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2017年03月27日20:51

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ハンブルクバレエ ニューヨークツアー Old Friends

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2017/3/23木 20:00-
2017/3/24金 20:00-
2017/3/25土 14:00-
2017/3/25土 20:00-

Joyce Theater

OLD FRIENDS, an evening of ballets by John Neumeier

Choreography, Costumes, and Lightning: John Neumeier
Music: J. S. Bach, Frederic Chopin, Federico Mompou, Simon & Garfunkel
Piano: Ondrej Rudcenko

Joyce Theater New York Ensemble:

-Principal Dancers
Carolina Aguero, Silvia Azzoni, Leslie Heylmann, Anna Laudere, Karen Azatyan,
Carsten Jung, Edvin Revazov, Alexandre Riabko, Lloyd Riggins, Alexander Trusch,

-Soloists
Mayo Arii, Florencia Chinellato, Xue Lin, Christopher Evans, Marc Jubete, Aleix Martinez,

-Corps de Ballet
Giorgia Giani, Greta Jorgens, Emilie Mazon, Lucia Rios, Madoka Sugai,
Jacopo Bellusi, Matias Oberlin, Pascal Schmidt, Thomas Stuhrmann,

*音楽は、ショパンはピアノの生演奏、ほかは録音音源。ピアニスト凄く上手だったんですが、どなただったのでしょう?プログラムのクレジットだとハンブルクバレエのピアニストってことになってるのですが、バレエ団のサイトのその人の写真と実物が違う気がする。

ハンブルクバレエのニューヨークツアーの弾丸追っかけをしてまいりました。これまでのジョンの小品をコラージュした作品で、タイトルはOld Friends。バッハ組曲→ダイアローグ→ノクターン→Opus100 (for Maurice) という構成です。最後のOpus100は、ジョンがベジャールのために作ったという自分と彼の間の友情が元になっていると思われる作品で、私も昨年のハンブルクバレエ日本公演の「ジョン・ノイマイヤーの世界」で初めてナマで観て泣くほど感動したのでした。

大好物のOpus100をやるというのと、非常に小さい会場(MAXは472人らしい)でのプリンシパル中心の少人数の公演である、という点に魅力を感じて、会社では多分顰蹙を買ったと思うけど、無理して行ってきました。

行ってよかった・・・!大好きなサーシャ・リアブコとシルヴィアを堪能したし、上り坂の若手もたくさん観られたし!

4回公演を観たうち、ファーストキャスト・セカンドキャストが2回ずつ。キャストの主だったところを備忘録として書き出しておきます。

<ファーストキャスト>
バッハ組曲: Xue Lin, Alexander Trusch,
ダイアローグ: Anna Laudere, Karen Azatyan,
ノクターン: Silvia Azzoni, Alexandre Riabko,
Opus100: Alexandre Riabko, Ivan Urban,

<セカンドキャスト>
バッハ組曲:Giorgia Giani, Pascal Schmidt,
ダイアローグ: Xue LIn, Marc Jubete,
ノクターン: Carolina Aguero, Carsten Jung,
Opus100: Carsten Jung, Edvin Revazov,

簡単にストーリー的なものに触れておくと、バッハ組曲は前座という感じで、若手がきびきびと明るく踊ってくれる。そのあとから本題が始まり、ダイアローグ〜ノクターンでは、様々な男女間の葛藤が描かれます。その中に、男性の友情っていう伏線が出てくる。最後は、お互い女性と破綻した男性同士が「君が辛いときは身を投げ出して君を救う橋になるよ(独自のかなりな意訳)」って意味の歌に乗せてがっつりパドドゥを踊って幕。すべては最後のOpus100のためにあるという作品で幕切れは感動的なのですが、よくよく考えると偉くブロマンスじゃないか?

さて、パフォーマンス。ファーストキャストの千秋楽が一番胸に響きました。まず、ダイアローグを踊ったアンナとカレンが素晴らしい。これ、ティアゴ・ボアディンとヴィシニョーワにジョンが振付けた作品で、日本でも彼らが上演したことがあります(2013年6月)。お互いを想い合いながらも衝突してしまう男女の関係が描かれているのかな。アンナとカレンの組み合わせは初めて観たけど、今のハンブルクの若手ダンサーに足りない「大人っぽさ」が出ていて、非常にドラマチックでよかった。アンナはエドウィンと組んでるところばかり観てたけど、相手が違うとぐっと引き立ってくるなあ。カレンは特別枠のサーシャを除けば私の一押しのダンサー。テクニックは完璧、演技力も男の色気もあり、メランコリックで美しい顔立ち。とにかく彼の演技には見惚れてしまいました。

