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2017年01月29日12:30

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VESSEL

2017/1/28土 16:00- 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

振付: ダミアン・ジャレ
舞台芸術: 名和晃平
音楽: 原摩利彦(特別参加:坂本龍一)
出演: 森山未來、エミリオス・アラポグル、浅井信好、森井淳、皆川まゆむ、三東瑠璃、戸沢直子

横浜ダンスコレクションの目玉作品、VESSELを観に行ってきました。以前観た友人から評判を聞いていて楽しみだったのですが、確かに凄い作品でした・・・!作品の印象としては、ダンスを観たというよりは、現代アート、それもちょっとインスタレーションに近いもの、を鑑賞したという感覚。現代アートとダンスの境界ってこういうふうに曖昧にできるんだな、といい意味で思いました。非常に新鮮で面白かった。

上演時間になったら会場が暗転、漆黒の闇へ。弱いライトで浮かび上がる舞台装置は、真ん中に泡立つ沼地のような窪みがある、白い「土手」。周りの地面は薄く水がはってある。沼地の泡立ちは舞台の進行とともに、強いときもあれば弱いときも。そして中は完全な液体ではなく泥のような状態(泥の濃度も舞台の進行とともに変化していたような気がする)。音楽は、メロディはなく、低いうなりや打撃音など。

*舞台装置、言葉で表現するのはとても無理なので、こちらの公式の画像をご参照ください。 http://yokohama-dance-collection.jp/program/program01/

ダンサーは7人。ダンサー、と書きましたが、最後の最後までほぼ顔(も髪型)も腕や体で隠されて分からないような振付です。そのことと振付自体が相まって、踊っている彼らは明らかに「ヒト」を表現しているのではない。ただ、動き自体は機械的ではなく有機的でぬめっとした感じがあり、何らかの生命体を表現しているようには感じられました。ただし、ヒトとは絶対に感情を共有できないとても原始的なもの、私の中で一番近いイメージはミクロの単細胞生物。ダンサーと絶対に感情が共有できない(というより、相手が感情というものをまだ発達させていない)感じが、ダンスというより現代アートを見ている感じがする、と感じた大きな要因だと思います。

振付は、高度な組体操という雰囲気。手や足を絡ませて不思議な「塊」になる人体。ヒトの体でこんな表現ができるのか!次は何がくるのか?!と60分間、舞台に惹きつけられっぱなしでした。独創性高いなあ・・・!ただ、ものすごく複雑な形の組体操で、首をずっと前にたくし込んでいるので、首を痛めたりしないのかな、とヒヤヒヤしたりも。

奇妙な作品ではありますが、決してダークではない。むしろ原始的な生命の力強さみたいなものを感じさせてくれました。特定のストーリーはないと思いますけどね。

VESSEL、本当に印象深い作品でした。こんな質の高い作品が小さい親密な空間で観られて本当に幸せ。今後も、こういう作品を企画していただきたいな、と思います。

写真は、終演後のホワイエで見かけた、ダミアン・ジャレと名和晃平さん。カーテンコールにも登場していて、大きな拍手を浴びていました。そうそう、この公演では終演後ドリンクサービスがあったのですよ。なかなか気が利いているなと思いました。
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