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2017年02月19日02:07

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北の正男さん(北野マサオさんではない)

金日成さんから金正日さんに王座が受け継がれ、世襲王朝を立てた以上、初めは正男さんが太子だったと思うのだが、その座から外れた事情は何だったのだろうな。

正日さんからの評価に基づく廃太子だったのか、
閨閥によるものか(正男さんの母親は正哲さん、正恩さんの母親とは異なる)
はたまた自らの意思で下りたのか。

正男さん自身の発言に世襲王朝を批判するものがあるが、
後継者争いに敗れた上で政敵や体制への批判として言ったものか、
その言葉通りの思想に基づいて太子の座を下りた上で意思を語ったものか知らないので何とも言えない。

中国あたりは、もし北に政変でもあって正恩さんが椅子から転がり落ちた際には、正男さんを旗頭に立てて傀儡政権でも樹立するつもりで手許に保護していたのじゃないかとは思うけどね、正男さん自身がどう思っていたかはよく知らない。

仮に自らの意思で太子の座を下りたのだとしたら、その後の発言から見て、北の王家の地位は結構危ういのだろう。
もはや恐怖政治をしなくては王座を保てないくらい王家の威信は落ちているのかもしれない。
過去のいろいろな国で似たようなことが起こっているが、その行き着く先はだいたい変わらない。その最も有名だろう例を借りて言えば、商の紂王な訳だ。
実際に三代目の正恩さんは国の重臣をつぎつぎに処刑しているとか。それも時に大砲の的にするような惨たらしいやり方だそうで、紂王の轍を着実に辿っている印象。
これが正男さんの廃太子の経緯を語るものではないが、正男さんには若しかしたら金家の王座に紂王の未来が見えていたのかもな、とか想像してしまう。尤も、それで太子を下りて紂王になるのは避けられたものの、結果的に周の文王みたいになってしまった訳だ。いや、正恩さんとの関係を思えばあるいはホンタイジにおけるマングルタイみたいなものかもしれないが(マングルタイに関しては急死ではあったが暗殺か否かは分からない)
何れにせよ正男さんの不幸は斜陽の王家に生まれたことで、あまり働かなくても食っていけたり、複数の土地に複数の妻子がいたりといった生活は王族ゆえの特権だったとしても、その血筋ゆえに命を狙われたらしいことは、王族ゆえの不幸だっただろう。

しかし、これ正男さんの遺族も危ういかもしれないな。

血筋を根拠に権力を握った者は、同じ血筋を最も恐る。
それは古来変わらない話で、正男さんが北による暗殺だとすればこれもまたその原則によるものだろう。
先のホンタイジの例でいえば、ホンタイジの兄や従兄弟の一族はかなりの数殺されたり身分や財産を没収されたりしている。
その原則に正男さんの例も従うならば、正男さんの子供もまた正恩さんの恐るるところとなるかもしれない。そうなるとアミンやマングルタイの一家みたいに正男さんの遺族もつけ狙われるおそれがある訳で、その点は多少、心配だね(心配が多少程度なのは、私とは縁も所縁もない人物だから、そこまで心配するだけの思い入れがない。リスクとしては多少どころではないとは思うが、正男さん自身とは違って最優先目標ではなかろうし、中国やマレーシアとの間に国際問題を起こす危険を恐れて手を出さないかもしれない)

それにしても、北は危ないな。
幾ら仲のいいマレーシアだからといって、その国内で重要人物を暗殺すれば国際問題になる可能性があろう(マレーシアが黙認していた可能性も否定はできまいが、マレーシアにとって体裁の悪い話でもあり、可能性はあまり高くないかも)
正男さんの死が暗殺とすれば、あの魔人ブウか人造人間19号みたいな風体をした北の国王にはその危険を冒してでも己の権力基盤の安定を図る必要があった訳だ。
加えて重臣の粛清。
これ本当に末期的だと思う。
力で押さえ込まないと権力を維持できないのだろう。
だが押さえ込み続けると不満は蓄積し、どこかで暴発するよ。
どこかでガス抜きしないといけないが、その点中国は外に敵を作るなどして上手くやっていると思う。米国も多少その嫌いはあるかも(米国が外に敵を求めるのは経済的な目的が主の気はするが)しれない。だが北は米中と違って市民が餓死するレベルで困窮しているようだから、そんな程度ではほとんどガス抜きにはならないだろう。近々、内部から瓦解するのではないかと、希望的観測かもしれないが思っている。
ただ怖いのは基本的に正日さんも正恩さんも己の権力維持のためならば何でもするようで、切羽詰まった末の悪あがきに何するか分からないところがある。とんでもないものをぶっ放す危険もないとは言えない訳で、そうなる前にさっさと内部から瓦解してほしい。



