東横イン熊本駅前の1013号室で、5時半に起床。
慌ただしく準備をし、熊本駅へ。
手にしている切符は「30周年記念!ネット九州パス」2日間用である。
これはJR九州の全線の新幹線、特急、普通・快速列車が乗り放題と云う、大変に有難い切符である。
JR九州30周年の限定の切符で、この存在を知って九州までやって来た。
そこで、JR九州ご自慢の観光特急を乗り継いでみたいと思う。
肥薩線で3月の改正から登場した特急「かわせみ やませみ」は基本、全席指定だが1号は2号車が自由席になるので、乗車する事にした。
春休みだしかなり並ぶと思い6時過ぎに熊本駅6番ホームに来たが、誰一人として並んでいない。
熊本駅は高架化の工事の為にごちゃごちゃしており、朝食を買いに行くのも億劫である。
結局、7時を廻って漸く、並び始めた。
「かわせみ やませみ」の入線は7時5分。
ベンチシートにしようかとも思ったが、2号車11番D席を陣取った。
内装は、かなり凝っている。
木をふんだんに使っており、まだ登場して間もない事もあり、芳香を漂わせている。
7時12分、定刻に熊本を発車。
車輛はキハ47だが、車内に面影は無い。
売店コーナーもあるが、1号では車内販売は無いとの事。
八代までは鹿児島本線。
八代でビジネス客らしいのが何人か降りた。
肥薩線に入り、球磨川沿いの上り勾配を走る。
天気も良く、球磨川の深い流れが深緑の美しい水面を見せている。
かと思えば、岩場に急流を見せていたり、変化に絶えない。
途中、長時間停車する事も無く、8時44分に人吉に到着。
人吉で1時間ばかり時間があるから、鉄道ミュージアムとやを覗いてみる。
恐ろしい事に、この人吉の地においても、ニャンコ先生を差し置いて、たま駅長が勢力を伸ばしていた。
昨日、お世話になった土産物屋で買い物をしたら、店主が昔、京都の堀川七条に住んでいたと云う。
思わぬ京都の、それも西洞院等と云う言葉を聞くとは驚きで京都談義に花が咲いた。
駅に戻り、立ち食いのうどん等は無かったが、カップ麺の湯のサービスがあったので、遅めの朝食。
流石に朝から駅弁で1100円は使えなかった。
10時7分、熊本からの特急「いさぶろう1号」が到着。
座席は2号車11番D席。
この列車は人吉と吉松の間を走る普通列車であったが、今回の改正で一部運転区間が延長され、熊本発着の列車が現れた。
熊本から人吉の間は特急となる。
しかし、背もたれが木のボックスシートで特急とは、1985年に運行されたオハフ61使用の臨時急行「いよ52号」並みに酷い。
しかし、普通列車の指定席列車としては及第点。
観光列車らしく、要所で案内が入る。
先ずは、大畑ループ。
このループは、大畑駅のスイッチバックと組み合った、日本で唯一のループ。
駅舎には名刺が無数に貼り付けられている。
何でも、名刺を貼り付けたら幸せになれると云う。
なので私も貼っておいた。
大畑を発車し、ループに入る。
ループで高度を稼ぎ、はるか下方に先ほどの大畑駅が見える。
急勾配を上り、肥薩線で最も標高の高い矢岳駅に着いた。
窓口には、国鉄時代のトクトクきっぷのラクダが残っていた。
古い駅舎と、本数の無いローカル線に、時が止まったかの様な錯覚を覚える。
矢岳には、SL記念館もあった。
ここで売っていた椎茸が、余りにも見事だったのだが、生物故に諦めた。
矢岳を出ると、いよいよ日本三大車窓。
実に美しい。
真幸駅も、スイッチバックの駅。
肥薩線の勾配振りを現している。
しかし、乗り鉄撮り鉄からしたら、こんなに魅力的な路線は無い。
真幸駅も、昔ながらの駅舎。
駅前には猫さんがいた。
こんな人跡未踏の駅で、どう生活しているのか気になるところどある。
真幸の先、山神第二トンネルは終戦直後に復員軍人を乗せた列車がトンネル内で立往生の後退行し、多数の死傷者を出した。
所謂「肥薩線列車退行事故」の地。
トンネルの入口に「復員軍人殉難碑」が建っていた。
吉松には11時22分着。
3分の接続で特急「はやとの風1号」に乗り換える。
写真を撮ったりしていたら、駅弁を買いそびれた。
未だに立売していたのだが。
「はやとの風」での座席は2号車5番D席。
矢岳越えを過ぎたからか、何となく開けた所を走っている様な気がする。
大隅横川駅に停車。
駅舎が、九州では一番古い木造の駅舎だそうだ。
次の嘉例川駅の駅舎も古い。
しかも、この駅の駅長は、にゃん太郎と云う猫さん。
しかし、本日は非番だった。
隼人から日豊本線に入り、錦江湾に沿って走る。
桜島が延々着いて来る。
12時52分、鹿児島中央に到着。
415系が停車していた。
時間があるので土産物屋等を彷徨く。
そして14時2分、特急「指宿のたまて箱5号」に乗車。
22年振りの指宿枕崎線。
座席は1号車9番A席。
しかし、改造車の悲しさ。
窓と座席が合っていない。
鹿児島の市内を抜け、錦江湾沿いを走る。
桜島が見える。
喜入を過ぎて、知林ヶ島が見えて来ると、指宿。
この列車は余りにも混雑している上に支那の団体が喧しくて、何とも嫌な気分になった。
指宿では、折角なので名物の砂蒸し温泉に入る。
駅から20分程で砂蒸し会館「砂楽」に到着。
いよいよ、人生初の砂蒸し。
砂を被せられたら、じんわりと温い。
なかなか気持ちが良いが、砂が重い。
22年前に指宿に来たときは土砂降りの大雨。
2月と云う事もあり寒く、とても砂蒸しを体験する気にはならなかった。
今回、砂蒸しをやり、22年前の忘れ物を取り戻した様な気がした。
駅に戻る道すがら、スーパー「タイヨー」へ。
肴を漁る。
地鶏の造り、叩きに枕崎産の鰹叩き。
まさに鹿児島。
酒は、焼酎大国の薩摩だけにこんなところ。
指宿17時14分発の枕崎行きはガラガラだったので、宴会と洒落混む。
山川を過ぎると変わった山が見えて来た。
大山を過ぎて、JRで最も南にある西大山駅に到着。
どこまでも付いてくる開聞岳を見ながら一盞。
最高の贅沢かも知れない。
枕崎には18時26分の到着。
折り返し山川行きになる。
18時35分の発車だから酒を買い足しにも行けない。
走り出して、間も無く日が落ちて辺りが暗くなった。
海も開聞岳も、何も解らない。
西大山も過ぎて19時37分、山川に到着。
40分発の鹿児島中央行きはキハ200。
しかし、車内はロングシートに改造されていた。
車窓も見えないし、ロングシートだからそのまま眠りに着いた。
南鹿児島で目が醒め、20時53分、鹿児島中央に到着。
22年前の精算を果たした様な心地好さと、時の流れの早さにも戸惑いを覚えた。
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