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2017年02月05日12:39

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【映画】 幸せなひとりぼっち 【☆3.8】

※記憶保持が主目的の為ネタバレ全く自重していませんので、今後観る予定のある方は読まないことをお薦めします。
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【幸せなひとりぼっち】 (Theatre)
2017年
総合評価 3.8 → ☆3.8

「シナリオ」 (1.0) … 4 → 4
「演出全般」 (1.2) … 4 → 4.8
「心理効果」 (1.5) … 4 → 6
「視覚効果」 (1.1) … 3 → 3.3
「音響効果」 (0.9) … 3 → 2.7
「教養/啓発」 (0.8) … 4 → 3.2
「俳優/声優」 (0.7) … 4 → 2.8
「独創性」 (0.8) … 4 → 3.2
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【ストーリー】
真面目で頭が固くて不器用な老人が、妻に先立たれた事で自殺を決意するが、毎回寸前で邪魔が入る。騒がしくてお節介な隣人達ややたらなつく野良ネコと接しつつ過去を回想するうちに老人の心境も変化する。
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≪キーワード≫
スウェーデン 人間ドラマ 下町ハートフル

【魅力】
・頑固オヤジ演出
・ご近所づきあい
・夫婦愛
・馴れ初め
・笑える
・泣ける
・俳優全般
・啓発

【不満】
・なし

【印象に残ったシーン・台詞】
・首に縄の跡を付けながらホームセンターに縄の強度のクレームをつけにいくシーン
・ネコを威嚇するシーン
・親友と微笑み合うシーン
「妻以外の人間はどうでもいい」
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【少し突っ込んだ感想】
イーストウッドの名作「グラン・トリノ」と良く比較されるが、確かに似ている!ただ、GTは本作に比べてインパクトはあるが作り物感が強く、過去の回想が欠落している点、好みが大きく分かれそう。個人的には本作の方が好みで、今後観るたびに評価が高まりそうな印象。

生真面目で神経質過ぎる性格から基本人間関係は上手く行かないが、根は善人なので好感が持てる(実際接すると厄介だろうけど)。一般的な人達が普通に持ち合わせている「いい加減さ」が許せないので一人で空回りしているが、言い分は理解できる。ただ、最初の花束2束70円を35円に値切ろうとしたのは完全にクレーマー入ってたけど。いずれにせよ、この手の映画は、当人と世間とのすれ違いを楽しむジャンルだし、その点この作品は凄く良く表現できていたと思う。半裸で猟銃持ちながら来客と接するシーンはかなり笑えた。あの対応されても泊まろうとした若者達も大概だけど。

如何にして、この不屈の頑固オヤジが出来上がったかは、過去の回想シーンからプロファイリングされる。なかなかシビアな経験をしているので、過去の出来事ながらもハラハラしてしまう。亡妻との「馴れ初め」は過去に観た恋愛シーンの中でもかなり印象的だった。亡妻の存在感が強過ぎるので、あの女優はヒロインの役しか出来ないのでは無いかと変な心配をしてしまう。俳優全般も演技指導も優秀だったと思う。

いずれにせよ、そのような濃い人生を生き抜いたにも関わらず、妻が亡くなるのと同時に自殺を決意する心理が、過去の回想により、違和感を感じさせなかったのは素晴らしい。この作品は「生き方」よりも「死に方」がテーマだと考えられる。あのおせっかいな野良ネコが、軽率な自殺をさせまいとする亡妻の介入に見えた。なんだかんだ言っても、幸福な一生だったのだろう。


【蛇足1】
スウェーデンの福祉事情に疎いせいか、最後にヒゲを撃退するシーンの心理効果がイマイチ低かった。老人を施設に押し込むことで小銭を稼ごうとしてたのだろうか?日本とは何か根本的に違ってそう。詳しい人がいたら教えてプリーズ!

【蛇足2】
自治会長をクーデターで落とされた経緯が、見解の相違とかではなくておそらく完全に車の趣味の違いが原因になってそうで笑えた。

【蛇足3】
死にそうな人を助ける代わりにまずスマホで撮影する文化は日本だけじゃないと知って、安心したような絶望したような。
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