この殿敷の煤、炭素への執着は一面を鉛筆の
線で埋める作品を生む「線の集積」
縦長のキャンバスに、水平に
一直線の鉛筆の線が何本も何千本も引かれ一面真っ黒に見える
でもその一本一本の黒は、光を反射して緑に赤に光る
その線は上へ続き下へ続き、遥か太古から地中に積み重なってきた植物に
炭素に見える
殿敷は地中の炭素、石油を掘り出してプラスチックに精製し
それを炎で、焼き爛れ焼き溶かし焼き焦がして
黒く歪で惑星のような球形にし、それを「JUPITER」
と名付けた、雷を操る神
──【美術】殿敷侃 逆流の生まれるところ/広島市現代美術館
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