mixiユーザー(id:591226)

2017年02月27日12:47

1697 view

ケント・ギルバートは苦労する

森友学園 知事が不認可に言及
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4450539
-----------
森友学園(塚本幼稚園)といえば教育勅語ですが、これに関連して、
「教育勅語は米国では聖書に次ぐベストセラー」
という何かを飲んでる最中に聞いたらヤバいデマが、ツィッターに出回っています。

もともとは2014年7月21日の次のブログあたりがルーツかと思われますが。

千載くもらぬ歴史は古し「世界で尊重される教育勅語と修身」
https://t.co/9GeLF4bUPY

これをもとにした同年11月3日の次のブログで、堂々とこういう見出しになるわけです。

滋賀県近江八幡市から日本国のリフォーム ブログで言うDay 一級建築士・松井秀夫「教育勅語は米国で『The Book of Virtue』という本になり聖書に次ぐ大ベストセラー」
http://ameblo.jp/matsui0816/entry-11947730805.html

まあ、根拠をかいつまんで言うと、
「レーガン政権下で教育長官を務めたウィリアム・ジョン・ベネットは、日本の教育勅語・修身の研究で有名な小池松次の著書をもとに『The Book of Virtues』という本を著し、『第二の聖書』と言われるほど毎年ベストセラーになり、遂に3000万部を突破した。しかも、この本の各章は教育勅語に謳われている徳目と一致している」
ということらしいです。

読めば分かりますけど、仮に小松の「これが修身だ」の章立てを参考にした可能性は認めるにしても、とても教育勅語がベースとは言えません。
先に挙げたブログにある章立ての比較を見ても、教育勅語と合わせてみたところはかなり牽強付会ですし、その上でも「忍耐」「信仰」は合わせられずじまいです。
しかもこの「The Book of Virtues」って本、主な内容は「ためになる世界の寓話集」らしいんですよ。
これのどこが教育勅語だ。

実際、日本でも訳書が出てますが、その題名は「魔法の糸―こころが豊かになる世界の寓話・説話・逸話100選」です。

そしてよくある「聖書に次ぐベストセラー」の言い回し。
3000万部超え程度で、これはないでしょう。

とまあ、ここまでだけなら笑い話なんですけど。
興味深いのは、ケント・ギルバートによる2015年4月4日の次の記事です。

ニッポンの新常識「日米ともに道徳教育が不十分 戦後「修身」はGHQが禁止」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150404/dms1504041000004-n1.htm

読んで分かる通り、「The Book of Virtues」の原書も訳書も話題にされていますが。
これ、先述の2ブログを(つまり「教育勅語は米国では聖書に次ぐベストセラー」説を)援護射撃するつもりで書いてるフシがあります。

だって、限られた文字数の中で、前半でわざわざ「3000万部程度で『聖書に次ぐ』のかよ!」に対する予防線を張っている。
よくある「お前は誰と戦っているんだ」というヤツですw
それだけ頑張っても、最後には

>そもそも原著が、日本の修身の教科書のまねだという噂もある。問題はどちらが先かではなく、日米両国とも道徳教育が不十分だという現実だ。

という結論になってしまう。「噂」ですよ、「噂」。
教育勅語のキョも出せませんでした。

だいたいこのケント・ギルバートというひと、ネトウヨの方々が喜びそうな発言で「テキサス親父」に近いポジションを占めてますが。
どうも商売でやってる部分が、大きいと思えるのですよね。
本来はそこそこ頭も回るので、ついウッカリと「蓮舫の二重国籍疑惑で騒ぐのは差別じゃないか」とか「外国人の政治活動が禁止されているのというのはデマ」とか、真っ当なことも言ってしまう。
だから、彼の「お得意さん」であろう「教育勅語は米国では聖書に次ぐベストセラー」説を支持するひとが喜ぶ文章を書こうとしても、その結論は出せない。
ケント・ギルバートという名前を背負った自分を、そこまでアレな人間にはできない。

苦労しますねえw
7 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する