今日の出来事：１８６３年−長州藩士・香川助蔵暗殺事件、１８６８年−戊辰戦争：偽官軍事件「追分戦争」、１９０４年−日露戦争：第四次旅順口攻撃、１９０５年−日露戦争：奉天会戦、１９４５年−東京大空襲、平空襲、１９７４年−ルバング島で小野田寛郎少尉を救出
今日は、長州藩士・香川助蔵暗殺事件です。香川助蔵は、長州藩の佐幕派でした。公武合体による幕政混乱を回避しようとしていました。１８６３年３月１０日、この香川助蔵を長州藩の尊皇攘夷派の勝木又三（２２）、楢崎仲輔（２３）、松浦富三郎（２３）、中谷彪次郎（２１）が京都日ノ岡で襲撃して暗殺しました。享年２２でした。４月２４日、この４人全員が京都河原町の長州藩邸で自刃しました。
次に、戊辰戦争：偽官軍事件「追分戦争」です。隊長・相楽総三、公家・綾小路俊実を盟主とする「赤報隊」本隊は、新政府の許可を得て東山道軍の先鋒として各地で「年貢半減」を宣伝しながら、世直し一揆などで旧幕府に対して反発する民衆の支持を得ました。しかし、新政府は「官軍之御印」を出さず、文書で証拠を残さないようにしました。そして、新政府は財政的に年貢半減の実現は困難であるとして密かに取消し、年貢半減は相楽総三らが勝手に触れ回った事であるとして、公家・高松実村を盟主としていた「高松隊」とともに偽官軍の烙印（３月３日付け「回章」）を押しました。そして、新政府は「赤報隊」を呼び戻す命令を出しました。二番隊（隊長・鈴木三樹三郎）と三番隊（隊長・油川錬三郎）はこれに応じて引き返しました。相楽総三が率いる一番隊は、さらに進軍して信濃国へ進むと、中山道と甲州街道の分岐点である下諏訪宿を拠点としました。そして、要衝・碓井峠を押さえました。新政府軍は信濃各藩に「赤報隊」逮捕の命令を下しました。３月１０日、「赤報隊」は追分宿で小諸藩などに襲撃され、惨敗しました。
その次に、日露戦争：第四次旅順口攻撃です。第一軍の上陸を援護するため、旅順港の第四次攻撃が企画されました。１９０４年３月１０日の未明、第一駆逐隊が旅順口に進出するとマカロフ中将も駆逐艦６隻を繰り出して海戦となり、双方に被害が出ました。続いて旅順口に達した第三駆逐隊もロシアの駆逐艦「レシーテリヌイ」、水雷艇「ステレグーシチイ」と戦闘となり、「ステレグーシチイ」を無力化した後に捕獲を試みましたが、ロシア巡洋艦「ノーウイック」と「バヤーン」が港外に出動してきたため曳航を諦めて撃沈しました。１０時頃より第一戦隊が３隻づつに分かれて間接射撃を行いました。ロシア側は、干潮のため港口を通過できず、出撃できませんでした。この間接射撃により戦艦「レトヴィザン」に一発の砲弾が命中し、その他の艦船や砲台にも被害が出ました。日本陸軍は予定通り、１０日に第１軍主力（近衛師団、第２師団）を平壌近くの鎮南浦へ上陸させました。以後、平壌で第１２師団と合流して北上を開始しましたが、前進速度と悪路のために補給が困難となり、制海権も確保されていたため、３月末には補給ポイントを義州南方・鉄山半島の望東浦および梨花浦に前進させました。
その次の次に、日露戦争：奉天会戦です。奉天会戦は、日露戦争最後の会戦です。奉天は現在の中華人民共和国遼寧省の瀋陽です。双方あわせて６０万に及ぶ将兵が、１８日間に亘って満州の荒野で激闘を繰り広げました。世界史上でも希に見る大規模な会戦となりました。しかし、この戦いだけでは「日露戦争」全体の決着にはならず、５月の「日本海海戦」の結果を待つ事になります。参加兵力は大日本帝国陸軍２４万人、ロシア帝国軍３６万人、指揮官は日本軍・大山巌、児玉源太郎、ロシア側はアレクセイ・クロパトキンでした。日本軍は国力の限界を超えて、軍に補給を続けました。また、ロシア軍を追って満州の奥深くへ進撃を続けたため、兵站の維持や兵力の補充はさらに困難になり、「旅順攻囲戦」の激しい消耗を経て戦争の継続自体が危うい状況になっていました。１９０５年３月、満州軍首脳は奉天で増援を待つロシア軍に対して、日本軍有利の内に講和を結ぶため、賭けとも言える総力戦を挑みました。大山巌は「本作戦は、今戦役の関ヶ原とならん」と訓示し、その決意を将兵たちに示しました。