ということにもなろう。ただ、大臣というのはマネジメントが仕事な訳で、そういう地域振興上の要求を踏まえつつ、大元となる文化財保全上の要求、予算上の要求などを勘案して最良となる調整を図るのが仕事だと思う。
学芸員の側に問題があったのかは知らないが、よしんばあったとしてもそれを排除すべき存在の如く言うのはマネジメントとして適切だとは考えがたい。
その辺、大臣という国家経営の要を担う方にはよく大局眼を持って管理、運用してほしいと願いたい。

「がん」発言 学芸員怒り心頭
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