知念実希人 先生が贈る新感覚メディカル・ミステリー。第5巻は天才女医“天久鷹央”が
人込みで体が腐る男、特別な治療で若返る老女、そして移植を阻む奇蹟の謎を診断します。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)
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http://shinchobunko-nex.jp/books/180090.html 】
「雑踏の腐敗」では夢を抱いて上京してきた“辰馬”が渋谷にいる人の多さに圧倒された
かと思えばオカルトじみた現象に直面してほぼ引きこもり状態に。そこそこの人通りなら
大丈夫なのになぜ渋谷はダメなのか。意外な理由を探り当てる“鷹央”の診断が冴えます。
「永遠に美しく」では相談者“美奈子”の母が明らかに若返っている写真を見せつけられ
俄然、鍼灸院を営む“秋源”が施術する「若返りの治療」に興味津々。もちろんそこには
裏があるのですが、元々の発端にはフェイクが仕込まれていたのにはしてやられました。
「聖者の刻印」では医療不信と、預言者なる人物の言葉を理由に娘“里奈”の骨髄移植を
認めない母親をどう説得するか。トリックを暴くだけでは解けない宗教の壁をどう崩すか、
患者のことを第一に考える、“鷹央”の成長ぶりが嬉しく感じられる内容でありました。
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