なお余談、自明のことかもしれないが一応書いておくと、劉邦がやったように重臣の粛清は一族の権力基盤を安定させる効果があろう。ただ、それは一族の王統、皇統が未確立だった場合で、劉邦はともに秦を倒したという意味では自身と変わらない功績を持ち、かつかつては同僚や上司ですらあった者たちがそれを根拠に力を持ち、皇統を危うくする可能性を摘み取った訳だ。
これには代償をも伴い、劉一族は皇統の確立には成功したが臣下の権力は常に外戚独り勝ち状態となった。重臣の維持と国力の休養に努めた文帝景帝の例外はあるにせよ、漢朝は基本的に皇帝の代替わりの度に外戚の専横と失脚とに苛まれることになる。
金氏においては、既に王統は一応の確立を見ており劉氏の状況とは事情が違う。日成さんの頃に劉氏やスター☆りんの如く粛清は行ったが比較的緩やかで、特に抗日時代からの同志に対しては失脚はさせたが命までは奪わなかったり、時に要職に復帰させたりして、自身の直系に権力を集めつつも人材払底や一極化を起こすには至らなかった。
この点、日成さんは独裁者ながらも英明だったと思う訳だが、子の正日さんは王位を継いだ後、父の代の功臣を一族含め大勢処刑して人材を喪った。これは権力を己に集中するという目的においては最も効果的な手段だと思うけど、国の礎が人材にある以上、国の経営としては悪手と言わざるを得まい。日成さん時代から既に北の孤立は始まっており北が今の窮状に至った発端はそれではないかもしれないが、その後も正日さんの第一の関心は己の権力を如何に保持するかだったようだし、そういう状況では臣下の関心も如何にこの暴君の下で我が身を保つかに集中してしまう。国の窮状が国王、臣下いずれの関心としても二の次になった結果、正日さん時代には孤立をどうすることもできずに事態の悪化を招き、民が食うや食わずの状況が常態化することになったのじゃなかろうか。
で、今だ。
状況がここに至ると、さすがに市井には怨嗟の声が満ちているのかもしれない。そうなるとまた革命が起こる可能性も出てきて、国の指導部も事態を座視してはいられまい。そうして国の窮状への関心は高まる。窮状を招いた金一族の求心力は下がる。
加えて、北はその実態はさておき、建て前上は世襲を否定している。表向き共産主義の革命政権であり王朝ではないからな、体裁としては前指導者の息子がたまたま最も優れた資質を持っており後継者に選ばれたという形をとっている。
が、状況が窮まればこの正恩さんが最も優れた指導者ですなんて話には疑問符が付かずにはいられなくなる訳で、中にはそれを根拠に権力交代を図る重臣が出るかもしれない。その辺を抑え、何より権力の保持を第一に考えれば、そのおそれのある重臣の首を刈り取るという方策は実に理に適っている。それが国の寿命を縮め、権力寿命を縮め、崩壊が平和裡に起こるのではなく血に塗れたものとなりうる自転車操業だとしても、その場凌ぎには最も効果的だろう。
その場凌ぎの後、権力崩壊までに何らかの起死回生の手を打てれば事態は好転する可能性はある。ただ、一般に人材を喪うほどにそんな手を講ぜられるブレインはいなくなる訳で、可能性は小さくなる一方だろう。
正恩さん、そう遠からぬうちにあまり平和的でない方法で権力を喪う気がするな。
それがいつになるかは分からないが。



うーん、暇(今電話番の仕事中で、電話がある訳ではないので手持ち無沙汰なのだ)に飽かせて思いつくままに垂れ流したが、ちょっと譬え話を盛りすぎたか。
品も目的もない文章になったが、論説ではないので勘弁してちょうだい。
賛同とか、そこ違うよとか、的はずれだよとかいったご指摘は歓迎。それに関する議論も含めて今後の参考にするですよ。



※2017.02.19 02:39 多少加筆修正


■金正男氏「弟に殺される」 ボディーガードつけ警戒
(朝日新聞デジタル - 02月18日 19:08)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4439130
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