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2017年01月31日22:58

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メシアン、彼方の閃光!

本日は放課後にメシアンを聴きました。

〇読響第566回定期演奏会
開演:2017年1月31日(火) 19:00
会場:サントリーホール
曲目:メシアン/彼方の閃光
管弦楽:読売日本交響楽団
指揮:シルヴァン・カンブルラン

すでにTwitterにもつぶやいたりしましたが、とんでもない作品でした。よい意味で
西洋楽器を大量に(奏者は130人ほどか)使いながら、西洋音楽、否、音楽とは異なる、というか、音そのものの持つ意味を聴く者に問う作品。
作曲者が採音した鳥の囀りなどの自然音を西洋楽器を使ってあらんかぎり再現して、しかし鳥の音をただ模して自然を再構築しているのではなく、再構成した音世界を作ってその中に聴く者を佇ませ、それで自然の中に身体を置いたような感覚を聴く者に醸成する。ただしα波のような環境・ヒーリング音楽とは真反対であって甘く心が安らぐことはない。自分でこの自然と対峙していかなければならないこと、自然と調和するために自分で何かしなければならないことを示唆する。
白眉はちょうど全楽章の中央に位置する第6楽章で、こういう厳しめの音世界の中で突然「音楽」がかなり厳しめに闖入してくる。(トロンボーン、ホルン、ファゴットだけが旋律を奏し大太鼓の3連打が一定間隔で延々と繰り返される、というもの。ファゴットがどこにいるのかわからなかったが普通と逆に左側にいた)マジほんとうに厳しい。旋律を奏すると言ったが非常に低温で蠢いているにすぎず、そこを容赦なく大太鼓に叩かれるという「音楽」。聴く者をも律するようである。
最終楽章は弦楽合奏だけの後方で複数名によるトライアングルがチリチリと永遠に鳴らされていて、聴く者の精神状態を極限まで高めてくる。原題のÉclairs sur l’Au-Delàに最も近いのではないか?閃光というかかすかな光明という感じもあろう。
演奏で特筆すべきはまず打楽器。とてもこれを合奏させるのは人間業と思えない。
第9楽章などで複雑な鳥の聲の交錯を演じた木管楽器群も素晴らしい。不思議と、この曲から最も遠いベートーヴェンの「田園」のあの部分が脳内で同時に鳴った。

11月末にはメシアンの歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」の日本初演が演奏会形式で行われる。
この精度の演奏なら楽しみ百倍を超えると言ったところだ。
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