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2017年02月01日23:34

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『名前』 ポール・エリュアール--共謀罪によせて

『名前』

小学生の/ノートのうえに/机のうえに/樹の幹に/砂のうえ/雪のうえに/わたしは書く/きみの名を

読んだ/すべてのページのうえに/すべての/白いページのうえに/石や血や/紙や灰のうえに/わたしは書く/きみの名を

ジャングルや/砂漠のうえに/小鳥の巣や/エニシダのうえに/子どもの頃の/こだまのうえに/わたしは書く/きみの名を

夜よるの/不思議さのうえに/日日の/白いパンのうえに/婚約した/季節のうえに/わたしは書く/きみの名を

生きいきとした/小道のうえ/遠く伸びた/大道のうえに/ひとの溢れた/広場のうえに/わたしは書く/きみの名を

灯のともった/ランプのうえ/また消えた/ランプのうえに/わが家の/一家団欒のうえに/わたしは書く/きみの名を

許しあった/肉体のうえに/友だちの/額のうえに/差しだされた/手のうえに/わたしは書く/きみの名を

思いがけぬ喜びの/窓硝子のうえ/待ちうける/くちびるのうえに/沈黙の/そのうえにさえ/わたしは書く/きみの名を

欲望もない/放心のうえに/まる裸の/孤独のうえに/そして/死の行進のうえに/わたしは書く/きみの名を

力強い/ひとつの言葉にはげまされて/わたしは/ふたたび人生を始める/わたしは生まれてきた/きみを知るために/きみの名を/呼ぶために

自由よ

(訳:大島博光)

第二次大戦中、ナチスドイツ占領下のパリで、彼はこの詩を書きました。
エリュアールはこの詩を、はじめは彼の恋人に捧げるつもりで書き出し、最後の一行はその名をしたためようと思っていたそうです。しかし途中で思い直し、『力強い…』からの節が生まれました。

私はフランスの詩人ではポール・エリュアールに一番惹かれます。

共謀罪が国会で成立する可能性がかなりありそうです。
親分の自民党に擦り寄る政党たち。
「自由」の「死」です。
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