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2017年02月27日18:09

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過去を振り返って(10)

大人のイジメ


お偉いさんの激しい責めは続く
「君には、契約数を上げる新しい施策とか無いのかね?」

営業会議でありがちな上からの質問だ。
そんな施策があれば、すでに実行しているよね・・・とオレは思った。

先輩は「日々思案しておりますが、思いつかず・・・ すみません」と防戦の構えをとる。

すると別のお偉いさんが席を立ち、先輩のもとに歩み寄った。
そして会議資料を丸めて「カラッポですか?この頭は?」と言い
先輩の頭を叩きだした。

先輩は「すみません」の連呼で防戦一方

そして今度は「君の髪型は営業マンらしくないよ」と言って
先輩のモミアゲをグイグイと引っ張りだした。

「すみません、やめて下さい」と先輩は言うが、しばらく続いた。

先輩の髪型は今風のサラリーマンのカットで、他人に不快な思いをさせる感じでは無い。
お偉いさん達と同じ様に七三分けか、スポーツ刈りにしろってか?

ここは学校か?軍隊か? これはもう会議ではない、イジメだ。
テレビドラマで、こんな感じのシーンを見た事あったが、まさかリアルにあるとは・・・。

オレは世間知らずだった。

こんなお偉いさんの酷い仕打ちは、他の先輩社員二人にも容赦なかった
先輩達は言われる事の殆どに、「すみません」か「努力します」で防戦した。

そして最後に課長が、オレが担当する事になる家電量販店の報告した。

それに対し、お偉いさんは課長には何も言わず、酷い仕打ちもしなかった。
ただ一言、「この状況が続くようであれば、おたくとの契約を解消するよ」と
脅し文句を言って、この会議はようやく終りをみた。

オレもその内、こんな体験をしなければならないのか・・・と思うと気が重くなった。


帰りの車の中で「みなさん、お疲れ様でした。厳しい会議でしたね」とオレが言うと
先輩の一人が「だろう、俺達はあの人達の言われるまま、されるままだからね」と答え
「意見なんてしたら、殺されるよ」と言った。

「殺しはしないでしょ?」とオレが言うと
「本当に殺したりしないが、この仕事を続けられなくなるよ、君の前任者がそうだったからね」

「へっ?」 オレは、あっけにとられた。


そして先輩は、オレに前任者の事を語ってくれるのだ。




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