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2017年04月08日22:48

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おくやみ

最近、新聞のお悔やみ欄を見るようになった。

早速懐かしい名前を見つけた。

若くして脳卒中で倒れて、半身まひになった患者さんだ。

僕が一番最初に勤めた病院で対応に苦労した患者さん。

今じゃ考えられないけど、スタッフみんなに嫌われていて、食事の介助はみんなでジャンケンして負けた人がいやいやしていた。

ゴメンネ。

僕も若かったし経験も浅かった。

とにかく訴えが多くて、食事だけでも「ご飯を食べて、その次はバナナ食べて、その次は・・・」というのを繰り返していた。不安で何でも先々の介助まで毎回お願いして来ていた。で、めちゃめちゃ介助に時間がかかっていた。

毎回同じなので、言わなくてもこっちは分かっているんだけど、そこは患者。

毎回同じことの繰り返し。

トイレも毎食後介助が必要で30分以上はポータブルトイレに座っていたな。

今思うと精神科の領域の不安障害もあったのだと思う。

が、当時は誰も精神科の領域は考えていなかったな。

元々が脳卒中で脳に異常があったからね。

ある時、家族が自宅での介護にチャレンジすると言い出し、リハビリ科のスタッフも交えて何度も話し合いの末、あえて介助が簡単なオムツ使用にレベルを下げた。

ADLと言うのだけども、あえて下げたのはこの時が初めてだったな。

で、結局家族は「面倒見きれない」と退院前にギブアップ。

レベルが落ちたまま入院継続。

患者本人はどれだけつらかったろうか・・・・・

でも、怒りの矛先は病院側へ。

「あんたたちのせいでオムツになった!」と毎日苦情。

手は不自由だったけど、なんとかナースコールだけは出来たんだよな。

毎日怒りに満ちた日々を過ごしていた。

そういえば、この患者両手が震えて自力では食事が出来なかったけど、種入りブドウが房のまま差し入れされたことがあった。

一粒ずつ剥いて、種を取ってという作業をさせられた。さすがに全部は食べさせられんかった。

皆さん患者さんの差し入れをする際は、患者さんの立場を考えてから差し入れて下さいね。


今の僕ならもっとうまい事対応できたと思う。

一般の病院だったけど、大半が脳機能に障害がある人で、食事介助だけでも一人で数人介助は当たり前だった。

車いすで患者さんを横一列に並べて、鳥がひなに餌をあげるように次々と口の中に食事を入れていた。

これは今でもやっているところあるね。

一度、老人施設で何人もいっぺんに食事介助しているのを自慢しているスタッフを見たことがある。

まぁ、施設側もそれだけ余裕がないんだね。

うちの病院も悪いスタッフは何人もいる。

食事介助が早いな!って思っていたら、自分の勝手で食事の量を減らしていて、下手すりゃ半分程度で介助自体を止めている。

忙しいけど、何の罪悪感もなくそんなことしているスタッフもいる。

うちの病院、精神科だから家族が介助する人は一人しかいない。それも週に1回程度。

一般病院では3分の1程度は家族が介助していた。

家族の厳しい目が無いから無茶するんだろうね。

今、うちの病院でも食事が入ると肺炎を起こし、2か月以上も点滴のみで生きている患者がいる。

もう骨がそのまま浮き出ているくらいガリガリ。

言葉も発することは出来ないし、動きもほとんどない。

で、どう生きたい?どう死にたい?が本人が決められない。

家族とも連絡がつかない。

仕方なく経管栄養もせず点滴のみで生きている。

そろそろ限界。

血管にもっと高カロリーの注射も出来るには出来るけど、医師はそれも選択しない。

ボチボチ餓死します。

もっと苦しまず死ねたらいいのにそれを許さない日本の社会。

最初に話した手のかかる患者さんは、施設に移っていったが、退院後面会に行ったら別人のように穏やかだった。

感謝の気持ちを持っていた。

施設でそのまま死んだのか病院で死んだのか分からないけど、いい死に方してくれてたらいいな。

脳の機能障害を持つと、麻痺がある場合が多いので、生活は大変。

でも、中には半身まひでもスポーツジムに通っているおじいちゃんもいた。

人それぞれだね。

言葉を失うと結構つらそうにしている。

言いたいけど言えない。

そんな人もいる。

今では随分違う。

昔は脳出血が多かったけど、血圧の管理ができるようになって、脳出血は減った。

今は脳梗塞が多いね。

脳梗塞も血栓を溶かす薬も開発されている。

身体に障害が残ったまま生きるのはツライね。

脳卒中は一瞬でやられちゃう可能性があるから、やっぱり元気な時に「もしも」のときの対応の仕方を家族で考えておくのは必要だね。

未成年で、交通事故で脳挫傷でという患者も何人かいた。

子どもとも「生きる」とか「死ぬ」事について話し合うことが大事だね。

脳卒中は突然来る。死ねばそれまでだけどマヒが残ると家族や介助者への負担は大きい。

脳卒中の患者の中には退職おめでとうの会で本人が感極まってとか、隣人と口論になって興奮してとか、別の病気で入院して退院当日にとかあった。正月に空手の道場の寒げいこで海に入ってって人もいたなぁ。

退院当日の患者は僕が第一発見者だった。結局すぐに亡くなった。退院を喜んで集まっていた家族の悲しみようってなかったな。

精神科は死ぬ病気じゃないから、亡くなる人は少ない。

認知症も脳機能障害はいない。アルツハイマーとかレビー小体とかしかいない。

久しぶりに脳機能障害での死を感じた。

とりあえず、血液サラサラのサプリを飲んでおこう。

あと興奮しないように気を付けよう。

父は去年倒れた時に精密検査で脳に動脈瘤が見つかっている。

本人には話していない。

話した方がいいかな。

まだ小さいから手術適応外でしてね。

脳の病気は怖いね。

突然来るからね。

ボケるならかわいくボケたい。

ボケて穏やかだった人が暴力的になることもある。

家族にも見放される。

僕が老人になる時には認知症の薬が開発されていたらいいなぁ。


















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