先日、マイミクのキリシマさんのつぶやきから、以下のようなNAVERまとめが有る事を知った。
○やっちゃったのね、第二次大戦!
https://matome.naver.jp/odai/2138632036451261401
キチンとした史料を元に、所謂ネット右翼と呼ばれる人たちの主張を粉砕してるなかなか良いまとめです。実は自分も近ごろ、mixiにてネット右翼を相手にしていたので、非常に共感させられました。
また慰安婦問題については、当方の死角であった視点や認識の間違いなどをキチンと指摘されており、非常に勉強になる良いまとめであったと思います。勿論彼とて人間ですから、パーフェクトと言うわけではない。一部間違った事も主張している。
例えば、ハルノートがコーデル・ハル国務長官の個人的な覚書であるという指摘は間違いと言えるでしょう。おそらくはハルノートと言う名称からそう思い込んでしまったのだと思いますが、ハルノートという名称は日本側が勝手につけたものであって、アメリカ側はそんな呼び方はしていない。
日本に手交された文章には11月26日米側提案と記されているし、アメリカ側では「基本原則案」と呼ばれていた。所謂ハルノートには、「基本原則案」と「暫定協定案」が有り、「暫定協定案」は日本の乙案とほぼ同じ内容。
少し脱線しますが、ハルノートは日本の乙案に対する拒否として提示されたわけであますが、では日本の乙案とほぼ同じ内容の「暫定協定案」を用意していたアメリカが何故乙案を拒否したのかと言えば、“ほぼ”同じと言うだけであり多少の違いが有り、その違うの部分が拒否せざるを得ない内容だったのです。
乙案には、アメリカが絶対呑めない「対中支援の停止」が含まれていたからです。乙案は東郷外相が原案を提唱したものですが、陸軍によってアメリカが絶対に呑めない条件を付加されてしまったのです。もうこのころ(S16年後半)には陸海軍はアメリカと戦争をするつもりでおりましたので、むしろ交渉が妥結するのを嫌うようになっていたのです。
更に少し脱線して、所謂コミンテルン陰謀論ではソ連のスパイであったハリー・ホワイトによりハルノートが作られたということになってますが、ハリー・ホワイトがソ連のスパイではなかった事は須藤眞志教授の研究により明らかと言ってよく、またホワイト氏の力作として財務省から「ホワイト・モーゲンソー案」として提案されたのも確かですが、ハル国務長官によれば参考にはしたという程度であり、事実としてその内容は史実のハルノートとは別物です。
閑話休題、ハルノートはとどのつまり合衆国国務省の制作した正式な提案であって、コーデル・ハル氏の個人的な提案ではないのです。そしてルーズベルト大統領は「基本原則案」と「暫定協定案」の2つを提示するか、「基本原則案」のみを提示するかをギリギリまで迷っており、日本の東南アジア侵攻船団発見の報により、「基本原則案」のみの提示と決断しました。
つまり大統領の指示で提示された正式な提案であり、ハル国務長官の個人的な思惑と言うわけではないのです。
またフォーゲルの翼氏の視線は個人レベルの視点に終始しており、国家レベルの視点を欠いているきらいがある。特に日韓関係における考察でそれが顕著に表れており、「国家は国益によって動く」という基本原則を無視している傾向が強い。
所謂ネット右翼の連中からしたらフォーゲルの翼氏は「ブサヨ」にカテゴライズされるのでしょうが、私が思うに所謂リベラリストに分類される人でしょう。
だた少し残念なのは、この人どうやら「日本会議陰謀論」を信じちゃってるみたいなんですよね。他の所が良いだけに、そこだけは本当に残念としか言いようが有りません。
ただ、そう言う点をきちんと認識したうえで見るならば、上記のまとめは非常によくできていると言ってよい、傑作でしょう。
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