…また昨日の話し。
午前中、DVDでホウ・シャオシェン監督の「恋恋風塵」を観て、昼から御成門へ。
午後2時、みなと図書館の映画上映会で豊田四郎監督の「駅前開運」を観ました。その後、虎ノ門へ。
午後6時半、虎ノ門ニッショーホールでアントワン・フークア監督の新作映画「マグニフィセント・セブン」の試写会に行ってまいりました。
☆「恋恋風塵」(1987)監督 ホウ・シャオシェン 出演 ワン・ジンウェン、シン・シューフェン、ルー・ティエンルー、リン・ヤン、メイ・ファン、チェン・シュウファン
1960年代終わり頃の台湾の山村。幼い頃から兄妹のように育った中学三年生の少年アワンと中学二年生の少女アフン。アワンは中学卒業とともに台北に出て、働きながら夜間高校に通う。1歳年下のアフンも1年遅れて台北に出る。
台北で働く2人は強い絆で結ばれ、お互いに助け合いながらお盆の里帰りを何よりも楽しみにしていた。
やがて時が経ち、お互いを意識し始めた2人だったが、アワンは兵役につくことになる。アフンはアワンに毎日手紙を書くことを約束するが……。
…いいですねぇ、この静かな感じ。
「冬冬の夏休み」や「非情城市」などで知られる台湾映画の名匠ホウ・シャオシェン監督のほろ苦い青春映画です。
この人の映画は、やたらセリフで説明すること無くスッと映像で見せてくれるので、観ていて鬱陶しくないんですね。
…非常に淡々とした味わい、そこはかとないユーモアと悲哀、いい感じの映画でした。
そう、そうなんだよね、青春って。…苦いもんだよね。
☆「駅前開運」(1968)監督 豊田四郎 出演 森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺、藤田まこと、沢村貞子、池内淳子、森光子、野川由美子、大空真弓、佐藤友美、藤村有弘、黒柳徹子、山茶花究、頭師佳孝、てんぷくトリオ
終戦時の東京でヤミ屋をやっていた孫作、次郎たちは、今では赤羽の商店街のレッキとした店の経営者である。目下、商店街の人たちの懸案は、街の真ん中に建設中のゴミ焼却場で、孫作や次郎たちは共同で反対運動を進めているところだった。
ある日、二人はもと赤羽工兵連隊長、徳之助のアイディアで、花村代議士に陳情作戦に出たのだった……。
東宝の大人気シリーズである「駅前」シリーズの第22作。
1968年、昭和43年の作品。…もう、日本がイケイケドンドンの高度成長期真っ盛りの時期の、社会風刺の利いた喜劇です。
シリーズも22作目ともなると、かなり内容的にはいい加減なのですが、もう “ 勢い ” がスゴい!
映画はその時々の時代の鏡とも言われますが、この映画など時代のエネルギーだけで押し通しちゃってる感じですわな。(笑)
…まぁ、こんな軽喜劇に贅沢なキャスティング!今では実現できないよね。これだけのレベルの役者自体、何人いるだろうか。
「雪国」や「夫婦善哉」、「墨東綺譚」などそうそうたる名作で知られる “ 文芸映画の巨匠 ” 豊田四郎が監督ってのも、驚きです!
…やっぱり、“ 時代 ” だったんだねぇ。
☆「マグニフィセント・セブン」(2016)監督 アントワン・フークア 出演 デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ビンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マーティン・センズメアー、ピーター・サースガード、ヘイリー・ベネット
悪漢バーソロミュー・ボーグによって牛耳られ、絶望を感じながら生きているローズ・クリークの町の人々。住民の一人であるエマ・カレンは、賞金稼ぎのサム、ギャンブラーのジョシュ、流れ者、拳銃の達人といった7人の男を雇って、バーソロミューの手から町を救い出すように頼む。
金のためと割り切って戦いに身を投じるサムやジョシュだったが……。
黒澤明の名作「七人の侍」のハリウッド・リメイクの「荒野の七人」を原案としたアクション西部劇です。
「七人の侍」も「荒野の七人」も観たことのないイマドキの若者たちにはウケるんじゃないんですか?
…みごとにB級アクション映画として仕上がっています。でも、あくまでも “ B級 ” ですよ、“ B級 ”。
オリジナルと比べるのも失礼なんじゃないスか?
だってアントワン・フークア監督ですもの、一級品は似合わないでしょう。そう思わないと、「七人の侍」や「荒野の七人」のファンが怒りますよ。(笑)
…しかし、なぜ、今さら「荒野の七人」をリメイクしようなんて思ったのだろうか?
わざわざレベル・ダウンしてまで。…わからん。
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