若き日のベートーヴェンは、ウィーンに旅立つときに
こういう言葉で激励された。
「あなたはハイドンの手からモーツァルトの精神を受け取りなさい」
ワルトシュタインの言葉だ。
フェルディナント・フォン・ワルトシュタインは
まだ地方の音楽家に過ぎなかったベートーヴェンをハイドンに推薦し
これを機会にベートーヴェンはウィーンに定住することとなった。
またパトロンとして支援の手を差し伸べた。
……現代でも揺るぎのない古典の巨匠として尊敬される3人の名前が
その当時すでに、たった一人の発言の中にあらわれるとは、
目を見張るものがある。
ワルトシュタインソナタはこのときから10年ほど後だ。
ベートーヴェンは感謝の気持ちを決して忘れなかったのだろう。
人が人の推薦を受けるということを考えるうちに、
こんな歴史上のできごとを思い出した。
ログインしてコメントを確認・投稿する