遠藤周作さん原作の”沈黙”が、マーティン・スコセッシ監督で映画化された。あの重く暗い小説をどの様に映像化するのか興味が在ったので劇場に足を運んだ。
40年前の大学時代、遊びの無い、突き詰めて人間を追い込むような小説に、当時TVCMに”孤狸庵先生”と称して出演していた遠藤周作氏とのギャップに戸惑ったのを覚えている。
映画は正確な時代考証とシンプルなセット、俳優陣の鬼気迫る演技に加え、素晴らしいカメラワークで傑作に仕上がっている。二時間半を越える上演時間にもかかわらず飽きることが無い。
宗教観は私には理解し難いが、人としてどう在るべきかと云う原作者の問いかけが、無音の映像から強く心に響いてくる。
日本原作がこの様な素晴らしい映像になるとは、私の想像を遥かに超えていて正直驚いた。
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