インドでは、絶対牛のウンコを踏む。
インドでは、絶対お腹を壊す。
そう言われ続けて来たけど、全然何の気配もないまま（多分ウンコは気付かないうちに踏んでるよ〜(・∀・)と言われたけど、あんなでかいものを気付かず踏むということがあるだろうか）ジャイプル駅へ到着。
アーグラーへは電車で約４時間。予約したホテルは、白人旅行客からすごく高評価を受けてるホテルだから、期待できるよと言われていたのでワクワクしながらホームへ移動して電車を待つ。（電車の到着３０分前くらいには着いてたはず）
次の電車番号がホームの電光掲示板に出るので、それを見に行った由有理さんが「次は違う番号だ」と告げる。ホームはここであってるはずだし、早く行ってしまうというのはありえないから、まぁ遅れてるんだろう、いつものことだと話していると電車が来て、しばらく停車してから発車。そこから、次に表示された番号も違うものだった。ちょっと聞きに行ってこようと駅入口のインフォメーションへ。結構人が集まっているとこへ掻き分けていって、 周囲の人にも何か聞いたりして、戻ってきた由有理さんが言うことには、
「電車遅れてるって〜(・∀・)」
「やっぱり？(￣▽￣;)」
「んで、うちらの乗る電車は、そもそもの予定が１５：４５だったんだけど、２０：４４到着だって(・∀・)」
「―――・・・・ん？(￣▽￣;)」
突 然 の ５ 時 間 遅 延 〜アナウンスなどない〜
「り、理由は？(￣▽￣;)」
「うん、不明〜(・∀・)」
「やっぱり！？(￣▽￣;)」
イ ン ド の 洗 礼 が 来 た 。
「いきなり？いきなり５時間？？(￣▽￣;)」
「ん〜まぁ、前の電車が遅れて、そっからずるずるなんだろうね。どうしようかな。５時間ここで待つわけにいかないしね〜。スマホの充電切れるのもやだし、Wi‐Fi入るカフェとかで時間潰すか〜(・∀・)」
「そっすね〜(￣▽￣;)」
文句なんか言ったところで仕方がない。何しろ遅延は既に決定事項である。
ジャイプルの駅前はだだっ広い。道路も広い。そしてここには２４時間営業のファミレスなどないのだった。
お茶するとこはあるにはあっても、たいてい屋台か、店舗があっても、多分ここ無理だろ・・・感漂うところばかり。
「多分これ無理だろうから、いっそ近場ホテルでちょっと部屋借りる？疲れてるなら横になれるし(・∀・)」
「その方がいいかも(￣▽￣;)」
土地勘もないとこで闇雲に動いてはいけない。必要以上に駅から離れると戻るとき大変だし。ということで、カフェ探しからホテル探しへ路線変更。ちょうど近くにホテルっぽい建物があり、入口を探しているとスタッフらしいおじさんが案内してくれた。
ホテルの玄関近くには広場があって、子供がブランコに乗ったり、わりときちんとした身なりの年配男性二人が、外に設置されたテーブルで談笑したりしていた。
ホテルに入ろうとすると、その男性二人のうち一人が、「May I help you？」と声をかけてきた。
ちらっと見ただけなのに何か困ったことがあると見抜いたのか、それとも単にいらっしゃいませという意味だったのか、今となっては解らないけど、その時は「あ、この人助けてくれるつもりだ」って思った。
由有理さんとその人が話してるときに見てたんだけど、やっぱり身なりが綺麗だった。白シャツに灰色がかった水色のジャケットで、服がくたびれてる感じがしない。身振りも余裕ある感じ。
まったくこの国は、着てるもの履いてるもの、顔つき姿勢で貧富の差がイッパツで解って面白い。
由有理さんは遅延電車の件を話していて、男性はホテルのなかを指差してレストランがどうとか言ってたので、部屋なんか取らずにレストランに居ればって言ってくれてるんだなと解った。
「ベッドは使うかって言ってるんだけど、たまきさんベッドで寝たい？(・∀・)」
「いや別に大丈夫(￣▽￣)」
「じゃあこの人が、この奥のレストラン使っていいよって言ってくれてるから、時間潰さしてもらお〜。あっWi‐Fi使えます？（英語）(・∀・)」
「問題ないよ（英語）」
「「センキューソーマッチ(・∀・)(￣▽￣;)」」
男性に手を振ってホテルの中へ。
何このトントン拍子展開。漫画かな？
というかホント、インド人てなんて親切なんだ・・・あんな風にサラッと手を差し伸べてくれるとは・・・
ジャイプルで仏に出会ってしまった瞬間であった。
「あの人どういう人ですかね(￣▽￣;)」
「５時間レストランに居ていいって言ってたから、多分オーナーさんと思うよ〜(・∀・)」
レストランというか食堂的な店内には、ホールスタッフの男性が二人。年若いのと年配の人が居た。
レストランに客は私たち二人しか居なかったので、遠慮なく伸び伸びすることに。
携帯を充電したりチャイを飲んだり、由有理さんは旦那さんの実家に電話したり、インドのテレビにツッコミを入れたり（若い男女が歌いながら追いかけっこする映画とか、トラと象しか出てこない謎番組がやってた）
小腹が空いたので6時頃食事を取った。何だかんだで食欲はどこまでもあった。
ホールスタッフの年配男性に日本から持ってきた飴をあげたら、子供にあげたいからもっとくれと言われ、袋ごとあげたところ、おじさんはニコニコしていた・・・・。もっと持ってくれば良かったと激しく後悔した。
７時過ぎ、そろそろ駅に行こうかということになり、でも混み混みな駅に行くのやだよね〜、とか話しながら、由有理さんがスマホアプリで電車が今どこにいるのか確認（そんなアプリがあったとは）
