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2017年02月25日18:56

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Mirlard!(ミルラード) 第10話 Gilles de Rais(ジル・ド・レイ)を愛する者たちへ その1

今回は、自分で考えたファンタジー系の物語を書こうと思います。



ここ数ヶ月の間、グリュックの町では少年の誘拐が相次いでいた。
このままではいけないと思い、国王もようやくその調査に乗り出した。
そこでロアたちも町に出て調査をするよう依頼された。
「私は良いとして、他のみんなが危ないんじゃないか心配だわ。」
ローランは心配そうに話していた。それでロアは、
「たぶん大丈夫だよ。いざとなったらみんな闘えるし。」
「平気だって。そんなヤツが来たらぶっ飛ばしてやるよ!!」
レオンは威勢よく言った。
「そうね。それなら安心だけど。」
ローランは言う。
「みんな一緒でも調査にならないから分かれてやろうか。」
そんなフィムの提案にみんなが乗った。そこでみんなはバラバラになって
聞き込みなどの調査を行った。レオンも調査を行っていたのだが、
後ろから何か気配がする。そう感じたレオンは後ろを振り向くが何もいない。
何事もなかったかのように調査をするが、しばらくして、やはり何か
気配がする。再度、後ろを振り返るといきなり鼻に何かを押し付けられた。
心地よい香りがして急に眠くなり、その場で倒れ込んで眠ってしまった。

数時間後、レオンは目を覚ました。気が付くとどこかの地下室に
閉じ込められていた。そして、手は後ろ手に縛られ、左足は、
鎖でつながれていた。レオンは何がどうなっているのか分からなかった。
ふと、右を向くと、少年たちの生首が棚の上に並べられていた。
「げぇっ!!な、何だこれは!!」
レオンはこれを見て青ざめた。そこへ地下室に1人の老人が入ってきた。
「やあ、お目覚めかね。」
「あんたは何者だ!?これは一体どういうことなんだ!?」
「私はこの城の主でグリードと申すものです。」
「城の主?ここは一体どこなんだ?」
「ここはエルトラント城の地下室です。私がここにあなたを
連れてきたのですよ。」
エルトラント城とは、グリュックの町から30km離れた所にある城で
グリュックの町からは国王の住むグリュック城に次いで距離が近い
城で回りは小さな森で囲まれていた。
「エルトラント城だったのか…。しかし、俺をここに連れてきて
どうするつもりだったんだ?それに、あの子供たちの首は…。」
その時、レオンは気付いた。グリュックでの誘拐の犯人がこの老人だと
いうことに。
「そうか、お前がグリュックでの誘拐の犯人なのか。」
「ああ、そうだよ。こうやってお前さんみたいに男の子を連れてきては
殺していたんだよ。そして、特に可愛い男の子はこうして首を切り落として
飾っていたんだよ。生首のコレクションだ。」
レオンはその時思った。とんでもないやつに連れてこられたものだと。
「ああ、君も可愛いねぇ。私の生首のコレクションに加えさせてもらうよ。」
そう言って釘の付いた木製のバットを手にしていた。

「えっ、ちょっと待て!!」
そして、クリードは、木製のバットを振り回し、レオンに襲い掛かった。
左足に付いた鎖は長かったので、避けるには充分な長さだった。
そして、巧みなフットワークでクリードの攻撃をかわしていった。
時には、クリードの足を引っかけて転ばせたりもしていた。
だが、すぐに起き上がり、またレオンに襲い掛かった。このようなことが
10数分続いていたが、レオンが少し油断してしまった。そこへ
クリードが、レオンの頭をバットで殴った。レオンの頭から血が噴き出し
のたうち回っていた。そして、クリードはようやくレオンを捕まえた。
「へへへへへ。やっと捕まえた。さあ、覚悟しな。」
クリードはバットを捨ててナイフを持っていた。そして、レオンを
刺し殺そうとナイフを構え、レオンの顔を見つめた。
「だめだ、このままではやられる!!」
レオンは心の中でこう思った。だが、一向にクリードはレオンを刺す気配が
なかった。しばらくして、クリードはナイフを床の上に落としてしまった。
「おい、どうしたんだ?やらないのか?」
「だめだ、できない、できないよ…。」
そう言ってクリードは涙を流し始めた。
「君は12歳で死んだ私の息子に似ているんだよ。本当にそっくりだ。
とても殺せないよ…。」
「12歳だって、俺と同じ年じゃないか。」
「そうだったのか。妻が死んで、1人息子が死んで、この悲しみをどうする
こともできなかった。だから、男の子を誘拐しては殺して、首を飾って、
こうして悲しい気持ちを慰めようとしていたんだ。」
「そうだったんだ。でも、人を殺したって何にもならないぜ。あんたの
奥さんも子供も悲しむだけだぜ。」
「そうだよ。そうなんだよな。」
「俺で良かったら、話を聞くよ。」
「そうか、すまないな。殺そうとしていたのに。」
それから、クリードはレオンの傷の手当てをして今までのことを
レオンに話した。

その2に続く
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