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2017年04月13日13:44

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ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲

ヴィトルト・ルトスワフスキ作曲
管弦楽のための協奏曲

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮
NHK交響楽団


かんち自身の解説

これも、N響定期演奏会の演奏を。N響と言えば以外にも、現代作品の演奏も渋いんですよねえ。

ルトスワフスキと言えば、亡きさんようさんも一度取り上げたことがあった作曲家ですが、その時は賛否両論、真っ二つだったように思います。恐らく、この作品も評価は真っ二つになるでしょう。でも、20世紀音楽はそんなもんじゃないのって思います。

私たちはやっぱり旋律線があり、リズムもしっかりある音楽に慣れていますし、それは動物的本能のでもあるし、知的な部分でもあるからだと思います。とはいえ、やはり人間は知性の動物です。そのうえで、20世紀という時代は機械の時代でもありました。

21世紀という時代はいったいどうなるのか・・・・・・メーテルやクイーンエメラルダスのように、考えてみるきっかけに、ルトスワフスキを聴いてみるというのもいいように思います。

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管弦楽のための協奏曲(かんげんがく-きょうそうきょく)は、ポーランドの作曲家ルトスワフスキによって、1950年から54年にかけて作曲された管弦楽曲。ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者ヴィトルト・ロヴィツキに献呈された。

この作品の成功により、ルトスワフスキの西側諸国での知名度が上がった。
種々の楽器のために民俗音楽的な小品を作曲した経験を生かし、ルトスワフスキはポーランド民族音楽によるより大規模な作品の作曲をしようと考えた。しかし、この作品はその規模が大きくなったというだけでなく、この作品においては民族音楽は旋律の主題にのみ残されたという点で特徴的である。ルトスワフスキは、これらの民謡に原曲とは異なる和声法をほどこし、さらに無調の対位法などを施して、これらを新バロック様式に生まれ変わらせている。

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その次は、ルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」。この曲は私ははじめて聴くだけでなく、ルトスワフスキという作曲家の音楽自体はじめて聴いています。新古典主義の作曲家で、20世紀のポーランドで活躍したルトスワフスキ。といっても全体的にやはり20世紀の前衛音楽の影響を受けている曲です。ただ、構成的には新古典主義ですので、形式がきちんとしています。まず、第1楽章「序曲」はA−B−Aの三部形式となっていて、その形式のなかに前衛音楽が鳴っている、というないようです。

特に、この曲に関してはバルトークの影響を受けているせいか、前衛的でかつ民俗的な音楽になっています。確かに、前衛的な音楽の中に時折懐かしい旋律が混ざってきます。しかし、全体的にはやはり前衛的な音楽になっています。

第2楽章はカンタービレ楽章ですが、歌っているのかなあという感じですね。鋭い音楽が連なり、まるで夜の不安を表現しているかのようです。ただ、民俗的な旋律が出てくることで、かろうじてカンタービレになっています。ただ、これもスケルツォになっている点で、形式的にはきれいなものになっていて、その分私にとっては聴きやすい音楽でした。前衛的な音楽って、私はどうしても生理的に合わないのです・・・・・

第3楽章は、パッサカリアとコラールなのですが、音楽自体はやはり前衛的。それでも、バッハの時代のような旋律が入ってきたり、パッサカリアらしい構造が出てきますので、何となくそのまま聴けています。このあたり、やはり形式って大事だなあと思います。それでも、やはり前衛音楽というのは、やっぱり生理的に受け付けませんね〜まだ、スクリャービンの方が私は聴けます。

しかし、そんな音楽をN響はよく表現していますね。もともとドイツ物が得意と言われて久しいですが、そんなことはないよと主張しているかのようです。それは恐らく、スクロヴァチェフスキの統率力も影響しているのだと思います。そして、大フーガでも述べましたが、N響のアンサンブルのよさがなせる業だと思います。とりあえず、ここまで私は聴けているので・・・・・しかも、それほど我慢せず。こういう演奏は随分久しぶりに聴いたような気がします。ルトスワフスキのほかの音楽も、機会があれば聴いてみたいと思いました。
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