2017/2/9木 19:30- さいたま芸術劇場 小ホール
第一部 マッチ売りの話
演出:金森譲
振付:Noism1
原案:アンデルセン「マッチ売りの少女」+別役実「マッチ売りの少女」
音楽:David Lang(The Little Match Girl Passion)より、梅林茂
衣装:中嶋佑一
木工美術:近藤正樹
面:石橋秀美
出演:Noism1
第二部 passacaglia
演出振付:金森譲
音楽:Heinrich Biber, 福島諭
衣装:中嶋佑一
出演:Noism1
Noismの近代童話劇シリーズ、箱入り娘に続いてはマッチ売りときました。ただ、かかし王子に割と忠実だったvol1と違って今回は別役実の不条理劇とアンデルセンの話が複雑に絡んだ構造。無声演劇のようなマッチ売りの話に続いて、休憩なしで踊りで見せるpassacagliaへ。70分の公演、非常に濃密な内容でした。
観終わって最初に思ったのは、Noismのダンサー凄い!ってこと。井関さんだけじゃない、どのメンバーもよくトレーニングされいて、強くしなやかな体と動きで、コンテンポラリーダンサーとしては最高峰だと思う。そのメンバーが集まった公演が観られることが幸せ。
そして、作品の方に対して。うーん、何をどう感想として言葉にしたらいいのやら。お芝居仕立ての第一部は、別役実の劇の予習をしていなかったこともあって、全くストーリーがつかめませんでした。あの哀しい家族達もすべてマッチ売りの少女の幻影で、アンデルセンの話と違ってマッチをつけても幸せな絵など浮かんでこなかったってことなのかしら、と勝手に解釈してました。
でも、全員仮面をかぶり、言葉はないけど体の動きだけで表現する演劇みたいなつくりはとても印象的。演じ手が仮面をかぶることで匿名性と抽象性が出て、生の人間の感情を味わうというより、一歩ひいたところでお話の哀しさを眺めるという感じ。不条理ではあるけど非常に理性的な感じで、金森さんらしいなと。
不条理演劇が終わると、セットを全員で片づけて、シンプルに踊りだけで表現をするパートに。ここはダンサーの身体能力もあって圧巻。solo for twoとか、supernovaとかを思い出しました。ただなー、この曲がなあ・・・。あまりにこれってコンテンポラリーの作品で使われ過ぎていて、金森さんなら、もっと違う選曲でもよかったのにーと、お門違いな不満もちょっと。
とはいえ、非常に完成度の高いステージで、相変わらずNoism凄いなぁと思いながら帰ってまいりました。私やっぱり、台詞を話す役者さんが出てこない作品の方が好き。次回作以降も期待してます!
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