凝視する紅い眼玉の閃光は夜を開くよグランギニョール
影法師黄昏時に現れて君を隠すよ漆黒の男（ひと）
薔薇色の地獄の底で眠ってるヘリオガバルス享楽の夢
月見草君を照らして万華鏡白き顔恍惚の眉
寝台の上で独り泣いている君は宇宙で一粒の鉱石（いし）
一片の桜花薫れど君の肩はらりと降りて春眠淡し
君の手はいつも冷たく僕の眸（め）に目隠しするよ蓮華のように
朦朧と歩けども君夏に溶け朝顔の碧（あお）白熱に添う
熱病の陽炎燃ゆる線路にて風に揺れるは白亜の帽子
ヒアシンス月に微睡（まどろ）む花園で永遠を知る水晶（いし）と一緒に
拙いものたちですが、「水晶少年カタルシス」という題で作った５０首の中の１０首です。
ログインしてコメントを確認・投稿する