いま必要なのは物証かなあ

籠池氏の喚問結果が「私が贈賄し、安倍首相が収賄した」だったならば氏から発言とともに関連する証拠が出されただろうが、
実際には「安倍首相夫人から首相名義で寄附金は貰ったが贈収賄はない」だからなあ。
ここで首相夫人を喚問しても対立しうる点は寄附金の有無だけで贈収賄は争点になるまい。
寄附金の有無を立証しても疑獄には繋がるまいし、事情を聴くべきはむしろ国有地売買を担当した官僚のほうだと思う。

まあそこは参考人招致をやる方向で与野党一致しているようだし、今後の展開待ちかな。

首相の汚職を追いかけたいならばその辺の証言と、あとは証言の真偽を裏付ける物証かな。
何か決定的な物証が出てくれば首相の退陣にもつながるかもしれないが、
それがないことには単に首相の交友関係を出汁に印象下げをやっているだけになるからなあ、
野党の諸先生方はその辺きちんとやってくれ。

疑惑は疑惑として存在するだけで疑われている側には印象が下がるという不利益がある。
だから疑われている与党側が早期の火消しを図るは必然のこと。
疑惑が事実無根ならばやっていないことの証明は難しく、基本的にやったという証拠がなくばやっていないという話になる。
そして疑惑がその通りならばもちろんその証拠が必要だ。

ゆえにやったという証拠探しが解決のために必要なのだが、
そんなものがあるならば与党は隠そうとするだろうし（それではいかんのだが）
疑惑を立証できるのは野党な訳だが、それには証拠が不可欠な訳だ。
それなのに与党側がemailの内容を公開しようとした時に反対とか、喚問はしたいのに裏付けは要らんのかと。



私は目下自民党支持者で、また政治家が清廉である必要はないとも思ってはいるが、
しかし実現してもらいたい政策を一番実現してくれそうなのが自民党というだけで別に自民党が好きな訳ではない。
自民党は同時に私にとって実現してほしくない政策をも掲げているので、
野党にはある程度ブレーキ機能を担ってもらえるよう期待したい訳だが、今の野党はどうにも頼りなすぎる。

籠池氏喚問で"期待通り"の結果が得られなかった以上、詰めるには何が必要かという部分を考えて行動してほしい。



というかそもそも今回の件については、初めから国有地売買のみに焦点を当てて、
教育勅語だの寄附金だの詰めても何にもならないところで騒ぎ立てていなければもっと早く話が進んだと思っているのだがな。
（この辺は以前の日記や呟きでも散々ぼやいたが）

核心に迫らない話を国会に持ち込んで話を大きくするから相手（自民党）も大きな手段で対抗してくる。
騒ぎを大きくすれば政権に打撃を与えられる、という発想ではなくて、
物事の核心は何なのかという発想に基づいて、攻め切れるポイントを攻めて欲しい。



なお余談、籠池夫人emailに登場した辻元清美氏の話については、ちょっとどうだかなという気はする。
辻元氏も議員な訳だし、建造物侵入とか人を送り込んで云々とか、そんなリスクの大きい行為をするだろうかという疑問はある。
籠池夫人の拡大解釈ないし思い込みのような気がする。
気がするだけで根拠はないが、やったという根拠もなさそうだしな。
あんまり脱線するのは好ましくない。



■自民、昭恵氏喚問を拒否＝民進要求に「必要ない」
(時事通信社 - 03月24日 17:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4493486