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2017年03月23日00:22

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新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝先生より

新しい歴史教科書をつくる会の藤岡信勝先生より

中学校の歴史教育で、「聖徳太子」が復活した。文部科学省が2月に公表した中学校の次期学習指導要領改定案で、現行の「聖徳太子」を「厩戸王(うまやどのおう)」に変更したことについて、文科省が現行の表記に戻す方向で最終調整していることが関係者への取材で分かったとして、20日付けの産経新聞が伝えた。

 2月14日、改定案が公表されてから、私たち「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーは直ちに行動した。役員会を開き、断固として闘うことを決定した。理事で、この問題の専門家である高森明勅氏を講師とする検討会を開いた。私は産経新聞に依頼して、正論欄に書かせてもらった。何年ぶりだろうか。「聖徳太子を抹殺する指導要領案」と題する拙文は、2月23日付けの産経新聞に載った。櫻井よしこ先生も、『週刊新潮』にこの問題を書いて下さった。

 つくる会は声明文を作成し、FAX通信で流した。ネットからこの件について意見を書いている人の文章を借用して、資料集を作った。パブリックコメントをするときの参考資料である。国会議員に対しては、会の声明、高森氏の解説文、資料集をセットにして封書で送った。こうした働きかけもあって、心ある人々は一斉に動き出した。

 聖徳太子以外のその他の問題、公民的分野の問題もある。それらを含め、あらためて会の見解をもう一度まとめ、3月7日、文科大臣に申し入れた。そのあと、文科省記者クラブで記者会見を行った。朝日の記者は熱心に質問したが、翌日の朝刊で記事にしたのは産経だけ。「つくる会『聖徳太子守れ』 指導要領案変更取りやめの要望」という見出しがついていた。産経は社説でも、聖徳太子問題を取り上げていた。

 3月15日、文科省のパブリック・コメントが終了した。その直後から16日までの間に、文科省が歴史用語の変更は断念したらしいとの情報を私は得ていた。22日には自民党の文科部会が行われる。この場に文科省の担当者を呼んで、問い詰めることになっていた。新聞はこの時の文科省側の回答をもとに記事にするだろうとよんでいた。それより一足先に報道された。ともかく、この問題で行動し協力したすべての方々に心よりお礼を申し上げる。ありがとうございました。、

 ただ、産経の記事で気になるところがある。「文科省は小中ともに聖徳太子の表記に統一し、中学では日本書紀や古事記に『厩戸皇子』などと表記されていることも明記する方向で調整している」と書かれている。歴史上の特定の人物の呼称について、出典まで引用して別の呼称も書くように学習指導要領で強制するのはかつて例がなく、話が細かすぎる。文科省は未練がましく「厩戸」の文字をどうしても残したいようだ。日本国家誕生の物語を否定する将来の改訂の足がかりを残そうとしているかのようで、賛成できない。この話は朝日新聞にも出ているから、文科省側から意図的にリークしたのかもしれない。

 このほかにも、目標の記述の仕方や、公民的分野の問題はどうなるのか、3月末の文科大臣告示で公表される改訂学習指導要領から目が離せない。

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