おはようございます。木下藤吉郎です。
今から50年前の1967年(昭和42年)の今日、東京都目黒区駒場に、日本近代文学館が開館しました。
■4月13日は開館50周年記念日 - 日本近代文学館
http://www.bungakukan.or.jp/cat-whatsnew/8777/また、今から65年前の1952年(昭和27年)の今日は、声優、俳優の原 康義(はら やすよし)さんの生まれた日です。
■原康義 - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%BA%B7%E7%BE%A94月13日 木曜日
けさは、西日本では移動性の高気圧に覆われ、よく晴れて穏やかな天候になりそうですが、北日本では低気圧や寒気の影響で荒れ模様であり、北海道では雪の予報も出ています。明日には晴れの予想がされていますので、長い降りにはならない見通しですが、お出かけの方はご注意下さい。また、よく晴れる西日本では飛散のピークを迎えたと見られるヒノキ花粉がここぞとばかりに大量にばら撒かれる可能性が高いですから、花粉対策を徹底してお出かけくださいm(_ _)m
さて、きのうは「意味が本来と大きくかけ離れ、ピンチになっている言葉たち」と題しまして、「花散らし」のもともとの意味の話を書いてまいりました。
この他にもう一つ「意味が本来と大きくかけ離れ、ピンチになっている言葉」で私が気になっているものがあり、けさはそれについて書きたいと思います。
その言葉とは、お正月の言葉の一つ「姫始め」であります。
今、「おいおい、朝からそんな言葉の話なんか書いてくれるな！」と思われた方は少なくないと存じます。しかし、そういう風に捉えていらっしゃる方は、まさに本来の意味とは大きくかけ離れた「俗説」を植えつけられている方に過ぎないのです。
本来の「姫始め」とは、1月2日、すなわち正月2日目に、ごはんをそれまで少し硬めの「強飯(こわいい、こわめし、おこわ)」を食していたのから、水分が多く柔らかめの姫飯(ひめいい)を食する最初の食事をそう呼んでいたのです。
昔の日本では祭日になると強飯を食して、祭が終わると姫飯を食していたそうです。つまり元日に強飯を食し、明けて1月2日は年が明けてから初めて姫飯を食する機会となり、それを「姫始め」と呼んでいた、と、こういうわけです。
さらに、この姫始めの「ひめ」には姫飯の「姫」以外にも「姫糊始め」として、年が明けて初めて洗濯をすることを示したり、「飛馬始め」として乗馬の年明け後初の回、「火水始め」と当てていわゆる火や水を年が明けてから初めて使う日とするなど、さまざまなバリエーションがあったようです。
その中から、いわゆるセックス(性交)の事を「秘め事」と言う慣習から「秘め始め」と当てて「姫始め＝年明け後最初の男女の夜の営み」を言うようになり、それが世間一般に広まったのもまた事実のようです。
思えば「姫飯」という言葉自体、江戸時代以後の文献になると殆ど目にしなくなり、現代では国語の古典や社会の歴史の授業以外では全く聞かない「死語」となっている感が否めません。馬に乗られる方も競馬のジョッキーや趣味で乗馬をされる方くらいで、洗濯に糊を使われる主婦(夫)も殆どないでしょう(洗剤が主という意味で)。かろうじて当てられそうなのは「火水始め」ですが、「火」はともかく「水」を「め」と当てるのが無理矢理な感じを受け、また「それなら単に『家事始め』や『事始め』でいいじゃないか」となりましょう。
そんなわけで、けっきょく「秘め始め」だけに言葉の需要が残り、「姫始め」＝使うとセクハラになりやすい言葉 という現状に至っているのではないでしょうか。
我が国の歴史と郷土・文化を真剣に愛して欲しいとお考えの方は、「姫始め」の本来の意味を教えるべく、強飯と姫飯を実際に食べてもらうイベントでもやってみてはいかがなものかと、私は思いますね。
■姫始め - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%AB%E5%A7%8B%E3%82%81
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