日本軍は、３月１日を期して奉天に対する包囲攻撃を開始しました。作戦当初、日本軍は陽動として最左翼の乃木希典の第三軍・秋山好古隊によって、ロシア軍右翼を攻撃させました。この秋山支隊がビルゲル支隊を破りましたが、奉天正面で一進一退となりました。一方、ロシア軍の総司令官クロパトキン大将は、旅順を陥落させた乃木希典の戦闘指揮能力とその揮下の第三軍を高く評価し、大量の予備軍を派遣しました。このため、乃木軍はロシア軍の正面を受け持ちながら奉天へ前進するという苦しい状況になり、ロシア軍の猛攻の前に崩壊寸前となりました。ロシア軍は奉天前面を攻撃する日本軍の第二軍、第四軍、第一軍に対して反撃して損害を与え続けました。３月６日、奉天前面から徐々に計画的に後退を始めました。これはロシア軍正面を中央より第三軍の方へ移す処置でした。このため、ロシア軍側面を攻撃していたはずの第三軍及び秋山支隊は敵正面に対する事になってしまい、苦戦を強いられました。他の前線でもロシア軍が随時反撃を加え、日本軍の被害は徐々に増大していきました。満州軍参謀長・児玉源太郎は作戦全体の方針転換を決め、腹心の松川敏胤少将と図って、第四軍と第二軍に奉天への前進を指令しました。３月９日、ロシア軍の総帥・クロパトキンは、第三軍によって退路を遮断される事を恐れて鉄嶺・哈爾浜方面への転進を指令しました。これは、満州軍総司令部が全く予期しなかった出来事でした。奉天のロシア兵は、まだ余力のある状態で総撤退を開始したと思われたからでした。ここまでの戦いで大きな損害を受けていた日本軍は３月１０日、無人になった奉天に雪崩れ込みました。第四軍はロシア軍を追撃し、２個師団に打撃を与えました。日本側の死傷者は７万でした。ロシア軍の損害も大きく、死傷者９万および捕虜数万でした。鉄嶺までの暫時退却であったはずでしたが、その過程で軍隊秩序は低下し、略奪や上官への背命など軍隊としての体をなさないまでに崩れました。そのため、クロパトキンは鉄嶺も捨てて北へさらに退きました。すぐに日本軍が鉄嶺を占領しました。その後、哈爾浜に逃れたクロパトキンは罷免されました。ロシア軍は「奉天会戦」に敗北しましたがロシア陸軍の２００万人は、まだ半分の動員しか行っておらず健在でした。また、インド洋にはバルチック艦隊が極東への航海の途上で、陸海軍ともに継戦能力はまだ十分にありました。「奉天会戦」勝利の報に日本中は沸き返り、さらに戦争を継続すべしという世論が高まりました。大本営は、「奉天会戦」の勝利を受けてウラジオストクへの進軍による沿海州の占領を計画し始めました。また、４個師団を新編して、樺太へ上陸・占領しました。これを知った満州軍総司令官・大山巌は、満州軍参謀長・児玉源太郎と協議しました。そして、児玉源太郎を急いで東京へ戻して戦争終結の方法を探るよう具申しました。陸軍首脳はあくまで戦域拡大を主張しましたが、日本軍の継戦能力を理解していた海軍大臣・山本権兵衛が児玉源太郎の意見に賛成し、ようやく日露講和の準備が始められる事となりました。この「奉天会戦」の勝利を記念し、翌年に「陸軍記念日」と定められました。
そのまた次に、第二次世界大戦：東京大空襲です。東京大空襲は、「ミーティングハウス２号作戦」と呼称された大空襲です。１６００〜２２００ｍ程度の超低高度・夜間・焼夷弾攻撃という新戦術が本格的に導入された初めての空襲でした。その目的は、市民の生活の場である木造家屋が多数密集する下町の市街地を、そこに散在する町工場もろとも焼き払う事にありました。アメリカ軍の参加部隊は三個航空団で、３２５機もの「Ｂ−２９爆撃機」が出撃しました。アメリカ軍が「東京大空襲」の実施を３月１０日に選んだ理由は、延焼効果の高い風の強い日と予報された事と日本の「陸軍記念日」であるためでした。３月９日夜、アメリカ軍編隊が首都圏上空に飛来しました。日本軍もその行動を探知し、２２時３０分にはラジオ放送を中断して警戒警報を発令しました。ところが、アメリカ軍機が従来の空襲とは異なった航路を採った事から、日本軍は敵機が房総半島沖に退去したものと誤認し、警戒警報を解除してしまいました。