会社法判例百選第3版 1 会社の能力と目的の範囲
最高裁昭和27年2月15日 第二小法判決です。事件番号が昭和24年(オ)第64号となっていますから上告されてから3年たっての判決です。昭和20年代だとけっこうなインフレ状況にありますから損害賠償請求は単なる債権回収だと無意味になっています。税金の損金処理にはつかえます。
訴訟遅延の問題はこのあと平成の民事訴訟法解決につながっていきます。
民集判決です。民集がなんの略かはわかりますか。わからないひとは法律学辞典等で確認してください。戦前と戦後では同じ民集という略語でも違います。会社法判例百選3版では戦前の判例は3つになってしまいました。
筆者は会社法の最初の勉強は昭和58年の京都大学法学部の3年4年次配当の商法第二部 森本教授の講義をとることではじまりました。その後龍田教授の講義もきいています。いずれの講義でも扱った判例です。
会社の目的(登記事項)について目的遂行に必要な行為は目的の範囲に属するものと解すべきとした判例です。
民法総則の自然人・法人の権利能力・行為能力概念、代表権限の濫用・民法93条但し書きについての理解、さらに商法総則の登記事項の悪意擬制の問題もしっておく必要があります。
解説は北村京都大学教授で学説の状況、平成18年改正民法34条もふれています。
実務的には対外的には会社の目的は意味がない、ということで、解決ずみなのですが、民法の応用問題としての商法を理解しているかどうかとしてはいい問題がつくれるので、学習する必要のある判例です。
実務にはいってしまえば、学説のほうは忘れてもかまわないことがおおいのですが。
神田秀樹「会社法 第十八版」弘文堂・2016年・5頁
田中亘「会社法」東京大学出版会・2016年・33頁
ログインしてコメントを確認・投稿する