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2017年01月25日01:18

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1月24日の行書問題その2

H25

○憲法の総論ーレベル2

11、私法上の法律関係における憲法の効力に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、正しいものはどれか

1. 私人間においては、一方が他方より優越的地位にある場合には私法の一般規定を通じ憲法の効力を直接及ぼすことができるが、それ以外の場合は、私的自治の原則によって問題の解決が図られるべきである。
2. 私立学校は、建学の精神に基づく独自の教育方針を立て、学則を制定することができるが、学生の政治活動を理由に退学処分を行うことは憲法19条に反し許されない。
3. 性別による差別を禁止する憲法14条1項の効力は労働関係に直接及ぶことになるので、男女間で定年に差異を設けることについて経営上の合理性が認められるとしても、女性を不利益に扱うことは許されない。
4. 自衛隊基地建設に関連して、国が私人と対等な立場で締結する私法上の契約は、実質的に公権力の発動と同視できるような特段の事情がない限り、憲法9条の直接適用を受けない。
5. 企業者が、労働者の思想信条を理由に雇い入れを拒むことは、思想信条の自由の重要性に鑑み許されないが、いったん雇い入れた後は、思想信条を理由に不利益な取り扱いがなされてもこれを当然に違法とすることはできない。

11
こたえ
『4』
正しい。
「憲法九条は、その憲法規範として有する性格上、私法上の行為の効力を直接規律することを目的とした規定ではなく、【中略】私人との間で個々的に締結する私法上の契約は、当該契約がその成立の経緯及び内容において実質的にみて公権力の発動たる行為となんら変わりがないといえるような特段の事情のない限り、憲法九条の直接適用を受けず、私人間の利害関係の公平な調整を目的とする私法の適用を受けるにすぎないものと解するのが相当である。」(最判平成元年6月20日)

H25

○憲法のその他ーレベル4

12、権力分立に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1. アメリカでは、国会議員と執行府の長の双方が国民によって直接選挙されるが、権力分立の趣旨を徹底するために、大統領による議会の解散と議会による大統領の不信任のメカニズムが組み込まれている。
2. 政党が政治において主導的役割を演じる政党国家化が進むと、議院内閣制の国では議会の多数党が内閣を組織するようになり、内閣不信任案の可決という形での議会による内閣の責任追及の仕組みが、一般には、より実効的に機能するようになった。
3. 伝統的には、議会の立法権の本質は、国民に権利・利益を付与する法規範の制定であると考えられてきたが、行政国家化の進展とともに、国民の権利を制限したり義務を課したりするという側面が重視されるようになった。
4. 一般性・抽象性を欠いた個別具体的な事件についての法律(処分的法律)であっても、権力分立の核心を侵さず、社会国家にふさわしい実質的・合理的な取扱いの違いを設定する趣旨のものであれば、必ずしも権力分立や平等原則の趣旨に反するものではないとの見解も有力である。
5. 君主制の伝統が強く、近代憲法制定時に政府と裁判所とが反目したフランスやドイツでは、行政権を統制するために、民事・刑事を扱う裁判所が行政事件も担当してきた。

12
こたえ
『4』
正しい。
権力分立の核心を侵さず、社会国家にふさわしい実質的・合理的な取扱いの違いを設定する趣旨のものであれば、必ずしも権力分立や平等原則の趣旨に反するものではないとの見解が有力である(法律の一般性説)。

※学校法人紛争の調停等に関する法律について
名城大学で内紛が発生し、それと時期を同じくして当該法律が制定されたため、当該法律は名城大学という一私立大学の内紛を解決するためだけに作られたものであり、一般性を欠くため違憲であるとの主張がされた。

裁判所は、「当該法律は単一事件のみを規律する法律として成立したものではないことは法文上明白である」として、当該主張を斥けた(東京地判昭和38年11月12日)。

H22

○憲法の多肢選択式ーレベル2

13、の文章の空欄[ ア ]〜[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

  …憲法以下の法令相互の効力関係を定めることも、憲法のなすべき事項の範囲に属する。憲法は、[ ア ]・[ イ ]などの制定権をそれぞれ特別の[ ウ ]に授権すると同時に、それらの法令の効力関係をも定めなければならない。明治憲法には、[ ア ]と[ イ ]との効力関係について、第九条但書に、「[ イ ]ヲ以テ[ ア ]ヲ変更スルコトヲ得ス」とあり、第八条に、緊急[ イ ]は、[ ア ]に代わる効力をもつ旨を示す規定があった。日本国憲法には、そのような明文の規定はない。政令と[ ア ]、最高裁判所規則と[ ア ]、地方公共団体の条例と[ ア ]・[ イ ]など、個々の場合について、憲法の趣旨を考えてみるより仕方がない。例えば、政令と[ ア ]との関係においては、憲法は、[ エ ]を唯一の立法[ ウ ]とし、また、政令としては、[ ア ]の規定を実施するための政令、いわゆる執行[ イ ]的政令と、[ ア ]の委任にもとづく政令・いわゆる委任[ イ ]的政令としか認めていないから、一般に政令の効力は[ ア ]に劣るとしているものと解せられ、最高裁判所規則と[ ア ]との関係においては、憲法は、国民の代表[ ウ ]であり、国権の最高[ ウ ]、かつ、唯一の立法[ ウ ]である[ エ ]の立法として、憲法に次ぐ形式的効力を与えている[ ア ]に優位を認めているものと解せられる。

1、主体 2、内閣 3、条約 4、権力 5、慣習法
6、憲法付属法 7、機関 8、天皇 9、命令 10、判例
11、公務員 12、法規 13、国会 14、詔勅 15、習律
16、官職 17、内閣総理大臣 18、法律 19、通達
20、行政各部

13
こたえ
正解 ア18 イ9 ウ7 エ13
アの18の法律→イの9の命令→ウの7の機関→エの13の国会

空欄エ以外は複数あるが、本文中盤〜終盤の難易度の低い空欄で判断したいところ。
必要な知識は、以下。

憲法第41条
国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

憲法第73条
内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行う。

       ・・・≪中略≫・・・

6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。

≪法令等の上下関係の通説ないし多数説≫
憲法 > 条約 > 法律 > 政令・最高裁判所規則・議院規則 > 府令・省令・規則・庁令・国の法令 > 条例 > 規則

行政立法は、「法規命令」と「行政規則」に分類されるが、法規命令は更に、執行命令と、委任命令とに分類することができる。
執行命令とは法律又は上位の命令を執行するための規範である。例えば、「〇〇法施行令」というものである。

委任命令とは法律又は上位の命令の委任に基づいて国民の権利・義務を創設する命令である。例えば、委員会規則、人事院規則などである。

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