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2017年04月13日13:31

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ベートーヴェン 大フーガ

危険・警告ここから3つの日記は鑑賞会用のものです。危険・警告

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
大フーガ 作品133(弦楽版)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指
NHK交響楽団


かんち自身の解説

大フーガと言えば、弦楽四重奏版だと私は思っていたのですが、FBでなんと、オケ版しかしらないって人がいてビックリです!

いやあ、そもそも弦楽四重奏版がオリジナルなんですが・・・・・

ですが、ここではオケ版を持ってきました。スクロヴァさん追悼ということで、N響の定期演奏会の音源から。

そもそも、このオケ版、編曲はワインガルトナーだって知っている人、何人いるのでしょう?オケ版はワインガルトナーの才能に助けられている点、大だと思います。

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《大フーガ》(独:Große Fuge)変ロ長調 作品133は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した弦楽四重奏曲である。

本作は演奏者に対する極度の技術的な要求だけでなく、極めて内省的な性格によっても有名で、後期作品の基準にさえなっている。ベートーヴェンが完全に聴覚を失った1825年から1826年にかけて作曲された。元来この巨大なフーガは、《弦楽四重奏曲第13番》の終楽章として作曲された。《第13番》が初演された後、2つの楽章がアンコールに応じて演奏されたが、当時終楽章であったこのフーガは取り上げられなかった。ベートーヴェンは納得できず「どうしてフーガじゃないんだ?」と噛み付き、聞くに堪えない悪口を並べたという。しかし、このフーガが当時の演奏家にとってはあまりに要求が高く、聴衆にも理解できず不人気であったため、ベートーヴェンは出版者にせがまれて新たなフィナーレを作曲し、このフーガを単品として独立させた。ベートーヴェンは強情な人柄や、聴衆の意見や趣味に無関心なことで有名であったが、このときは出版者の要望に折り合った。フーガと取り替えるために書き下ろされたフィナーレは、性格においてフーガよりも軽く、《第13番》の他の楽章にもしっくりした。
19世紀から長い間、《大フーガ》は失敗作と見なされていた。ルイ・シュポーアは、ベートーヴェンの他の後期作品と併せて「わけのわからない、取り返しのつかない恐怖」と怯え、ダニエル・グレゴリー・メイソンは「人好きのしない」曲であるとした。19世紀末の歌曲の大家フーゴー・ヴォルフでさえ、この曲を含むベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏曲を「中国語のように不可解である」と評している。しかしながら20世紀初頭ごろから次第に評価は好転し始め、現在ではベートーベンの偉大な業績の一つとみなされている。イーゴリ・ストラヴィンスキーは、「絶対的に現代的な楽曲。永久に現代的な楽曲」と述べている。今日では普通に演奏・録音されるようになっており、録音では第13番の後に大フーガが併録されていることが多い。
フェリックス・ワインガルトナーは、コントラバスのパートを加えた弦楽合奏用の編曲を残している。
またアルフレート・シュニトケは弦楽四重奏曲第3番(1983年)にて、この大フーガの主題を重要な動機の一つとして扱っている。

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まず、一枚目が、ベートーヴェンの「大フーガ」とルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」。大フーガは、ワインガルトナー編曲の弦楽合奏版です。実は、これにひかれてこのCDを買ったのです。運命はすでにマイミクさんから近衛さんをいただいていましたし、運命はいいかなあって思ったのですが、大フーガの弦楽合奏版などそうそう手に入る代物ではありません。思い切って買いました。値段も1000円でしたし^^

その「大フーガ」ですが、さすがワインガルトナーですね。すばらしい編曲をしているなあと感じます。オケで演奏するとなると壮大な音楽になるのでは?という不安が付きまといますが(つまり、まったく別物になるという不安ですね)、そんなことがほとんどないのです。うまく原曲の弦楽四重奏曲の雰囲気を出しているなあと思います。その上で、弦楽合奏のよさも出している曲に仕上がっています。もしかすると、それはオケがN響であるということも関係しているかもしれませんが・・・・・

N響のよさとして、やはりアンサンブルのよさがあげられます。いいアンサンブルだからこそ、この曲のよさを十二分に引き出していると言っていいと思います。実際、原曲の弦楽四重奏曲でもこれは大変難しい曲ですし、それは前にスメタナ四重奏団の演奏を取上げたときに、アルバン・ベルクと比較して述べたように、たった4つの楽器でもアンサンブルが合わないと崩壊してしまうのです。ましてや、それがオーケストラだったら・・・・・

スクロヴァチェフスキのいいテンポも、それを後押ししています。それほどテンポは変わらないのですが、中間部でゆっくりする場面では原曲よりも遅めに振っています。その上で、速い部分への切り替えがとてもよく、全体的にとてもよくまとまっています。ブルックナーを聴いたときにも感じたのですが、スクロヴァチェフスキは本当に統率力とバランス感覚に優れているなと思います。
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