2月14日(火)。
世間ではバレンタインディらしい。
こちらはシャバの様子はまるっきり分からない清潔な箱の中。
今日の担当の看護師さんは顔馴染みのNさん。
カーテンを元気良く開けて、「覚えてますかあ」の明るい声と表情。
そりゃ覚えてますとも。
ボクが最初にこの手術を受けたのは別の病院で、その時、最初に担当してくれたのがNさんだった。
ボクの主治医と言うのか、そのカテーテル治療では一人者、神の手と呼ばれているM先生が病院を移籍するにあたり、チームごと移籍。彼女も一緒にこの病院についてきたのだ。もちろん患者の自分も。
検温して貰いながら昨日のことを話してみた。
「エコーに男の人いるでしょう、昨日あの人が担当だった」
彼女は一瞬間を置いて
「怒られた?」
どうやらあの人が怖いと言う人が他にもいたらしい。
思わず笑ってしまった。
「でも、あの人もチームMでずっと長くM先生と一緒」
フーン。
カテーテル治療が終わって、やれやれと辺りを見回したら、あの人がいる。
他の看護師さんや技師さんは術着を着てるのに、この人だけは違和感がある。
病棟だって、看護師さんは冬なら制服の上から薄い揃いのカーディガンを羽織るぐらいだが、この人は厚手の毛糸のグリーンのカーディガン、グレーの紳士ズボン。そしてサンダル履き。
その辺の野次馬が紛れ込んだ様にしか見えない。
その様子がなんだか可笑しくて、迎えに来たNさんと顔を合わせて笑った。
病棟に戻ってからも一人でしばらく笑った。
今日の病院食。
昼は右腕が使えなかったのでおにぎりを用意してくれた。
夕食は普通のご飯にしてくれたが、食べるのが面倒くさくなって半分以上残した。
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