そして、３月１０日に日付が変わった直後に爆撃が開始されました。３２５機の出撃機のうち２７９機が第一目標である東京市街地への爆撃に成功し、０時７分に深川地区へ初弾が投下されたのを皮切りに、城東地区にも爆撃が開始されました。０時２０分には浅草地区や芝地区（現・港区）に対する爆撃も開始されました。一部では爆撃と並行して機銃掃射も行われました。爆撃による火災の煙は高度１５０００ｍの成層圏にまで達し、秒速１００ｍ以上という竜巻並みの暴風が吹き荒れ、火山の大噴火を彷彿とさせました。逃げる人々は極寒の隅田川や荒川に飛び込み、多くの人が溺死しました。「関東大震災」以来の大被害となりました。午前２時３７分、アメリカ軍機の退去により空襲警報は解除されましたが、大規模な火災は１０日の夜まで続きました。当時の警視庁の調査での被害数は以下の通りです。死亡：８万３７９３人、負傷者：４万９１８人、被災者：１００万８００５人、被災家屋：２６万８３５８戸、この死者数は、早期に遺体が引き取られた者を含んでいません。また、それ以外にも行方不明者が数万人規模で存在します。死者・行方不明者は１０万人以上と言われています。この空襲で一夜にして、東京市街地の東半部、実に東京３５区の３分の１以上の面積（約４１ｋ�屐砲�焼失しました。この作戦でのアメリカ側の損害は、撃墜・墜落が１２機、撃破が４２機でした。身元不明の犠牲者の遺骨は「関東大震災」の犠牲者を祀った「震災記念堂（東京都墨田区横網の横網町公園内）」に合わせて納められました。このため、「震災記念堂」から「東京都慰霊堂」に名称が改められました。「東京都慰霊堂」では毎年３月１０日に追悼行事が行われています。隣接する「東京都復興記念館」に「関東大震災」と「東京大空襲」についての展示があります。東京都は、空襲犠牲者を追悼して平和を願う事を目的として、３月１０日を「東京都平和の日」とする事を条例で定めました。東京都では墨田区の横網町公園に「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」を設置し、遺族などからの申し出により判明した分の犠牲者名簿を納めています。
そのまた次の次に、平空襲です。「東京大空襲」帰りの「Ｂ−２９」が福島県平市（現いわき市平）を襲いました。「Ｂ−２９」から焼夷弾が落とされ、平市街の材木町、鍛治町、研町、紺屋町、梅本一帯が焼かれました。死者１２名、家屋５００戸以上が炎上しました。
最後に、ルバング島で小野田寛郎少尉を救出です。奉天会戦から７０年、東京大空襲から２９年後、フィリピンのルバング島で小野田寛郎少尉が救出されました。小野田寛郎は、フィリピンのルバング島に１９４４年１２月３１日に着任しました。１９４５年２月２８日、アメリカ軍の一個大隊が上陸後、日本軍各隊はアメリカ軍艦艇の艦砲射撃などで撃破され、山間部に逃げ込みました。小野田寛郎は友軍来援時の情報提供を行うため、部下と共にゲリラ戦を展開しました。１９４５年８月を過ぎても任務解除の命令が届かなかった為、赤津勇一一等兵（１９５０年６月投降）、島田庄一伍長（１９５４年５月７日、射殺され戦死）、小塚金七上等兵（１９７２年１０月１９日、射殺され戦死）と共に戦闘を継続し、ルバング島が再び日本軍の指揮下に戻った時の為に密林に籠り、情報収集や諜報活動を続ける決意をしました。日本では１９４５年９月に戦死公報が出されましたが、１９５０年に赤津勇一が投降した事で、小野田寛郎ら３人の残留日本兵が存在する事が判明しました。フィリピンは戦後間もなくアメリカの植民地支配から独立を果たしましたが、両国の協定によりアメリカ軍はフィリピン国内にとどまる事となりました。これを「アメリカ軍によるフィリピン支配の継続」、またフィリピン政府を「アメリカの傀儡」と解釈した小野田寛郎は、その後も持久戦法により在比アメリカ軍に挑み続け、島内にあったアメリカ軍レーダーサイトへの襲撃や狙撃、撹乱攻撃を繰り返し、合計百数十回もの戦闘を展開しました。これらの戦闘で、アメリカ軍レーダー基地司令官を狙撃し、重傷を負わせるなど、多くの戦果を上げました。