続いてノクターン。メインを含めて5-6組の男女カップルが出てきますが、若手は主に幸せなカップルたちを演じ、メインの部分をシルヴィアとサーシャ。サーシャの役は本を片手にメガネをかけて登場、服もニットのチョッキを着てたりと、学者風ないでたち。どうやら真理探究に入り込み過ぎたために、シルヴィア演じる彼女との関係が危うくなるというストーリーのようでした。千秋楽のこのパドドゥはまさに入魂で、観客も引き込まれて物凄い集中力。すがる男と彼を愛しているけど耐えられなくなった女の哀しさがぶつかり合い、衣装もまるで違うのに椿姫のよう。パートナーシップが素晴らしくリフトも吸い付くように滑らかなのは勿論ですが、彼らの中にあるピュアで真摯な人間性が滲み出てきてキャラクターに色をつけ、それが胸を打つ・・・。私はもちろん彼らのファンなのでその素晴らしさとかここで観られる感激とかでだーだー泣いていたのですが、近くの席からもやはり鼻をすする音が。ノイマイヤーの、人間の心の襞を繊細に表現する振付って本当に素晴らしいし大好きだけど、その良さを感じられるのも、こういう表現をできるダンサーがいてこそだよね・・・。

パドドゥの最後、すがる男をふりはらって女は去っていきます。去り際に、女が彼の本を奪い取って背中を見せたままページを1枚破く演出なのですが、シルヴィアがページを破った瞬間、サーシャは自分自身の体に痛みが走ったように体をきゅっとすくめてた。こういう切なくて繊細な表現は彼ならではで大好きなんだよなあと観ながら思ってたら余計に泣けてきました。

そのあと、この淋しい男と、もう一人、憧れの女性にフラれた男同士が旧知の設定で、Opus100になだれ込みます。もうこの作品は、サイモン&ガーファンクルのあのメロディが流れてきただけで涙が出ちゃうし、それをイヴァンとサーシャが少年のように笑いながら踊っちゃうし、振付も本当に美しくて絶品で、感動しなかったらウソでしょう!って感じでした。この作品でも、金曜日に私のお隣に座っていらした、多分60代くらいのマダムが最初の方から盛大に鼻をすすりながら観てらっしゃったなあ。アメリカの方も曲に馴染みは深いのでしょうね。

千秋楽、Opus100が終わって幕が降りた後、会場からは一斉に歓声が!そして、この公演で一番のスタオベとブラヴォーの嵐。ダンサーと、そしてカーテンコールに登場したジョンも、本当に満足気で嬉しそう。NY公演、大成功だったと思います。よかった・・・!

ちなみに、セカンドキャストの方も、実はなかなかよかったのです。バッハ組曲に出てきたGiorgia Gianiはナショナル・ユース・バレエから上がってきた子でまだ団には入ったばかりですが、確固としたテクニックとそして存在感があってとてもよかった。Pascal Schmidt、存在感ではファーストのトゥルシュの方がそりゃ格段に上ですが(彼もすっごくよかった)、とてもきれいな顔立ちの子でちょっとワクワクしました。ノクターンはカロリーナ&カーステン、こちらはいい意味でとても人間くさい、私達のそばにたくさん存在するような男女のすれ違いの話になっていて違いが面白かったし。あと、Opus100はカーステンがサーシャのところを踊っていましたが、これもなかなか!踊りではサーシャにそりゃかなわない部分があるけど、演技がとってもよかったなー。エドウィンが振りをたどるのに一生懸命すぎて笑顔があまりなかったのが勿体ない感じだったけど。

この会場、楽屋口がないので、小さなホワイエ兼バーみたいな場所にダンサーやスタッフが出てきます。バレエ団も少人数だし、出待ちしているのはダンサーの直接の知り合いが多いし、とってもアットホーム。おかげでダンサーや、あと、ジョンともいつもより身近な感じで接することができて、ちょっと嬉しかったな♪

このくらいこじんまりした会場だと、演じ手と観客の関係が非常に親密で、一緒にいい舞台を作っている感じがします。そしてここのお客さんはとてもマナーがよかった。舞台を観るときの集中力が高いです。ダンス系の会場と聞いていたので客層はうんと若いのかと思ってましたが、会員席のようなところには60代くらいの方々も。そしてバレエをやっていそうなお客さんもたくさんいらしてました。ABTから、ラトマンスキーが奥さんと来てましたし、あと、あのシムキン君にも会いましたよ!可愛かったなあ。彼のお兄さんは、昔ハンブルクバレエのコールドに居たんですよね。

もっといろいろ書きたいことがあったような気がするのですが、何だかまとまらないのでこのへんで。次のハンブルクバレエ鑑賞は5月下旬、ニジンスキーの予定です。キャスト、過去に発表されていたものから、変わっていませんように・・・。

2017/4/5追記:ピアニストの名前が分かりました。Michał Białkという方。 http://michalbialk.com/en/
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