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2017年03月02日02:12

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アイドルビジネスの“規制緩和”と、マネージメント資質の低下による弊害。

タレントの警備・セキュリティは、日本人アイドルであろうが外国人アーティストだろうが
特殊な要件と共に相応の経験則がないと、こなすことが大変難しいもの。

他の分野同様あらゆる場面を想定し、そのための多様な情報を駆使しつつ、
如何に柔軟性を持った計画を敷かなければならないか・・であり。

どのようなリスク〜危険が考えられるか、可能性の有無に関係なく先ずは洗いざらい並べる。
当然そこには、対象となる客層や人気の度合い、そして現状での有り様も必須だが、
実のところ、この要素への想像力が最重要・・つまり、直近の「熱度」や
ファンの有り様というのを綿密に把握し分析しておく必要がある。

それを基にロケーションがどうなっているのか、そのロケーションが現状のファン要素と比較して
果たして適当・妥当なものであるのかどうか・・。
不適当または懸念があるとしたなら、それを補填するに辺りどれほどの物的・人的要素で
強固なものに出来るのか否か・・。

本案件のような小さなスケールの催事ではない、対象者数も段違いに多いコンサートの場合、
基本的にこのような考え方で計画を練り始めるし、会場外でのセキュリティもその延長線上で
練っていくというのが、本業のプロモーターなりイベンターなりの基本ワークだ。
そのためのコストは、タレント側プロダクションとて大切な要素ゆえに、出し渋ったり
異を唱えるということは殆ど起こり得ず、寧ろ時に過剰とも言えるほど手厚さを求められる。

ところが本件のように、元来が小規模なプロダクション運営であった場合、
資力的な要件だけじゃなく、セキュリティに対する基本的な知見や柔軟な思考力自体が
備わっていない・・乱暴に言えば「セミプロ」または「アマチュア」な資質にある者が
プロダクションを運営していることが少なくない。

よって、ロケーションやコスト等の要件以前に「素人同然な」スタッフが仕切る以上、
尚のこと不安定な状況で、常に必要以上の危険をわざわざ抱えながら催事を行っている・・
ということが言える。

このような華奢なプロダクション運営を生んでいる理由背景は、
やはり「アイドルビジネスの“規制緩和”」による所が大きい。

記事ににもあるような「タレントとファンの距離感の適正度合い」・・。
タレントセールスは、「如何にファンとの親和や融合を巧みに図るか・・」が肝でもある。
互いの距離感が遠過ぎても、近過ぎても駄目。
なぜなら、セキュリティ要件のことと別にして、「手が届きそうで届かない存在」
という要素があって初めてアイドルタレントが成立するからだ。

この概念を半ば壊しつつ、ファンとタレントとの間の敷居を下げ過ぎた・・
ビジネス要件としてそのように最初から設定し、手軽に売りやすくしたツケでもある、と。
だからゆえ、素人まがいでどこから出て来たかわからないような者が「タレント化」する。

ここに観られるのは「アイドルタレントの飽和」というよりも、アイドルタレントの概念はおろか、
市場そのものを飽和させ、弱体化やクオリティの低下をもたらしていて、
単にアイドル市場だけではなく、「芸能文化市場全体」の劣化をも及ぼしている。

一方で、通常のタレント活動は勿論のこと、日常の生活全てに渡り、
デビュー時からしっかりとした「タレント教育」を仕込む必要が
プロダクションマネージメントにはある。それなくして特殊な市場では機能しないとも言える。

がしかし、経験則の乏しいセミプロがマネージメントしようとすると、
「教科書」自体を持ち合わせていないため、“独学的に”仕込んでしまう。
だからゆえ、時にタレント自身が暴発したり、私生活上のトラブルも頻発してしまうのだ。
このようなことははっきり言って、タレント自身の資質問題というよりも
「マネージメントの不備〜管理不行き届き」によるもの。

この辺りは、老舗と言われる大手プロダクションにある、古くからのセオリーや教則を基にした
徹底的な“スパルタ教育”の様相と比較すると一目瞭然で、なぜ一時代の中で光り輝くのか、
歴史に名を残すのか、その理由が手に取るようにわかる。

それぐらい周囲が周到に作り上げるからこそ、時代のアイドルとして売れるのであって、
即席で短期間に売れたとしても、実質的に売れたタレントとして記憶には刻まれ難くなるものだ。
そしてその反動や脆さによって、こうしたトラブルがもたらされてしまう。

こうなると、単にかけたコストと回収の比率だけで観れば「損益」になるとさえ言えるし、
プロダクション事業による業界内での信頼性を損なうばかりか、
肝心のタレントを「廃人化」させてしまうことにも繋がってしまう。
これではプロダクションとしては「大失格」。

ネット時代の今、かつてのような芸能市場は半ばガラパゴス化し、既存の手法では
セールス自体が図り難くなったことは否定しようがない事実ではある。
しかし、こうした事案が散見されるようになった今だからこそ、
タレントもプロダクションもスリム化し、寧ろハードルを高めた中で生み出す構造にしないと、
ビジネスとして安定的に推移しないばかりか、社会問題の中に組み入れられてしまっては
元も子もない・・夢を売る商売であるはずが、全くそうではなくなる。

この辺を諸々考えると、芸能文化市場を衰弱させているのは他でもない、
アマチュア業界人によるものでもある・・ということだろう。。

■ファンとの距離が裏目に、小金井刺傷事件にみる身近なアイドル警備の難しさ
(THE PAGE - 03月01日 10:23)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=4455626
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