地元警察との戦闘では２人の部下を失いました。最後の数年は密林の中、単独で戦闘を続行しました。３０年間継続した戦闘行為によって、フィリピン警察軍、在比アメリカ軍の兵士を３０人以上殺傷しました。１９７４年、一連の捜索活動に触発された日本の青年・鈴木紀夫が現地を訪れ、２月２０日に孤独に苛まれていた小野田寛郎との接触に成功しました。鈴木紀夫は日本が敗北した歴史や現代の状況を説明して、帰国を促しました。小野田寛郎少尉は直属の上官からの命令解除があれば、任務を離れる事を了承しました。このため、３月９日にかつての上司であった秋山義美元少佐より、山下泰文大将名義で任務を解除し帰還する命令文を発行しました。こうして「尚武集団作戦命令」と口達による「参謀部別班命令」で任務解除・帰国命令が下りました。３月１０日、小野田寛郎少尉はこれを受け入れ、秋山義美元少佐にフィリピンでの情報報告を行い、任務を終了しました。小野田寛郎はフィリピン軍基地に着くとフィリピン軍司令官に軍刀を渡し、降伏の意思を示しました。この時、小野田寛郎は処刑される覚悟でした。フィリピン軍司令官は一旦は受け取った軍刀を、そのまま小野田寛郎に返しました。司令官は小野田寛郎を「軍隊における忠誠の見本」と評しました。小野田寛郎の投降式にはマルコス大統領も出席し、武装解除されました。その際、マルコス大統領は小野田寛郎を「立派な軍人」と評しました。小野田寛郎は終戦後に住民の物資を奪い、殺傷して生活していたとなれば、フィリピン刑法の処罰対象になります。小野田寛郎は終戦を信じられずに戦闘行為を継続していたと主張し、日本の外務省の力添えもあり、フィリピン政府は刑罰対象者の小野田寛郎を恩赦しました。小野田寛郎は、帰国の際に「天皇陛下万歳」を叫びました。ＮＨＫで放送された報道特別番組「小野田さん帰国」は４５．４％の視聴率を記録しました。政府は見舞金として１００万円を贈呈しましたが、小野田寛郎は拒否しました。そして、小野田寛郎はこの見舞金と方々から寄せられた義援金の全てを、靖国神社に寄付しました。
今日の誕生日：三好長慶、御木本幸吉、石井桃子、山下清、瀬戸わんや（元てんやわんや）、渥美清、藤子不二雄Ａ、古今亭志ん朝、大空眞弓、大門正明、北村晴男、ウサマ・ビンラディン、鹿取義隆、シャロン・ストーン、熊谷真実、松田聖子、藤谷美和子、森純太（ＪＵＮ ＳＫＹ ＷＡＬＫＥＲＳ）、鈴木大地、博多大吉（博多華丸・大吉）、つぶやきシロー、藤崎竜、藤井隆、山田花子、魔裟斗、杉浦太陽、高橋光臣、ソニン（元ＥＥ ＪＵＭＰ）、米津玄師、はまやねん（８．６秒バズーカー）、永尾まりや（元ＡＫＢ４８）、ビワハヤヒデ、魚座のアフロディーテ、サトノクラウン
今日の記念日：陸軍記念日、東京都平和の日、農山漁村婦人の日、砂糖の日、ミントの日、佐渡の日、水戸の日、サボテンの日、横浜三塔の日、たけのこの里の日、名古屋コーチンの日、クラシアンの日
今日の「今日訓」：本日は、１９０５年に「日露戦争」の「奉天会戦」での勝利を記念して「陸軍記念日」、尾張藩士・海部壮平、海部正秀兄弟によって手掛けられた地鶏「名古屋コーチン」が、その優れた肉質や産卵能力が評価されて１９０５年に日本初の実用品種として「日本家禽協会」から認定された事から「名古屋コーチンの日」、１９４５年の「東京大空襲」により「東京都平和の日」、各地域にある婦人だけの休息日が農閑期の１０日であった事から「農山漁村女性の日」、「さ(３)とう(１０)」の語呂合わせで「砂糖の日」、「ミ(３)ント(１０)」の語呂合わせで「ミントの日」、「さ(３)ど(10)」の語呂合わせで「佐渡の日」、「み(３)と(１０)」の語呂合わせで「水戸の日」、「さ(３)ぼてん(１０)」の語呂合わせで「サボテンの日」、「さん(３)とう(１０)」の語呂合わせで「横浜三塔の日」、「さ（３）と（１０）」の語呂合わせで「たけのこの里の日」、「水（３）トラブル（１０）」の語呂合わせで「クラシアンの日」となりました。
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