「はい、ここで報告でーす(・∀・)」
「はーい(￣▽￣;)」
「電車がさらに２時間遅れました(・∀・)」
「・・・インドォオ！！(￣▽￣;)」
１５：４５発から２２：１５発へ――・・・
アーグラーへの道程は・・・長く険しいのであった・・・
長く椅子に座ってるとだるくなるし、一日の疲れを取るために、二人して椅子から下りてストレッチをはじめる。
ホテルのレストランで、二人組の女性旅行客がストレッチを・・・
お か し い。
レストランに他の客が居なかったからできたわけだけど、スタッフさん絶対「エッ何だろう・・・あの人達・・・様子がおかしい・・・」って思ってた。いいけど。
というか、私たち以外に本当に客が居ない。大丈夫なのかこのホテルはといらん心配をしてみたけど、宿泊は居るっぽいから、おそらくレストランのご飯がイマイチだから、みんなここに食べに来ないのだと推測（私の頼んだターリ―セットは美味しかったけど、由有理さんの頼んだほうれん草カレーはまずかったらしい）
つけっぱなしのテレビ画面が、映画ばかりだったのが違う番組に切り替わっていて、白髪の髭の男性が何やら演説している。
「何ですかねあれ(￣▽￣;)」
「ニュースだね〜。あの人インドの首相。いま、一日に引き出せるお金の上限を決めるって発表してる(・∀・)」
「えっ？それかなり重大発表じゃあ・・・・いつから？！(￣▽￣;)」
「一月一日からだって(・∀・)」
今 日 は 大 晦 日 で す 。
「あと４時間くらいかなぁ〜(・∀・)」
「そういうの普通、もっと前もって発表しません？！(￣▽￣;)」
「インドだからねぇ〜(・∀・)」
「・・・何かもう、語尾にインドって付ければ、何でもありな気がしてきた(￣▽￣;)」
「だよね〜(・∀・)」
やがて、私たち以外に客のなかったレストランにチラホラと人が訪れ始めた。男性客ばかりが。正確には、レストランの奥に設置された扉に客が入り始めた。
扉には「ＢＡＲ」と書いてある。
堂々と書いてあるってことは禁酒ではないんだろうけど、みなさんわりと控えめに入室。
あとから聞くと、宗教的なこともあるけど、酔っ払ったさまを人に見せるのはすごく恥ずかしいという意識があちらの人にあるので、あまりおおっぴらに飲む人は居ない、とのことだった。
おいおい、チューハイの缶を開けてグビグビしながら帰宅する私からすれば、なんて奥ゆかしいの？
次第に賑やかになっていくＢＡＲ内。普段わりと陽気なインド人は、酔うとどうなるんだろうかと若干興味が沸く。
由有理さんがアプリで調べた電車到着時間が２２：１５から２１：４５、また２２：２０へと目まぐるしく変わりはじめた。その原因は不明。インド。
そろそろ出る支度はしておこうと、ホテル玄関の長椅子に移動して少し横になる。うとうとしてるうちに日本時間は新年を迎えていたのだった・・・・。
「「ハッピー・ニュー・イヤー！(・∀・)(￣▽￣;)」」
予定ではとっくにアーグラーのホテルに到着しているはずが、まさかジャイプルの駅前ホテルの長椅子で、電車待ちながら新年迎えるとは・・・数日前まで、いや数時間前まで、思ってもみなかった・・・。
ホテルを出るとき、オーナーさんに改めてお礼言いたかったけど、見当たらなかったのでそのまま駅へ向かった。案の定、凄い人。
電車遅れてるもんだから、ホームで寝る人が続出。
しかしそこはインド人、クレームをわめき立てる人など一人も見当たらない。みなさん当たり前の顔で駅の床に、毛布にくるま・・・・・・・・・・
毛布どっから持ってきた！！？(￣▽￣;)
「あれ毛布ですよ！！？ショールとかでなく毛布ですよ！！？(￣▽￣;)自分ちの近くとかならともかく、今から電車乗るのに、何故毛布を！！？」
「買ったのかもね〜(・∀・)」
でも考えてみれば、普通に体に毛布巻き付けて歩いてる人も居たし、電車乗客の異様な荷物の多さは、まさかこういうことも想定した準備のためなのか とか考えてしまった。インド人の、緊急時の為の周到な準備・・・・日本人もびっくりだ・・・
ていうか、女性も子供も普通に毛布敷いて毛布被って寝てる。治安的な面で大丈夫なのか？イヤ大丈夫か・・・駅中だしみんな寝てるし・・・
ってかホームでもみんな寝てるし・・・なんかほんと7、8人が、大荷物置いて雑魚寝してる。毛布の塊みたいになってる。その寝てる人たちの側に男の子がいて、荷物ゴソゴソやってたもんだから泥棒かと思ってたら家族だったみたい。すごく紛らわしかった。
今度こそちゃんと電車が来て、電車番号と、掲示板に貼られたリザーブチェック表を確認して（ホントよく落書きされたり破かれないなって感心する）乗り込んだ。
まぁ大変だったけど、助けてくれる人も居たし、電車乗れたし、滅多にない体験させてもらったし、結果オーライだという心境になった。
「遅れたけど、今度はちゃんと時間通り電車来て良かったですね〜(￣▽￣;)」
「電車来たのは時間通りだけど、出発したのは今だから、あれからさらに遅れてるんだよたまきさん(・∀・)」
時計を見ると２３：００だった。
駅の人達・・・しっかり・・・(￣▽￣;)
アーグラーへの旅は今始まったばかり―――
〜つづく〜
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