歴史的名著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で
個人的に好きなエピソードにエリオグレイシーとのやり取りが有る。
エリオは加藤選手を占め落として下しており、
木村が破れれば日本柔道の地位は地に落ちる危機に立たされていた。
そんな状況で、試合の数日前の話である。
(以下本文より抜粋)
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エリオによると、試合の数日前、木村に頼まれたと言って通訳が一人でエリオの
道場にやってきたという。
「木村さんの寝技や関節技が完璧に決まったら、エリオさんはタップしますか?」
エリオはそれを聞いて激怒した。
木村ははじめから自分が勝つと思っているのか。
傲慢すぎる・・・・・・。
「失礼な事を言うな!」
エリオは通訳を追い返してしまった。
次の日、木村がその通訳を連れて直接エリオを訪ねてきた。
「ミスターエリオ、昨日は申し訳なかった。私はあなたを見下したり
からかったりしているわけじゃないんだ。心から謝る。本当に申し訳ない。
試合はどちらが強いかだけをはっきりさせればいいと思うんだがどうだろう?
必要以上に傷つけあうことはいだろう?
夜、ベッドの中に入る時、私は人の骨の折れる音を思い出したくないんだ。
結果はやってみなくては分からない。でも私の技が完全にかかったら、
その時はタップしてくれ」
エリオは感動した。
自分は敵の木村を倒す事しか考えていなかったのに、
相手の木村はそんなエリオの体の事を本気になって心配してくれていた。
話の内容からすれば傲慢だと取られても仕方ないが、
木村の態度からは微塵もそれが感じられなかった。
笑みを浮かべるわけでもなく、威圧もせず、嫌味も無かった。
その堂々と男らしい態度に、木村こそ本物の王者だと知った。
この話を木村本人は自伝に書いていないし、死ぬまで周りにも語っていない。
木村にとっては自身の内なる声で自然に取った行動だったのだろう。
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そんな木村に対してエリオは試合当日に審判を変えるように要求したり
(お前、ブラジル敵地で孤軍の男相手に・・・・。ルール改正とか、昔からの芸風なんだな)
色々と言いたい事はあるが、最終的にエリオはこの日の負けを
「私はただ一度、柔術の試合で敗れたことが有る。
その相手は日本の偉大なる柔道家木村政彦だ。
彼との戦いは私にとって生涯忘れられぬ屈辱であり、
同時に誇りでもある。
彼ほど余裕を持ち、友好的に人に接する事が出来る男には、あれ以降
あったことが無い。
50年前に戦い私に勝った木村、彼の事は特別に尊敬しています。」
と言う言葉を残している
もう、余裕の木村は全く自分が負ける所等想像すらしていなかったのだろう。
そして、その通りなのであった。
動画で見るその時の玖村の入場時の様子を見られたい。
ホッキョクグマがのしのしと歩いているような錯覚すら覚える雄大さである。
後に「ゴン格」とかで青木真也選手が同じように「ホッキョクグマ〜」とか
話してて
「やっぱ皆同じこと連想するんだなぁ〜〜」と思った。
(「木村〜」の著者も「ホッキョクグマ〜」とか書いててワロタ)
さて、長い前ふりになったがここからが本題である。
上記の木村の話、あれは本当なのだろうか?
エリオは本当にそのような事を自らの口から話したのだろうか・・・・・?
そう思っていたんだが・・・・・・
どうやら真実だったようだ。なぜならば、つい昨日の事なんだが、
ヨウツベで少し古い動画だが、
ホイスグレイシーVSボビーオロゴンと言うテレビの企画で
二人がし合う事のなったわけなんだが
その記者会見で、ホイスがボビーに
「タップはしますか?アームロックで」
と聞き、続けて
「人の腕を折った音を考えながら眠りに就くのは凄く嫌なので、
折る前にちゃんとタップしていただけるとありがたいんですけど・・・。」
(同時通訳なので少しぎこちないが。)
と言った
そう
上記の木村政彦の言葉をほとんどそのまま使っているのだ。
このホイス、木村政彦の事をリスペクトしており、
おそらく上記のセリフとエピソードをエリオから繰り返し
聞かされていたのだろう事は想像に難くない。
確か、「小川(直也)選手と木村選手とではどちらが強いと思いますか?」
と聞かれた時に
「木村選手の方が全然強いと思います!」(キッ!)
と言い切ったそうで
木村政彦 身長170cmほどで、体重は85kgほどの選手と
小川 直也 身長 193cm 体重140kg(全盛期)と言う対格差など
まるで問題なしとばかりに断言したという。
(いや、まぁ・・・木村さんが勝つんでしょうが。)
ボビーとのやり取りを聞いてて
「こいつ(ホイス)・・・・・・・・・・・・
木村に惚れ込んでやがる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!」
そう感じた。
時代を超えて昨日確信した。
あの話は本当なんだと!
(*今回の日記、全面的に増田俊也著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を
引用&参考にさせていただいております。)
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