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2017年03月24日01:24

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環奈ちゃんは悪くない、むしろ良すぎたのが問題

いまから1年前、話題にはなり、主演の橋本環奈自身も歌番組に出ては宣伝しまくったにも関わらず大コケした「セーラー服と機関銃−卒業」をチャンネコで見る。
81年の薬師丸ひろ子は星泉そのもので、赤川次郎が薬師丸をイメージして書いたと言うだけの仕上がりやっただけに、それと比べてどうなのか。
環奈ちゃんに与えられた課題、立ちはだかった壁はとてつもなく高く、やはり作品のクオリティでは一歩も二歩も劣る出来になっていた。

細かいことは省くとして、いちばん気になったのは環奈ちゃんの芝居。
千年にひとりの美少女として売り出された頃と比べ、いまの環奈ちゃんはかなり残念なことになっている。
残念ってのは、13歳のあの子がそのままの形で成長しなかったという意味でやけどね。
バストアップ、もしくは顔だけを映すとやはり完璧に美しい。
しかし、それだけに太い声とちんちくりんな体に太短くてまっすぐではない脚が気になる。

あの顔にはモデルみたいな体がついてないとおかしい。
たとえていうとするなら、白鳥麗子の頃の松雪泰子様とか、いまなら佐々木希みたいなね。
が、しかし、それは環奈ちゃんがモデルであった場合で、女優として見ればむしろいまのほうがリアリティがあり、そこにこそエロスも存在する。
これは土屋大鳳と同じ。

熟女AVで人気があるのは、年に似合わないきれいな体の女優より、顔はえらくきれいなのに、体は微妙に崩れた女優。
エロスはリアリティの中にあるってのを、その女優たちと同じように環奈ちゃんは証明している。
つまり、環奈ちゃんはお人形さんでもモデルでもなく、生身の女、ひとりの女優として画面の中に居る。
その環奈ちゃんがじつに達者でこなれた芝居をしているもので、セーラー服と機関銃という異質な組み合わせが違和感なく融合してしまっている。

薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」は、薬師丸のたどたどしい芝居が、組長の立場に自分を置くことのとまどいと重なり合っていたのが大ヒットの要因。
そのへんは、のちにアイドル映画の名作を連発した相米慎二ならではの手腕なんやろけどね。
ところが環奈ちゃんの場合、演技が自然すぎて、まるで子供のときから親分になるよう英才教育を受けてきたかのような迫力がある。
運命に翻弄されるのが薬師丸ひろ子の星泉やとしたら、環奈ちゃんの星泉は自ら運命を切り開いてしまっている。
環奈ちゃんの星泉には戸惑いやためらいがなさすぎるんよねえ。

芝居が出来すぎるせいで役柄の魅力を削いでしまっているんやから、映画の不評も不入りも環奈ちゃんのせいではない。
でもまあ、家で酒飲みながら見るにはちょうどええかな。
相米慎二の盟友の柄本明が薬師丸版では刑事役で出てるんやけど、必要なのかどうだかわからんとこでちょこっとだけ柄本時生が出てくるのは、前作へのオマージュなのかと思えばすこしだけニヤリとできる。
環奈ちゃんの同級生役、太ってるほうは漫才コンビまえだまえだの兄ちゃんのほうの前田航基で、男前に育った弟の旺志郎とはまったく違うけど、逆に貴重なコメディリリーフとして多用されてて、将来が楽しみやね。
じつは環奈ちゃんとは2011年の「奇跡」以来、二度目の競演。
もうひとりはみんな同じ顔してるからどれがどれだかわからない笹野高司の4人息子のどれか。
あと、銃撃戦から逃げ出すとき、軽トラの荷台に乗り込んだ環奈ちゃんの白パンツが盛大に見えるし、そんだけで見る価値はあると言えるかもな、ぽてちん。

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