mixiユーザー(id:509182)

2017年01月24日18:25

139 view

『沈黙』

22日、相方と市内のサロンシネマにて鑑賞。同じ劇場では『君の名は。』『この世界の片隅に』も公開中でロビーは大混雑(めでたい)


片桐はいりさんと塚本晋也さんがメインキャラではないが印象的な役どころで登場。「ニッポン対キリシタン」
の様相(もっとも2人ともキリシタン側だが)。殉教シーンでの塚本さんの歌が素晴らしい。

ちなみに『鉄男』以来の塚本作品ファンであるスコセッシ監督は日本人キャストオーディション会場に俳優として現れた塚本さんを見て「監督!なぜあなたがここに?」と声をあげてしまったそうだが。

キリスト教という「真理」の若木が植えられても根付くことなく腐らせてしまう日本という沼、イッセー尾形さん演じる奉行イノウエ様の気味悪さは、主人公ロドリゴをも飲み込んでいくその沼を見事に体現してました。

ちなみに遠藤周作先生がもともとこの作品につけていた表題は『日向の匂い』で、『沈黙』というタイトルが定着してからも元の表題に固執していたとのこと。キリスト教を根腐れさせてしまう沼は、いったんはまってしまえば居心地のいい「日向」(ひなた)になるということかもしれません…そういえば地球を新着するはずのケロン軍をその居心地の良さで飲み込んでしまったのは日向家だったな

そして、登場人物の中で、転んだ後の主人公が「告解」の相手に選んだ者、もっとも日本人キリシタンの中で真に信仰を求めていた者は誰だったのか、という結末。イエスの伝記を書いていてもイスカリオテのユダに肩入れしてしまう遠藤先生らしい展開をスコセッシ監督はきちんと受け止めて描いておられました。

余談ながら、ロドリゴとフランシスコの神父2人が日本に潜入して最初にかくまわれたキリシタンたちから食物をふるまわれた時、貪り食いはじめてから、周囲Gはみなお祈りしているのに気付いてあわてて食べるのをやめて祈りはじめる場面(緊張感あふれる作品の名ksで数少ないユーモラスな演出)、あれは『紅の豚』へのオマージュなんだろうか。

4 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する